「鹿角の菫に逢いたい」 |
51 菫の鉢植え わが国には、スミレの野生種が極めて多く、春になると各種のスミレがその可愛い花 を野や山にほころばせます。 なかには、米粒のようなごく小さな目立たない花の種類もありますが、多くは美しい 花を咲かせるため、山草として小鉢作りによいものです。 沢山の種類がありますが、ごく入手しやすいものでは、葉が深く切れ込みのあるエイ ザンスミレやヒゴスミレなどは、香がある花をたくさん咲かせますし、このほかアケボ ノスミレやサクラスミレなどは、そのピンクの大きな花が美しく、またオオバキスミレ のような黄花種もあります。 外国産のものにもかなり面白いものがあります。 俗にヒマラヤツルスミレと呼ばれているものなどは、イチゴ同様にランナーでどんど ん広がりり、白地に大きな紫の斑紋のある面白い花を、春から秋まで絶えず咲かせ続け ます。 〈作り方のポイント〉 元来スミレは多年草ですが、一つの株が二〜三年たつと老化して枯れやすいので、毎 年か一年おき位に実生をして、苗を育てて作ることです。種は、多くは夏の間に閉鎖花 といって、花弁がなく、種だけつける花が出てくるので、これで種を取れば、簡単に種 を採取できます。 蒔く時期は、「取り蒔き」するのがいちばん確実で、本葉四〜五枚の頃に、小鉢に植 えます。秋蒔きでは翌々年には花が見られます。三〜三.五号位の小鉢作りが、よく似合 いますが、種採り用の親株は四.五〜五号位の、かなり大きい鉢に植えた方がよく育ちま す。 用土は、赤玉四、ピートモスか腐葉土を四、川砂かパーライトを二位の割合で混ぜ、 肥料は月一〜二回、ハイポネックスと油カスの腐汁を薄めた水肥を与えれば十分です。 冬は、寒さに強いのですが、小鉢作りですと、霜の当たらないフレームなどに取り込 むか、庭に鉢ごと生けて、落葉などを掛けておくのが安全です。 参考:サンケイ新聞出版局発行「四季の鉢植え園芸百科」
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