020270亀卜
参考:堀書店発行「神道辞典」ほか
〈亀卜キボク〉
「亀」
カメ目の爬虫類の総称。体は背腹両面に甲羅があり、両甲は側面で接着して、前後で
頭・尾・四肢が出入できる箱状になっている。歯はない。水中又は陸上に棲み、植物・魚貝
などを食い、水辺の砂地に穴を掘って産卵。リクガメを除き、水中を泳ぐのはうまい。
長く飢渇に耐える。首を曲げて甲羅に収める曲頸類と潜頸類とに大別。世界に200種以上
が分布。爬虫類のうち最も起源が古く、化石として発見される種類が多い。わが国では
鶴と共に長寿の動物として目出度いものとされる。かめのこ。
「亀卜」
亀卜とは、亀の甲を焼き、その割れ方によって吉凶を判断することである。古代中国
の殷時代に起こり、古代日本に伝えられたと云う。亀の甲に錐キリで穴を空けて、焼いた
木の棒を揉み込んで割れ目を作る方法である。わが国には鹿の肩の骨を焼いて割れ目を
作る、太占フトマニの方法があったが、後には並び行われることになった。『令義解』には、
神祇官の卜兆の語を解して「卜とは亀を灼くなり、兆とは亀を灼く縦横の文なり、凡そ
亀を灼き吉凶を卜するは是れ卜部の執業」と見える。卜部は神祇官に属して、伊豆・壱岐
・対馬の三国から徴せられた。現在もこの三国には亀卜の法が伝えられているが、卜部雅
延の撰と云う『亀卜抄』、萩原家の『亀卜伝』『四宮神主亀卜伝』、『対馬島卜部亀卜
秘伝』などがある。
「葦占アシウラ」の項参照
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