010280葦占
 
                       参考:堀書店発行「神道辞典」ほか
 
〈葦占アシウラ〉
「葦・蘆・葭アシ(ヨシのこと)」
 イネ科の多年草。各地の水辺に自生。世界で最も分布の広い植物の一。地中に扁平な
長い根茎を走らせ大群落を作る。高さ約2m。茎に節を具え葉は笹の葉形。秋、多数の細
かい帯紫色の小花から成る穂を出す。茎で簾スダレを作る。
 
「葦占」
 占ウラナヒ(卜)とは、神意に問うて事の吉凶正邪を判定する法である。記紀の神代巻に
太占フトマニの記事が見え、彼の三世紀の『魏志』倭人伝にもこのことに触れている。わが
国では古代には鹿の肩胛骨をハハカ(ウワミズザクラの古名)の木を以って灼き、その
ひび割れの状を以って卜った。亀卜の法は中国からの伝である。
 なお、卜占のときに審神者サニワ即ち神意を審判する者を置いたことが、神功皇后紀に見
える。神祇令(養老)に拠れば、神祇官の役人の内に卜部が置かれて専らその事に当た
った。記紀・風土記・万葉集等には、足占・石占・歌占・辻占・灰占・橋占・夢占・琴占等多数の
方法が載せられている。盟神探湯クガタチも勿論その一種である。現に宮中では大嘗祭に先
立ち、悠紀・主紀国郡の決定には亀卜に依っている。また伊勢神宮において重要な祭に参
加する神職の可否は琴占に依るのを始め、全国の諸社で粥占・置炭・水占・歩射等による五
穀の豊凶を占う祭は数多い。
 
「亀卜キボク」の項参照
関連リンク 「お湯立て神事」考
関連リンク 「松館天満宮三台山獅子大権現舞」
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