55 育ててみたい植物〈ジャノヒゲ〉
 
〈ジャノヒゲ〉
 ジャノヒゲ蛇髭(リュウノヒゲとも)は、ユリ科の常緑多年草で平地や山地の林内に
生える。葉は根茎上に多数束生し、線形で長さ10〜25p、幅3o内外あり深緑色で、上方
は緩く湾曲する。夏に葉間から葉よりも短い花茎を出し、先端に総状花序を生じ10花内
外を下向きに着ける。花は広鐘形で白色又は淡紫色、径約5o、6弁で中に6個の先の
尖った葯がある。果実は早く果皮を失って種子を裸出し、種子は球形で約6o、濃青紫
色に熟す。種子に弾力があるので、子供がこれを弾ハジいて遊ぶ。
 園芸品種に白筋斑入り葉のもの、黄色斑入葉のもの、黄筋斑入葉のもの、長葉のもの、
また分蘖ブンケツ旺盛で葉が密生するギョクリュウ玉竜がある。
 
〈薬用〉
 ジャノヒゲの紡錘形に肥大した髭根を、集めて薬用とする。漢方では麦門冬バクモンドウ
と云い解熱、強壮、鎮咳チンガイ、利尿、止渇シカツ剤として使用する。中国ではヤブラン、
コヤブランの根も同様に使用する。
 
 因みに「竜の髭」「はずみだま」「麦門冬」「沿階草エンカイソウ」「小麦冬ショウバクトウ」は
夏の季語、「竜の玉」は冬の季語と云う。
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