08 身近に生えて気になる植物〈シソ〉
 
〈シソ〉
 シソ紫蘇はシソ科の一年草で、ヒマラヤ、ビルマ、中国原産である。わが国での栽培
は古く、『延喜式』(927)などに記載がある。茎は四角形で高さ20〜40pで直立する。
葉は対生、広卵形で縁には鋸歯があり、茎や葉を揉むと香気がある。夏から秋に枝先に
総状の花序を着ける。
 花の咲き始めた花穂を収穫するものと、葉を収穫するものとがある。更に前者には白
花と赤紫花の二つがあり、後者にも緑葉(アオジソ)と赤紫葉(アカジソ)がある。ま
た、極ゴク若い双葉の時期に収穫し、芽物として用いる場合もある。周年需要が多く、促
成栽培なども行われている。
 
〈薬用〉
 シソは漢方では葉を紫蘇葉シソヨウ、種子を紫蘇子と云い、発汗、利尿、鎮咳チンガイ、鎮
静、鎮痛剤として用いる。葉は食料品、菓子の賦香料フコウリョウとする。
 
〈調理〉
 シソの独特の香気を生かして、芽ジソは刺身の妻や吸い口に、アオジソの穂は刺身の
妻や天ぷらに、葉は刺身の敷き妻、天ぷら、刻んで薬味にするほか、各種の漬物に用い
る。アカジソは梅干の色付けには欠かせないものである。また、紫蘇飯シソメシ、乾燥して
振り掛けなどにもする。実も吸い口、和え物、漬物とする。
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