0204植物の科名いろいろ [タ]〜[ト]
 
                      参考:小学館発行「万有百科大事典」
 
[タ]
タデ科 双子葉植物離弁花類
 草本稀に低木。葉は互生し、托葉は葉鞘ヨウショウとなって葉柄に合着する。花は小形で、
 包腋ホウエキに単生又は束生し、複合して穂状、総状又は円錐花序を作る。両性花で、稀
 に単性花がある。花被は4〜6裂し、ときに花後生長する。雄蘂は普通6〜9個あり、
 子房は上位、花柱は2,3個で、基部は屡々合生する。痩果は3稜又は2稜形で宿存
 する花被片に包まれる。世界に約30属800種、わが国に3属64種を産する。この科には
 重要な食品として栽培されるソバ、薬用植物のダイオウ、染料植物のアイなどが含ま
 れている。
 
タヌキモ科 双子葉植物合弁花類
 湿生、水生の一年生又は多年草の食虫植物。葉は互生し、又は基部でロゼット状とな
 り、空気中で箆ヘラ形になるもの、水中で細かく分かれて捕虫嚢ノウに変化するものもあ
 る。花は両性で左右相称、花冠は5裂し、唇形状又は仮面状となり、下唇の基部は嚢
 状か距状になる。雄蘂は2個、仮雄蘂は2個ある。子房は上位で、1室2心皮からな
 る。果実は朔(草冠+朔)果で、種子は小さく、胚乳がない。世界に約5属260種、わ
 が国に2属14種を産し、タヌキモ属、ムシトリスミレ属がある。
 
[チ]
 − 
 
[ツ]
ツツジ科 双子葉植物合弁花類
 低木又は小高木で、落葉性のものが多いが、常緑性のものもある。葉は普通互生し、
 稀に対生、輪生する。単純で、全縁か又は鋸歯があり、托葉はない。花は両性で、輻
 フク状、歪ワイ形、散房、総状、散形、単生などに着き、2〜8数からなる。萼は4,5
 裂し、宿存する。花冠は普通癒合した4,5個の花弁からなるが、稀に離弁し、外巻
 きするものがある。雄蘂は花冠の裂片と同数か、2倍或いはその間の数である。花柱
 は1個。果実は朔(草冠+朔)果稀に液果、核果で、液果は白色、紅色、黒色、碧黒
 ヘキコク色をなす。世界に約70属1500種があり、種として両半球の温帯及び寒帯に生じ、
 一部は熱帯の山地に分布する。わが国にはホツツジ属の他20属がある。なおツツジ属
 にはヤマツツジ節とシャクナゲ節を含むが、一般にツツジと呼んでいるのはヤマツツ
 ジ節のものである。
 
ツヅラフジ科 双子葉植物離弁花類
 普通蔓性の木本又は草本であるが、直立する低木もある。葉は互生し、全縁又は掌状
 に分裂し、葉柄は楯状の付くものもある。花は雌雄異株で小さく、円錐花序又は集散
 花序をなす。熱帯地方に多く、世界に70属約400種があり、わが国にはツヅラフジ属、
 アオツヅラフジ属、コウモリカズラ属、ハスノハカズラ属、ミヤコジマツヅラフジ属
 など5属6種が分布する。この科にはカミエビ・ツヅラフジ・タマザキツヅラフジなど
 のように、根に特有のアルカロイドを含み薬用にするものがある。
 
ツバキ科 双子葉植物離弁花類
 高木又は低木で、葉は互生し、単葉で、常緑のものと落葉するものがある。花は単生
 で、稀に花序を作る。普通両性花であるが、単性花もある。萼片・花弁は5個で、離生
 し、又は基部が合着する。雄蘂は多数で数輪をなし、子房は上位、果実は裂開するも
 のとしないものとがある。熱帯、亜熱帯に多く、少数が温帯に分布する。世界に33属
 480種を産し、わが国にはツバキ属、ナツツバキ属、モッコク属、サカキ属、ヒサカキ
 属などの5属が自生する。
 
ツユクサ科 単子葉植物
 草本又は低木で、葉は互生して平行脈を持ち全辺で、基部は茎を含む円筒形の葉鞘と
 なる。花は両性で左右相称又は放射相称で、3個の萼片と同数の花弁がある。6個の
 雄蘂のうち、ときに一部が仮雄蘂になる。子房は上位、2〜3室を持ち、少数の胚珠
 があり、後に朔(草冠+朔)果を結ぶ。世界に約40属600種が知られ、主に熱帯に分布
 する。わが国には4属約8種が分布する。この科には青花紙を作るオオボウシバナや、
 観賞用のトラデスカンティアなどがあり、広く栽培されている。
 
ツルナ科 双子葉植物離弁花類
 草本稀に半低木がある。葉は対生、輪生、稀に互生し、屡々肉質となる。托葉はある
 か又はない。花は単性か集散状となり、両性で放射相称をなす。花被片は4,5個。
 雄蘂は4,5個、ときには多数で、その外側のものは細裂して花弁のような数列とな
 る。子房は上位又は下位。果実は朔(草冠+朔)果又は堅果。世界に約28属1000種を
 産し、熱帯地方に分布し、特にアフリカに多い。わが国には2属各1種を産する。子
 房上位のものをこの科から独立させて、ザクロソウ科を立てることがある。
 
[テ]
 − 
 
[ト]
トウダイグサ科 双子葉植物離弁花類
 木本又は草本で乳液を有するものがある。葉は互生するか稀に対生し、普通托葉があ
 る。花は単生花で、萼片は覆瓦状又は敷石状をなすが、ときにこれを欠き、花弁もと
 きに欠如する。雄蘂は1個から多数あり、離生又は合生する。子房は普通3室で、花
 柱は離生又は基部が癒合し、卵子は各室に1〜2個ある。果実は朔(草冠+朔)果又
 は核果。主に熱帯に産し、約280属8000種、わが国には11属32種が自生。この科にはア
 ブラギリ・キャッサバ・トウゴマ・パラゴムノキなど有用植物が多い。なおこの科の中
 で、各心皮に2卵子を有するものを分けて、コミカンソウ科を立てることがある。
 
ドクダミ科 双子葉植物離弁花類
 多年草で葉は互生する。花は両性又は雌雄異株で、総状花序をなし、花被はない。雄
 蘂は数個、葯は2室。雌蘂は3個の心皮からなり、心皮は離生又は下部で合生する。
 果実は朔(草冠+朔)果又は液果様。北アメリカ及びアジアに3属4,5種、わが国
 に2属2種を産する。
 
トチカガミ科 単子葉植物
 草本で水中又は湿地に生え、いろいろの習性がある。花は単性又は両性で、1個ずつ
 又は仮散状に着き、若い時には包鞘ホウショウに包まれる。萼片は膜質で、花弁は花弁状か
 又は発達しない。雄蘂は3本又はその倍数あり、子房は下位で、1室又は不完全に多
 室に分かれ、多数の倒生胚珠がある。胚乳はない。世界に15属約100種、わが国にはス
 ブタ・ウミヒルモ・セキショウモ・クロモ・ミズオオバコ・トチカガミ属の6属10種余りが
 ある。
 
トチノキ科 双子葉植物離弁花類
 高木又は低木。葉は対生し、大形で掌状又は羽状複葉をなす。花は左右相称で円錐花
 序を頂生する。萼片、花弁は4〜5個、雄蘂は5〜9個、子房は上位で3室に分かれ、
 果実は3片に裂開して普通1個の種子が熟す。種子は大きく、胚乳はない。北半球の
 温帯と南アメリカに2属約25種が分布し、わが国にはトチノキが自生する。
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