12 むくろじ目(つげ科・うるし科・もちのき科・にしきぎ科・かえで科・とちのき科・む
  くろじ科・つりふねそう科)植物
 
                    参考:北隆館発行「原色園芸植物大圖鑑」
 
〈むくろじ目(つげ科)〉
 
ツゲ(黄楊木ツゲ,ホンツゲ,アサマツゲとも,ツゲ属)
 わが国原産の常緑低木で,庭木,公園樹,盆栽用。高さ1〜3m,開花は3月,淡黄緑
 色の花を小枝の先や葉腋に付けます。原種で小形のヒメツゲがあります。
 
セイヨウツゲ(西洋黄楊,ツゲ属)
 北アフリカからアジア原産の常緑低木で,庭園樹や鉢植え用。高さ4〜6m。近似種の
 B.marginataは淡黄色の斑入り葉種,Suffruticosaは矮性の品種。
 
〈うるし科〉
 
カスミノキ(霞木,ハグマノキ,ケムリノキとも,コチヌス属)
 中国中部,ヒマラヤから南欧原産の落葉低木で,明治初期に渡来。庭木のほか切花用。
 高さ4〜8m,開花は6〜7月,花径は3o位,枝先に帯紫色小花の円錐花序を房状に
 固めて付けます。変種に下垂性種var.pendula,葉が濃暗紫色のvar.atropurpureaがあ
 ります。
 
マンゴー(檬果,マンゴー属)
 ヒマラヤ山麓原産の常緑高木で,果肉は甘く多汁で主に生食。樹高10〜30m,開花は1
 〜3月,熟期は4〜9月。
 
〈もちのき科〉
 
シナヒイラギ(支那柊,ヒイラギモドキ,チャイニーズ・ホーリーとも,モチノキ属)
 中国,朝鮮半島原産の常緑小高木又は低木で,庭園,鉢物,また切花用。高さ2〜5
 m,開花は4〜6月,雌株の前年枝の葉腋に黄緑色の小花を数個付けます。果実は球形
 で径1p内外,10月頃真赤に熟します。雌雄異株。
 
イヌツゲ(犬黄楊,モチノキ属)
 わが国原産の常緑低木で,庭木,生垣,盆栽用。高さ1.5〜3m,開花は5〜7月,葉
 腋に白色小花を付け,11月に球形の液果が紫黒色に熟します。品種のマメイヌツゲは
 半球形に仕立てて庭園に栽植
 
ウメモドキ(梅擬,モチノキ属)
 わが国原産の落葉低木で,盆栽,庭木,切枝用。高さ2〜3m,開花は6月,淡紫色花
 を葉腋に固まって付け,果実は球状小粒で赤熟し美しい。変種に花と果実が白色のシ
 ロウメモドキがあります。
 
〈にしきぎ科〉
 
テリハツルウメモドキ(照葉梅擬,ツルウメモドキ属)
 本州中南部原産の蔓性落葉低木で,花と果実の観賞用として庭木,盆栽用に栽培。矮
 性種,開花は5〜6月,枝先や葉腋に黄緑色の小花を開き,実は球形で黄色,秋に裂
 開し,赤い実が露出して美しい。雌雄異株。
 
マユミ(檀,ヤマニシキギとも,ニシキギ属)
 わが国原産の落葉低木で,庭木のほか盆栽用。開花は初夏,前年枝の基部に緑白色花
 の集散花序を腋生し,秋に淡紅色に熟し赤色の仮種皮を露出するさく果と,紅葉が美
 しい。盆栽用珍種に樹姿が箒状となるホウキマユミが知られます。
 
〈かえで科〉
 
カギリニシキ(イロハモミジ)(限り錦,カエデ属)
 わが国原産のイロハモミジ系の一園芸品種(落葉高木)で,庭園樹や盆栽用。白覆輪
 葉で白斑は春紅色に変色し,夏また白色に変色します。同系品種には盆栽樹として青
 崖セイガイ,千染チシオ,黄斑の覆輪が美しい日笠山ヒガサヤマが昔から知られ,萌芽期,新緑
 の頃が美しい。
 
シギタツサワ(ヤマモミジ)(鴫立沢,カエデ属)
 わが国原産のヤマモミジ系の一園芸品種(落葉高木)で,庭園樹や盆栽用。葉面は開
 出時は黄緑色,後に葉脈が緑色となって浮き上がり大変美しい。同系品種に手向山タムケ
 ヤマ,羽衣ハゴロモ,空蝉ウツセミがあります。
 
ノムラ(オオモミジ)(野村,ノウシ,ムサシノとも,カエデ属)
 わが国原産のオオモミジ系の一園芸品種(落葉高木)で,主に庭園樹用。葉の裂片は
 長楕円状披針形で先端は尾状に少し突出し,新葉は紅色で鮮やかです。同系の大盃オオ
 サカズキは昔から盆栽に用いられます。
 
マイクジャク(ハウチワカエデ)(舞孔雀,カエデ属)
 わが国原産のハウチワカエデの変種(落葉高木)で,庭木や盆栽用。葉の裂片は倒披
 針形で上半部は欠刻状に分裂し,縁部には重鋸歯があり,紅葉は大変美しい。
 
ミカサヤマ(コハウチワカエデ)(三笠山,カエデ属)
 わが国原産のコハウチワカエデ(イタヤメイゲツ)の一園芸品種(落葉高木)で,庭
 園樹や盆栽用。葉の裂片は長楕円形,上半部に鋸歯があり,若葉の裏面は白色綿毛に
 覆われます。同系品種に小形葉の綾藺笠アヤイガサ,袖の内ソデノウチ,裂片が細く長い紅葉
 重モミジガサネがあります。
 
ウスグモ(イタヤカエデ)(カエデ属)
 わが国原産のイタヤカエデの園芸品種(落葉高木)で,庭園樹用。春に出葉と共に淡
 黄色花を散房状に固まって付けます。同系近似種に葉面は緑色地に黄色星斑の入る星
 宿りがあります。
 
ミヤサマカエデ(トウカエデ)(タイワントウカエデとも,カエデ属)
 台湾原産のトウカエデの園芸変種(落葉低木)で,盆栽や庭園樹用。高さ1〜2m,秋
 の紅葉が大変美しい。同系の園芸品種ゴシキカエデは庭木用。
 
ハツユキカエデ(ウリハダカエデ)(初雪楓,カエデ属)
 わが国原産のウリハダカエデの一園芸品種(落葉高木)で,庭木用。葉縁から内側に
 かけて白色散斑が入り,開花は5月頃,葉と共に総状花序を下垂させます。
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