0201 茶花一覧(野の花・山の花① 続き)
茶花一覧(野の花・山の花①)
参考:中央公論社発行「茶花」
[カ]
カキツバタ(杜若) アヤメ科 開花期5~6月 多年草
本州中部地方以北の水湿地に生えますが,池などにも栽培されています。茎は円柱形
で直立し,高さ50~70㎝です。
葉は剣状広線形で尖り,質は柔らかで,高さは花茎より越えるものもあります。
初夏に茎の頂に2個の鞘包間から濃紫色の花が咲きますが,四季咲きの種類もありま
す。
カジイチゴ(梶苺) バラ科 開花期4~5月 落葉低木
関東地方南部の海岸に自生し,庭にも栽培され,高さは2m位です。
葉は大きく柄があって互生,5~7に深裂し縁に二重の鋸歯があります。
初夏に枝先に散房状の花序を作り,3~5個の白い花が上向きに咲きます。
核果は球状に集まって偽果となり,橙黄色に熟します。
カシワバハグマ(柏葉白熊) キク科 開花期8~9月 多年草
本州・四国・九州の山地の林の中に生え,茎の高さ30~60㎝です。
葉は茎の中程に7,8枚が集まって互生し,下部の葉は長楕円形で先は尖り,縁に鋸
歯があります。
夏から秋に茎の先や上部の葉腋に数個の頭花が穂状に付き,総包片は紫色で,花冠は
白色の花が咲きます。
カセンソウ(歌仙草) キク科 開花期7~9月 多年草
各地の日当たりのよい山野の湿地に生え,茎は直立して細く硬く,高さ30~60㎝で葉
と共に毛があります。
葉は互生し,広披針形で硬くざらつき,乾いた感触があります。
夏から秋に,茎の頂にオグルマに似た黄色い頭花を付けます。
カツラ(桂,オカヅラとも) カツラ科 開花期4~5月 落葉大高木 雌雄異株
各地の山地に生え,屡々1株で多くの幹を出して聳え,高さ30~40mです。
葉は対生し,紅色の長い柄があり,広卵形で長さも幅も3~8㎝,先の丸い心臓形で,
縁には鈍鋸歯があります。
春に葉よりも早く,葉腋に1個ずつ裸花が咲きます。
カマツカ(鎌柄,ウシコロシとも) バラ科 開花期4~5月 落葉低木
山地に普通に生え,高さ5m位です。
葉は柄があって互生し,長楕円形,先は尖り,縁に細かい鋸歯があります。
春に枝先に複散房花序を出し,白色五弁の小花が密集して咲きます。
果実は卵状球形で赤く熟し,花軸や花柄には疣イボ状の皮目が多く見られます。
カライトソウ(唐糸草) バラ科 開花期8~9月 多年草
本州中部地方以北の高原に生えますが,広く観賞用に植えられ,茎の高さは30~100㎝
です。
根元から出る葉は長い柄のある羽状複葉で,楕円形の小葉が5,6対あり,縁に粗い
鋸歯があります。
花軸がしなやかに下垂し,夏に紅紫色の花が茎や枝先に1個ずつ咲きます。
名は,唐から来た糸のように美しいという意味ですが,日本原産です。
カワラハハコ(河原母子,カワラホウコとも) キク科 開花期7~10月 多年草
各地の川原や砂地に生え,茎は下部で多数に分枝して高さ30~50㎝です。
葉は線形で多数互生し,茎と共に白毛を密生して白色を帯びています。
夏から秋に枝の先に白色の頭状花が散房状に多数咲き,小花は淡黄色,総包は白色で
かさかさしています。
両性花の咲く株と,雌性花の咲く株とがあります。
カワラマツバ(河原松葉) アカネ科 開花期7~8月 多年草
日当たりのよい山野の草地に生え,茎は直立し,高さ50~80㎝で白く短い軟毛があり
ます。
葉は線形で長さ2,3㎝位,8~10枚輪生し,そのうち2枚が対生した葉で他は托葉
です。
夏に花冠が4裂し,白色の小花を円錐状に密に付けますが,黄色い花の咲くキバナカ
ワラマツバもあります。
カワラヨモギ(河原蓬) キク科 開花期7~10月 多年草
本州以西の河原や砂地に生え,茎の高さ30~60㎝で,下部は木質化しています。
春に出る根生葉は密に束生し白色の毛に被われていますが,夏に枯れ,茎に互生して
付く葉は2回に分裂した複葉で,裂片は細い線状,緑色で無毛です。
夏から秋に茎の上部が分枝し,大形の円錐花序状に数多く黄色い頭花を下向きに付け
ます。
キイジョウロウホトトギス(紀伊上臈杜鵑草) ユリ科 開花期8月 多年草
土佐や紀伊の深山の崖に自生していますが,多く観賞用に栽培されています。
葉は茎の左右に2列に並び,卵状長楕円形で,基部は深く茎を抱き,その膨らみの片
側が茎の裏側に出ます。
夏から秋に茎の上部の葉腋に1個ずつ,艶のある鮮黄色の花が下垂して咲きます。
上臈(貴婦人)の美しさに喩えてこの名があります。
キオン(黄苑,ヒゴオミナエシとも) キク科 開花期7~9月 多年草
各地の深山の日当たりのよい処に生え,茎は直立して高さ90㎝位です。
葉は短い柄があって互生し,狭楕円形で縁に浅い鋸歯があり,両面にちぢれ毛があり
ます。
夏に茎の上部で分枝し,黄色の花を多数散房状に付けます。
痩果は無毛で白い冠毛があります。
ギオンマモリ(祇園守) アオイ科 開花期7~8月 落葉低木
ムクゲの一品種です。
雄蘂が弁化して,小さな花弁が数枚集まっています。
京都の祇園祭の頃から咲き始めるのでこの名があります。
キササゲ(楸) ノウゼンカズラ科 開花期6~7月 落葉高木
中国原産で,河岸などに野生化していますが,暖地の庭などにも植えられ,高さは6
~10mです。
葉は対生し,広卵形から円形で先が尖り,ときに3浅裂し,長い柄があります。
夏に枝先の大きな円錐花序に,白色で暗紫色の斑点がある花が多数咲きます。
秋にササゲにように細長い30㎝程のさく果が多数下がります。
キツネノマゴ(狐孫) キツネノマゴ科 開花期7~9月 一年草
各地の野原や道端に多く生え,高さ10~40㎝,茎は四角形,基部は地に伏し,節はや
や膨れ,よく分枝します。
葉は柄があり対生です。
夏から秋に枝先に淡紅紫色の唇形の花を穂状花序に付けます。
花後に細長い果実が成ります。
キバナノハタザオ(黄花旗竿,ヘスペリソウとも) アブラナ科 開花期6~7月 多年草
本州中部地方,九州の山地に稀に生え,茎は直立し,疎らに毛があって高さ80~120㎝
です。
葉は互生し,翼のある柄があって長卵形,縁に鋭い鋸歯があり,上部では卵状披針形
です。
夏に茎の頂に総状花序を付け,黄色の十字花が咲きます。
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