020390狛犬
 
                    参考:小学館発行「万有百科大事典」ほか
 
〈狛犬コマイヌ〉
「犬」
 ネコ目(食肉類)イヌ科の哺乳類。よく人に馴れ、嗅覚と聴覚が発達し、狩猟用・番用
・軍用・警察用・労役用・愛玩用として広く飼養される家畜。品種もわが国在来の日本犬(
秋田犬・柴犬など)の他多数あり、大きさ・毛色・形も様々である。
 
「狛犬」
 狛犬は、獅子の形を基本として作られる。通常神殿の縁側、又は社寺の前庭に、左右
一組にして置かれる。また昔は宮中で、几帳の裾に鎮子チンシとして獅子形を用いたことが
ある。その起源はエジプト、ペルシャ、インドなどの神殿や門前に置く獅子形まで遡る
ことが出来るが、わが国の狛犬の直接の源流は大陸中国に求められる。狛犬の性格は要
するに社寺の守護神であり、多くは開口と閉口の阿吽アウンの一対とする。材料は木造・石
造・銅造・陶製などがあるが、神殿上のは木造、屋外のは石造を主とする。
 
 遺品では、木造の大宝神社(滋賀県栗太郡栗東町)のものが鎌倉初期で最も古く、そ
の形は唐形式の獅子が和風化されたものである。これがわが国の狛犬の基本形式となる
が、鎌倉期に宋形式の石造狛犬が渡来して、この系統の作、或いは混合された形式のも
のなどを生じる。東大寺南大門、観世音寺(福岡県筑紫郡太宰府町)などは鎌倉時代の
宋系、篭コノ神社(京都府宮津市)のものは鎌倉時代の和風系の例である。
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