0203植物の科名いろいろ [サ]〜[ソ]
 
                      参考:小学館発行「万有百科大事典」
 
[サ]
サクラソウ科 双子葉植物合弁花類
 一〜多年草の草本で、葉は対生又は輪生し、ときに根生し、一般に単葉である。花は
 両性花で多くは放射相称をなし、5数性である。萼は4〜9裂し、宿存する。花冠は
 合弁で4〜9裂し、車状又は高坏形、雄蘂は花冠裂片と同数あり、葯は2室で縦裂し、
 雌蘂は子房上位で1室、5心皮からなる。果実は朔(草冠+朔)果で、5裂するか、
 蓋果である。種子に胚乳が多い。世界に約28属800種、わが国には9属37種が自生し、
 観賞用として栽培されるものが多い。
 
サトイモ科 単子葉植物
 根茎、球茎、又は地上茎があり、ときに樹上に着生し、稀に水生となる。全体に蓚酸
 シュウサン石灰の結晶を含むことが多い。葉は互生し、羽状又は掌状の脈と網状小脈とを持
 つ。花序は単純な肉穂花序で、外側に大形で葉質の仏炎包ブツエンホウが1個着く。花は柄
 がなく、小形で両性又は単性、花被片はときには発達しない。雌蘂は1個、子房は上
 位又は下位で、花後に液果を結び、種子には内乳があることが多い。世界に約110属
 1800種があり、大多数は温暖多湿の熱帯、亜熱帯に生え、温帯には数が少ない。わが
 国には9属約40種があるが、そのうち大部分はテンナンショウ属に属する。経済植物
 としてはサトイモ類、コンニャクなどがある。熱帯には葉の美しいもの、仏炎包の目
 立つものなどがあり、観賞用として栽培される。
 
[シ]
シソ科 双子葉植物合弁花類
 多くは草本で、全体に一種の香気がある。茎は一般に四角で、葉は対生又は輪生し、
 単一で托葉はない。花は穂状、総状、又は輪生花序となり、葉腋ヨウエキに着く。萼は5
 歯に分かれるが、唇形状となり、花冠は下部が筒状で上部が唇形になる。雄蘂は4個
 又は2個で花筒に付く。子房は上位で深く2裂し、果実は4分果からなる。種子の胚
 乳は極少ないが発達しない。世界に約160属3000種、わが国には約27属87種が自生す
 る。
 セージやハッカなどの香料用、シソなどの香味用、カキドオシやウツボグサなどの薬
 用、ヒゴロモソウ・ハナトラノオなどの観賞用など、有用植物として栽培されるものが
 多い。
 
シュウカイドウ科 双子葉植物離弁花類
 草本又は低木で、葉は互生し托葉がある。花は左右相称、単性で雌雄同株に生じる。
 雄蘂は多数あり、多くの輪層に配列する。子房は下位で、普通3個の合生する心皮か
 らなる。種子は微細で多数あり、多くの脂肪を含有している。熱帯地方に多くあり、
 4属400種を産する。代表的なものにベゴニア属があり、花や葉を観賞するため、多く
 の種類が温室に栽培されている。
 
ショウガ科 単子葉植物
 根茎のある多年草で、葉は羽状の平行脈を持ち、葉鞘ヨウショウの上端に葉舌がある。茎は
 単純で、葉鞘に包まれる。花は両性で左右相称、外花被(萼)は筒状となる。内花被
 片(花弁)3個は漏斗状となり、3裂して、中央の1片は他より大きい。雄蘂は6個
 のうち1個だけが完全で、仮雄蘂は唇弁シンベンとなる。熱帯から亜熱帯にかけて約47属
 1400種を分布し、わが国にはショウガ属とハナミョウガ属とがある。有用植物が多く、
 香辛料、薬用としてショウガ、ウコンなど、観賞用としてアルピニア(ゲットウ)・ハ
 ナミョウガなどが栽培されている。
 
ジンチョウゲ科 双子葉植物離弁花類
 落葉又は常緑低木で、樹皮には丈夫な繊維があり、折れにくい。葉は互生又は対生し、
 単葉で縁に鋸歯がない。花弁のないものが多く、萼は筒状で先が4〜5片に分かれ、
 花弁状を呈する。世界に40属約500種を産し、わが国には4属16種が自生する。中国原
 産のジンチョウゲは観賞用に、フジモドキは芫花ゲンカと称して利尿、去痰などの薬用
 に、ミツマタやわが国に自生するガンピは靭皮ジンピ繊維を和紙の原料にするなど、こ
 の科には有用植物が多い。
 
[ス]
スイカズラ科 双子葉植物合弁花類
 多くは低木で稀に草本もある。葉は対生し、普通は単葉であるが稀に羽状複葉をなす。
 花は両性で、放射整正又は左右整正をなし、多く集散花序に着く。花冠は合弁で、と
 きに二唇形となる。果実は液果又は朔(草冠+朔)果を結ぶ。主として北半球の温帯
 に約18属300種が分布し、わが国ではニワトコ属、ガマズミ属、ツクバネウツギ属、タ
 ニウツギ属、ウコンウツギ属、キバナウツギ属、スイカズラ属、リンネソウ属、ツキ
 ヌキソウ属などが産する。
 
スイレン科 双子葉植物離弁花類
 水草で地下茎がある。葉は長い柄を持ち、ときに楯状に付く。幼い葉は内へ卷く。地
 下茎から花柄を生じ、その先に1個の花を着ける。花は水上で開く。萼片は3〜5個、
 花弁は3〜多数、雄蘂は6〜多数で、共に離生する。心皮は3〜8個、離生又は合生
 し、ときに花床に落ち込む。柱頭はときに盤状又は環状に合成する。卵子は1個、又
 は多数。果実は裂開しない。子葉は肉質。世界に約8属100種、わが国に5属8種を産
 する。
 
スギ科 裸子植物
 常緑性又は落葉性の高木で、葉に鱗片状のもの、針状のものがある。雄花は頂生又は
 腋生エキセイし、1個着くもの、集合して着くものがある。雌花は頂生し、1個着き、多
 数の鱗片からなる。果実は球果で、鱗片は丸く、種子には狭い翼のあるものが多い。
 アジア南東部、北アメリカ、タスマニアなどに分布する。なおスギ科には、スギ属(
 わが国・中国に1種)、コウヨウザン属(中国・台湾に2種)、メタセコイア属(中国
 に1種)、セコイアメスギ属(北アメリカに1種)、タイワンスギ属(台湾・中国・ビ
 ルマに1種)、ヌマスギ属(北アメリカに2種)、スイショウ属(中国に1種)、コ
 ウヤマキ属(わが国に1種)、アトロタキシス属(タスマニア西部に3種)などがあ
 る。スギ科は既に全盛期を過ぎ、衰退しつつある植物群であり、多くの化石が発見さ
 れることによっても、それは立証される。
 
スベリヒユ科 双子葉植物離弁花類
 肉質の草本植物で、葉は互生又は対生し、托葉は乾膜質で、ときに毛状となる。花は
 両性で放射相称をなし、花被片は4,5個、花弁様で離生又は基部が合生する。果実
 は膜質の蓋果か、又は2,3片に裂開する。主にアメリカ大陸に分布し、世界に16属
 約500種、わが国に2属2種を産する。南アメリカ原産のマツバボタンは各地で観賞用
 に栽培され、多くの園芸品種がある。
 
スミレ科 双子葉植物離弁花類
 大部分は草本であるが、稀に低木もある。葉は互生かときに対生し、托葉がある。花
 は腋生で単立し、又は円錐花序を作る。両性花で、稀に雑居性となり、多くは閉鎖花
 を生ずる。萼は5個で宿存し、基部は突出する。花弁は5個、下側の1個には距があ
 る。雄蘂は5個、葯は子房を囲んで内向し、下側の2個は花弁の距の中へ突起を出す。
 果実は朔(草冠+朔)果で、急に裂開する。稀に液果もある。温帯、熱帯に分布し、
 世界に約16属800種、わが国にスミレ属の1属約50種を産する。有名な外来種にはバイ
 オレット、パンジーなどがあり、パンジーには多くの園芸品種がある。
 
[セ]
セリ科 双子葉植物離弁花類
 草本で、葉は互生し、普通分裂する。花は両性で、散形花序を作り、花弁5個、雄蘂
 5個、子房は下位で2室からなる。果実は乾果で、2個の分果に分かれ、分果はその
 中軸(分果柄)の先端から懸垂し、隆起と油腺を持つ。種子は胚乳と小形の胚を持つ。
 寒帯、温帯から亜熱帯に亘って分布し、世界に約200属3000種、わが国には約30種80種
 を産する。ミツバ・ニンジン・セロリ・パセリ・トウキ・ウイキョウ・イノンドなど有用植
 物が多い。
 
センリョウ科 双子葉植物離弁花類
 草本又は低木。葉は対生し、托葉は小形。花は単性又は両性で、両性花は花被を欠く。
 雄蘂は1又は3個、ときに中央の1個と両側の2個とが癒合し、更に子房とも合着す
 ることもある。子房は1個で1心皮からなる。外果皮は肉質又は液質、内果被は堅い。
 世界に3属約40種、わが国には1属4種(センリョウ・ヒトリシズカ・キビノヒトリシ
 ズカ・フタリシズカ)を産する。
 
[ソ]
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