21 身近に生えて気になる植物〈ドクダミ〉
〈ドクダミ〉
ドクダミはドクダミ科の多年草で、本州から九州、沖縄にかけて見られ、別名ジュウ
ヤクと云う。
地下茎は横走し、茎は高さ50p、全草に悪臭がある。葉は互生し、心臓形をなし、柄
がある。托葉タクヨウは下部では鞘状となり、宿存する。6〜7月に開花し、総包は4片、楕
円形、白色で花弁状をなし、宿存する。花軸は円柱体で花心に立ち、その上に細かい花
を密生する。花は両性で、花被は無い。
ドクダミ科は双子葉植物離弁花類に属し、多年草で葉は互生する。花は両性又は雌雄
異株で、総状花序をなし、花被は無い。雄蘂は数個、葯は2室、雌蘂は3個の心皮から
なり、心皮は離生又は下部で合生する。果実は朔(草冠+朔)果サクカ又は液果様、北米及
びアジアに3属4,5種、わが国に2属2種を産する。
〈薬用〉
ドクダミの全草を中国ではジュウサイ、魚腥草ギョセイソウと称し、わが国では重薬・十薬
ジュウヤクと云い、利尿、排膿、解毒の作用があるので、腫物、高血圧、痔ジ、便秘などに
用いる。葉を火で炙り柔らかくして腫物の上に置いてもよい。約0.005%含まれている精
油は抗菌性があり、その特異な臭いはデカノイルアセトアルデヒド、ラウルアルデヒド
による。
ドクダミでウマを飼育すると、10種の薬に相当する効果があるので十薬の名が生まれ
たと云う。
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