6001身近に生えて気になる植物〈ミツバ〉
 
〈ミツバ〉
 ミツバ三葉・野蜀葵はセリ科の多年草で、北海道から沖縄にかけて自生し、中国にも分
布する。栽培品種も1、2種あるが、野生種と大差ない。葉は3小葉で葉柄はやや長く、
夏に白い花を着ける。
 野菜用に葉を付けた葉柄を収穫する。味は淡泊で香気が強いので、わが国では各種の
料理に周年需要があり、これに応じて種々の栽培法が考案されている。
 
 イトミツバは、3〜4月から9月頃までに次々と播種ハシュし、2、3ケ月後に茎が15〜20
pに伸びたときに収穫する。
 ネミツバは春に播種し、根株を養成し、冬に葉が枯れた後に20〜25p程度に土寄せし
て、翌春に葉先が地上に現れたときに掘り起こし、根を付けたまま水洗いして出荷する。
 キリミツバは促成軟化したミツバで、ネミツバと同様に根株を養成し、初冬から掘り
起こし、温床に植え込む。発芽まで暗黒、多湿にし、発芽後に葉が緑色で葉柄が純白に
なるように順次光を当てる。30日位のとき地際から切り取って収穫する。
 一般にミツバは乾燥に弱く、また種子の発芽が困難な場合が多い。
 
〈調理〉
 ミツバは四季を通じて出回るのが、香味が最も優れているのは春のネミツバである。
浸し物、和え物にするほか、吸い物、蒸し物、鍋物などにあしらい、芳香と色を楽しむ。
ビタミンCが多く、緑色部にはカロチンも多い。
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