02 茶花一覧(野の花・山の花①)
 
            茶花一覧(野の花・山の花①)
 
                         参考:中央公論社発行「茶花」
 
[ア]
アオモジ(青文字) クスノキ科 開花期3~4 落葉低木 雌雄異株
 岡山・山口県以西の暖地に自生し,香料植物として栽培もされ,茎は直立し,高さ5m
 位です。
 樹皮は灰色で縦の筋があります。
 葉は柄があって互生し,長楕円形で両端は尖り全縁,表面は緑色で裏面は粉白となり
 ます。
 春に前年の短枝に2~4個の散形花序を付け,黄白色の小花が咲きます。
 
アカシデ(赤四手) カバノキ科 開花期4~5月 落葉高木
 各地の山野に生え,茎は直立し,よく分枝して高さ15m程にもなります。樹皮は平滑で
 す。
 葉は柄があって互生し,長楕円形で先が尖り,縁に二重の鋸歯があります。
 春に葉が伸びる前に,紅褐黄色の雄花が尾状花穂を作って下垂して咲き,雌花は柄の
 ある花穂で緑色です。
 花後に,葉状の尖った包が付いた長い果穂が下がります。
 
アカショウマ(赤升麻) ユキノシタ科 開花期6~7月 多年草
 本州・四国・九州の山地に普通に生え,茎は高さ40~80㎝,基部は紅色を帯びます。
 葉は長い柄があり,3回3出複葉,柄や基部や分かれ目に鱗片状の毛があり,小葉は
 長卵形で先は尖り,縁の二重の鋸歯があります。
 夏に花茎の先に複総状花序を付け,白色小花が多数咲きます。
 
アカバナ(赤花) アカバナ科 開花期7~9月 多年草
 各地の山野の湿地に多く生え,茎は直立し,高さ20~60㎝です。
 葉は長卵形で柄がなく対生し,縁に不整の鋸歯があります。
 夏から秋に茎の上部の葉腋に淡紅紫色の小花が咲きます。
 初秋の頃に葉がよく紅紫色に染まるのでこの名があります。
 
アカマツ(赤松,メマツとも) マツ科 開花期4月 常緑高木
 各地の山地に自生し,庭にも植えられ,幹は直立し大きいものは高さ40mにもなりま
 す。上部の樹皮は赤褐色,下部は暗褐色です。
 葉は2本が対になって双生し,軟らかい葉質で針状です。
 春に新しい枝の先に紫色の雄花を2,3個付けます。
 球果は卵状円錐形で翌年10月頃淡黄褐色に熟します。
 
アキカラマツ(秋唐松) キンポウゲ科 開花期8~10月 多年草
 各地の丘陵地から山地に普通に見られます。茎は直立して上部で分枝し,円柱形で,
 高さは1~1.5mです。
 葉は長い柄があって互生し,3出多裂の複葉で丸い多数の小葉が付きます。
 夏から秋にかけて茎の先に大きな円錐花穂を付け,黄色の小花を多数咲かせます。
 名の謂れは,秋の唐松状の草姿からです。
 
アキノキリンソウ(秋麒麟草) キク科 開花期8~10月 多年草
 本州・四国・九州の山野に普通に生え,茎は直立して高さ30~60㎝で,分枝は少なく,
 下部は紫黒色を帯びます。
 葉の下部は長卵形,上部は次第に披針形になり小形,中・下部の葉には翼のある柄が
 あります。
 秋に茎の先が穂状となり,多数の黄色の頭花が総状に咲きます。
 
アキノタムラソウ(秋田村草) シソ科 開花期7~10月 多年草
 各地の山野によく生え,茎は四角く高さ20~80㎝です。
 葉は長い柄のある複葉で3~7枚,広卵形又は菱形の小葉を付けて対生します。
 初夏から秋に茎の上部で分枝し,淡紫色の唇形の花が穂状の花穂に数段輪生して咲き
 ます。
 
アケビ(通草) アケビ科 開花期4~5月 落葉蔓性低木 雌雄異花
 本州から九州にかけての山野に自生し,蔓が長く伸びて分枝します。
 葉は,新枝に長い柄のある5枚の複葉が互生します。
 初夏に新葉と共に短い総状花序を出し,淡紫色の花を付けます。
 果皮が厚く,熟すと縦に開くので,「開け実」からこの名があると云います。仲間に
 はミツバアケビやムベがあります。
 
アケボノソウ(曙草) リンドウ科 開花期8~10月 二年草
 各地の山野や水辺に生え,茎の高さは60~80㎝です。
 葉は対生し,卵状楕円形で先は尖り全縁,明瞭な3本の主脈があります。
 秋に茎の頂に白色の花を付けますが,花冠の上半部には濃緑色の斑点が散布し,中央
 に黄緑色の点が2個付き,これを夜明けの星空に見立ててこの名があります。
 
アジサイ(紫陽花) ユキノシタ科 開花期6~7月 落葉低木
 ガクアジサイの園芸品種で,観賞用に栽培され,茎の高さは1.5m位です。
 葉は対生し,広卵形で厚く光沢があります。
 4枚の花弁状の萼が手鞠状に幾つも集まり,色が白,桃,青,紫と変化するため,七
 変化とも云われます。
 
アシズリノジギク(足摺野路菊) キク科 開花期10~11月 多年草
 四国西部の海岸近くに生え,茎は多数に分枝して下部は横に倒れ,上部は斜上し,高
 さ50~70㎝です。
 葉は柄があって互生し,卵円形で3中裂,質厚く,裏面に白毛が密生します。
 晩秋に茎の上部がやや散房状に分枝して頭花が付き,筒状花は黄色,舌状花は白色で,
 総包片にも白毛が密生しています。
 
アズキヤナギ(小豆柳) ヤナギ科 開花期3~4月 落葉小高木 雌雄異株
 キヌヤナギの園芸品種で,生け花の花材として栽培されています。
 冬芽が赤くて小さいので,小豆のように見えるのでこの名があります。
 
アブラツツジ(油躑躅,ホウキヤシオ・ヤマドウダンとも) ツツジ科 開花期6~7月 落葉低木
 各地の山地に多く生え,高さ2~3mです。
 葉は倒卵形で両端が尖り,枝先に輪生します。
 夏に枝先から総状花序を下垂し,緑白色の壺形の花が咲きます。
 葉の裏面が滑らかで,油を塗ったように見えるのでこの名があります。
 
アブラナ(油菜,ナタネナ・ナノハナとも) アブラナ科 開花期3~4月 二年草
 中国原産で古くから各地に栽培され,茎は直立して上部で分枝し,高さ50~100㎝で
 す。
 茎の下部に付く葉は柄があって大きく,上部の葉は基部が耳状となって茎を抱き広披
 針形です。
 春早く茎の上部に数本の総状花序を出し,黄色の十字状花を多数付けます。
 
アミガサユリ(編笠百合,バイモとも) ユリ科 開花期4~5月 多年草
 中国原産で薬用,茶花用などとして広く栽培されています。地下に白色の鱗茎があっ
 て茎を直生し,高さ50㎝位です。
 葉は3,4枚が茎に輪生して多数付き,広線形で先は尖って反り返ります。
 早春に茎の梢の葉腋に,淡黄緑色の鐘形の花が1個,下向きに咲きます。
 花の内面に紫色の網状の紋があるのでこの名があります。
 
アレチマツヨイグサ(荒地待宵草) アカバナ科 開花期7~9月 二年草
 北米原産で,茎は直立して30~150㎝です。
 葉は互生で先の尖った倒披針形です。
 夏から秋に葉腋に黄色の花が1個ずつ蜜に咲き,オオマツヨイグサに比べて明らかに
 小振りです。
 メマツヨイグサなどいろいろの仲間があって,区別は大変難しいものです。
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