67 育ててみたい植物〈ゲンノショウコ〉
〈ゲンノショウコ〉
ゲンノショウコ現の証拠(ミコシグサとも)はフウロソウ科の多年草、わが国の山野
に普通に生える。茎は分枝して地を這い、長さ30〜70p、葉柄と共に下向きの開出毛が
多い。葉は3〜5裂し、幅3〜7p、若いときは暗紅色の斑があり、葉柄は長く対生する。
裂片は鈍頭で少数の歯牙シガがある。7〜10月頃葉腋から花茎を出し、その先に2個の花
を着ける。花は径1〜1.5p、花弁は紅紫色、淡紅色又は白色で紅色の脈がある。朔(草
冠+朔)果サクカは長さ1.2〜2pで、成熟すると5裂し、裂片は錨形となる。
フウロソウ科の同様の多年草には、ハクサンフウロ(フウロソウ・アカヌマフウロとも
)、エゾフウロ、グンナイフウロ、タチフウロなどがある。
〈薬用〉
ゲンノショウコの花期の地上部を採り、乾燥したものを1日10〜40gを煎じて服用す
る。タンニンを多量に含有するので消炎、止血、収斂シュウレン、殺菌作用を持ち、大腸カタ
ル、赤痢、胃潰瘍、十二指腸潰瘍などに民間薬として用いる。良く効くので「現の証拠
」と称すると云う。同類植物は全て同じように使用することが出来る。例えばイギリス
に多いヒメフウロは、赤痢によい民間薬とされている。