3301b 園芸植物用語解説その2(続き)
[ら]
裸花ラカ(無被花・無花被花とも):雄蘂オシベ,雌蘂メシベがあって,これを保護する萼ガク
も花冠も全く持たない花をいう。例:ドクダミ・ヤナギ。
裸芽ラガ:鱗芽リンガに対する語。多くの冬芽はサクラやツバキのように鱗片葉で覆われて
いるものであるが,ムラサキシキブ,アカメガシワなどは,鱗片葉がなく裸出した芽
を持っている。これを裸芽という。
落葉樹ラクヨウジュ(夏木とも):冬に落葉する樹木。
裸子植物ラシショクブツ:種子植物の中の一分類群で,被子植物と対立する。何れも樹木で木
部に道管を欠く。心皮は子房を作らず胚珠は剥き出し,従って種子も剥き出しになっ
ている。例:マツ科・イチョウ科・ソテツ科など。
螺旋作ラセンヅクリ:蔓性植物の仕立て方の一方法。中心に支柱を1本立て,それに針金又は
割り竹で螺旋状の枠を取付け,これに蔓を絡ませる方法。例:アサガオ。
ラッパ咲き:花の姿がラッパ形に開くもの。例:スイセン。
裸葉ラヨウ(栄養葉とも):実葉に対する語。シダ類では胞子嚢ノウを着ける葉と着けない葉
ができる。このうち胞子嚢ができる葉を実葉又は胞子葉,できない葉を裸葉という。
ランナー(runner) → 匍匐茎ホフクケイ・匍匐枝
[り]
離弁萼リベンガク:合片萼に対する語。萼片が一枚一枚離れている萼。例:アブラナ・ケシ
・スミレ。
離弁花類リベンカルイ(古生花被類とも):双子葉植物を二大別したときの1群で,合弁花類
と対立する。花は無被花又は単花被花のこともあるが,一般に分離した花弁を持って
いる。例:バラ科・スミレ科・アケビ科・クワ科・ヤナギ科など。
稜リョウ:茎や果実,種子などの稜線をいう。カヤツリグサの茎やソバの果実には3稜があ
り,イチョウの種子には2〜3稜,オドリコソウやシカクイの茎には4稜がある。
両性花リョウセイカ:萼ガク,花冠の有無に拘わらず,1花中に雄蘂オシベと雌蘂メシベの両性を備
えた花をいう。例:サクラ・アサガオ・ユリ。
緑枝挿しリョクシザシ:挿木の一方法。春に伸びた新梢で,軟らかい緑枝を挿す方法。
緑枝接リョクシツギ:接木の一方法。実生1年生の若い木を台木にして接木すること。
両体雄蘂リョウタイユウズイ → 二本雄蘂オシベ
リンギング(ringing) → 環状剥皮のこと
鱗芽リンガ:@腋芽の一種。葉に相当する鱗片に養分を貯えて多肉質となった芽。例:オ
ニユリの葉腋にできるもの。Aサクラ,ツバキなどの冬芽のように鱗片状の葉で被わ
れた芽をいう。
鱗茎リンケイ:地下茎の一種。短縮した茎の周りに養分を貯えて多肉となった鱗片状の葉が
密生しているもの。ユリでは鱗片が屋根瓦状に重なり,タマネギでは層状に重なって
横断面では同心円となる。
輪作リンサク:性質の異なった植物を組み合わせ,一定の順序で循環して同じ場所で作るこ
と。
輪状集散花序リンジョウシュウサンカジョ(輪散花序とも):二出集散花序が葉腋に対生して多数の
花を付け,茎を囲んで輪生状になったもの。例:オドリコソウ・ムラサキシキブ。
輪状剥皮リンジョウハクヒ → 環状剥皮
輪生リンセイ:葉が茎の各節から3枚以上出ていること。例:エンレイソウ(3輪生)・ツ
クバネソウ(4輪生)・ツリガネソウ(5輪生)。
鱗片リンペン:@サクラ,ツバキなどの冬芽を覆っている鱗ウロコ状の小片,又は花序にある
小形の包など葉が変形して鱗状になったものをいう。Aシダ類の葉柄にある1層の細
胞からなる褐色,黒褐色などの薄片。シダ類の分類に重要。
鱗片繁殖リンペンハンショク:鱗茎の鱗片を剥ぎ取り,挿し床に挿して球根を発生させて殖やす
方法。主としてユリ類に応用される。例:ユリ。
鱗片毛リンペンモウ:グミの茎,葉,果実などに密着する扁平な鱗ウロコ状の毛。
鱗片葉リンペンヨウ:地上茎の基部や地下茎などに着いている鱗ウロコ状の葉。例:ユリ。
[れ]
礼肥レイゴエ:開花した後や果実が成熟した後に,栄養を補給する目的で施す肥料。俗に御
礼肥という。
冷床レイショウ:露地床に対し,コンクリート枠,俵枠などに障子,ガラス,油紙,ビニール
などで被覆して防寒した床。
礫耕レキコウ:大豆粒か小豆粒位の礫(ほぼ径2o以上)を培養床に入れ,其処に培養液を注
入した床に植付けて培養すること。礫の代わりに砂,バーミキュライト,燻炭クンタン,
ウレタン等の小粒を用いることもある。
連作レンサク:同じ場所で同一の植物又はそれと縁の近い植物を,毎年続けて作ること。
[ろ]
ロココ咲き(rococo):花弁の上縁が縮れた咲き方。例:シクラメン。
ロゼット(rosette):茎の節間が極度に短くなり,其処から葉が放射状に平らに出て広
がっている姿。例:タンポポ・ナズナナ。
[わ]
矮化栽培ワイカサイバイ:本来の高さよりも,矮化剤を使用して人工的に低く矮小に育てるこ
と。
矮小低木ワイショウテイボク:高山植物のコケモモやガンコウランのような,極小形の低木をい
う。
割挿しワリザシ:挿木の一方法。挿し穂の下端の切口を,縦に二つ割りにして挿す方法。
割接ワリツギ:接木の一方法。台木の上端を縦に割り,楔クサビ状に削った接穂を,その中に
挿入して接ぐ方法。
湾生胚珠ワンセイハイシュ:胚珠が弓状に曲がっているもの。発生の初めには直生胚珠と同様で
あったものが,発育に従って1側が著しく伸びてこのような形になる。例:アブラナ
科・ナデシコ科・モクセイ科。
[次へ進む] [バック]