010120秋篠寺 
 
                    参考:小学館発行「万有百科大事典」ほか
 
〈秋篠寺アキシノデラ〉
「篠」
 細くて群がり生える小さい竹。ヤダケ・メダケの類。篠の小笹・篠の葉草。篠笛の略。
 
「秋篠寺」
 奈良市秋篠町にある。秋篠寺は光仁・桓武天皇の御願により、善珠ゼンジュ僧正の開いた
鎮護国家の道場と伝えられ、宝亀十一年(780)六月に封百戸が施入され、延暦十七年(
798)十一月には大和国(奈良県)添下ソウノシモ郡の荒廃田二十四町が寺田となっているか
ら、奈良末期・平安初期には立派な伽藍を誇っていた。保延元年(1135)六月に一山焼失
したと伝えられ、鎌倉時代に修復の手が加えられた。
 建築としては鎌倉時代の本堂(国宝)がある。桁行五間、梁間四間、単層寄棟造、本
瓦葺。また、残ったのを修理したと伝えられる講堂は、鎌倉時代に再建れたらしく、天
平風復古建築。彫刻では伎芸天ギゲイテン立像を始め、救脱グダツ菩薩・梵天・帝釈天各立像
(重文)は首部のみ乾漆の天平仏で、体躯は鎌倉時代の補作である。梵天像の首部の銘
により正応二年(1289)に奉行人中宮大進藤原光泰が修理したことが分かる。
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