54 育ててみたい植物〈ヤブラン〉 〈ヤブラン〉 ヤブラン薮蘭はユリ科の常緑多年草で、関東地方以西の林地に生え、太く短い根茎が あって株を作る。葉は線形で質厚く深緑色で、長さ40p、幅8o内外、上端は狭くなっ て鈍端に終わり、基部は互いに卷き合い短い鞘となる。夏から秋に葉間から高さ約40p の花茎を出す。花茎はやや丸く、葉がなく、上端は長さ10p内外の穂状花序となる。花 はやや密に多数着き、径約6o、花被片6個は長楕円形で淡紫色、雄蘂は6個あり、葯 は長楕円形で、両端が丸い。果実は早くから果皮が脱落し、丸い位種子は紫黒色に熟す。 〈薬用〉 ヤブランの紡錘状に太く膨らんだ根の一部を切り取り、乾燥したものを麦門冬バクモン ドウと称し、漢方では滋養、強壮、鎮咳チンガイ、去痰キョタン剤として、ジャノヒゲの根と同 様に用いられている。[次へ進む] [バック]