57 育ててみたい植物〈カタクリ〉
〈カタクリ〉
カタクリ片栗(古名カタカゴ・カタカシ)はユリ科の多年草で、わが国及び朝鮮の山林
中に生える。全草は柔らかく無毛で、地下には少数の鱗片からなる円柱形で白色の鱗茎
がある。茎は鱗茎から出て、高さ20〜30p、中央下に2葉を付け、頂にただ1花を開く。
葉は狭卵形で柄があり、長さ10p内外、上面に不明の斑紋ハンモンがある。花は紅紫色で、
春早く下向きに咲き、花被片は6個で長さ5〜6p、外曲し、基部内面に暗紫色の部分が
ある。雄蘂は6個、花後間もなく丸くて三角のある朔(草冠+朔)果サクカを結び、5〜6月
には地上部が枯れて休眠する。
乾いた鱗茎は40〜50%の澱粉を含み、澱粉粒は良質で、かなり大きく楕円形、径0.1o
内外である。地上部が枯れた頃、鱗茎を掘り取り、皮を取って石臼で砕き、水を加えて
木綿の布で漉し、数回水洗いして乾かすとカタクリ粉が出来る。これで菓子を作り、丸
薬などな混ぜる。
カタクリの根茎は、澱粉を取らずにそのまま煮て食べたり、また若菜を野菜(山菜)
にしたりする。
平成14年04月11日
平成18年04月29日
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