32b 園芸植物用語解説その1
カタログ名:植物学上の名前ではなく,カタログなどに使われている商品名。
花柱カチュウ:雌蘂メシベの子房と柱頭との間の部分で,普通円柱状で長短,形状など種類に
よっていろいろである。
花筒カトウ:@花冠筒のことで,合弁花冠の花弁が合着した部分。例:エンドウ。A花冠を
欠く花では萼筒をいう。例:カンアオイ。
カバープラント(cover plant) → 地被チヒ植物
花盤カバン:花床の一部が盤状,環状などになったもの。例:マサキ・ミカン。
花被カヒ:萼ガクと花冠の総称で,萼を外花被,花冠を内花被という。
果皮カヒ:果実の皮のことで,外果皮,中果皮,内果皮の3層からなる。
夏肥カヒ:6月中旬又は9月上旬までに施す肥料。
兜状カブトジョウ:@トリカブトの花のように上方の萼ガクの1片が兜状になっていること。
Aラン科の花の形を表す用語で,中央の萼片ガクヘンとその両側の花弁が寄り合って兜状
になったものをいう。
株分けカブワケ:多年草や潅木類など根元に茎幹を出して株立ちするもの,又は芽株や匍匐
ホフク枝を発生するものを分割したり,又は切り離して殖やすこと。
花粉管カフンカン:花粉が柱頭に着いて発芽して生じた細長い管で,精核はこの中を移動して
胚芽に達して受精する。
花柄カヘイ(花梗カコウ・小梗ココウとも):個々の花を着けている柄。
下弁カベン(唇弁シンベンとも):スミレの花の側弁の下の中央にある1枚の花弁をいう。距
キョを持っている花弁のこと。
果胞カホウ(果嚢カノウとも):カヤツリグサ科スゲ属の雌花を包む筒状の花被をいう。
花木カボク:美しい花を観賞に供する木本で,次のような区別がある。@花のために人手
が加わるが,手数がそれ程かからず,花そのものを観賞する以外に栽培の目的のない
もの。→ 純粋花木。A自然の山野に自生しており,人手を加えずとも自然に美しい
花を開き,栽培することも容易であるが,花以外に利用目的が別に存在しないもの。
→ 準花木。B自然のままというよりも,人力,人手がかかり過ぎ,花を観賞するこ
とを第一とするもの。→ 園芸花木。C種類が少ないので便宜上花木に入れられてい
るもの。それは果実の美しいもの,或いは観賞以外に果実採取を目的としていないも
の。→ 果実花木。
仮面状カメンジョウ花冠カカン:合弁花冠の一種で,唇形シンケイ花冠に似ているが,上下の唇の間
に膨ら味があり,喉ノドのところが塞フサがっている花冠をいう。例:キンギョソウ。
搦枝カラミエダ:主枝と枝,又は枝と枝とが互いに絡み合っている枝。
仮雄蘂カリオシベ:雄蘂が退化して小形化したり変形したりして作用を失ったものをいう。
例:ツユクサ。
刈込みカリコミ:樹木の枝葉シヨウを刈り取ること。@樹形を美しく整枝する。A枝葉を除いて
樹を丈夫にする。B移植を安全にし,活着をよくする。C花や実を沢山着ける。
稈カン:イネ科植物の茎。
乾果カンカ:成熟すると水分を失って乾燥する果実の総称で,乾いて裂けるものを裂開果,
裂けないものを閉果という。
寒肥えカンゴエ:寒中(12月から2月)に施す肥料。
間作カンサク:作物が作ってある畝ウネと畝との間,又は株間に他の作物を栽培すること。
管状花カンジョウカ(筒状花とも):管状花冠を持つ花で,普通キク科の頭状花のものをい
い,花序の中心にある。例:コスモス・ヒマワリ。アザミでは花序全体が管状花の集
まり。
環状剥皮カンジョウハクヒ:取木トリキの一方法で,枝幹の一部から皮部及び靭皮部を環状に剥ぎ
取り,其処に根を発生させ,後切り離して独立した苗木を作ること。花や果実を早く
開花結実させる。例:ゴムノキ。
潅水カンスイ:栽培上における人為給水の技術,特に鉢植えや盆栽では重要である。地上潅
水,地中潅水,噴霧潅水,散水潅水,点滴潅水などがある。
乾燥花カンソウカ → 永久花・ドライフラワー
乾燥冷蔵レイゾウ:球根を箱に詰めて冷蔵庫で貯蔵すること。
間伐カンバツ:樹が生長して密生すると,開花や収量が減少し品質が悪くなるので,それを
防ぐために枝幹を取り除くこと。
潅木カンボク → 低木
冠毛カンモウ:キク科植物の萼ガクに相当する位置に着く毛。例:タンポポ・アザミ。
観葉植物カンヨウショクブツ(葉ものとも):熱帯や亜熱帯原産の植物の中で,美しい葉を観賞
するもの。また一般に葉が美しく斑入りになったり,或いは姿が面白く変化したもの。
[き]
偽果ギカ(仮果とも):真果に対する語で,子房以外に花床,萼ガクなども加わってでき
ている果実をいう。例:イチゴ・イチジク。
帰化植物キカショクブツ:外国の植物が人類の移動に伴って偶然又は意識的に持ち込まれ,其
処で在来の自生植物のように繁殖したもの。例:セイタカアワダチソウ・マツヨイグ
サ。
偽球茎ギキュウケイ(偽鱗茎ギリンケイ・偽球ギキュウとも):ラン科植物の茎の一部が養分を貯え
て,球形,卵形,紡錘形などに肥大したもの(バルブbulb)。
桔梗咲きキキョウザキ:花冠が深く5片に切れ込んで,キキョウの花形に似た姿に咲くこと。
例:アサガオ。
菊咲きキクザキ:花が菊花のような姿に咲くこと。例:アネモネ。
木子キゴ:地中の球根から伸びた茎が,地表に出るまでの各節に形成された小形の球根。
木子を採集して殖やすことを木子繁殖という。例:オニユリ・ヤマノイモ。
気根キコン:茎から出て空気中に露出している根で,茎を支える柱気根(タコノキ),水分
を吸収する吸水気根(ナゴラン),茎の表面を覆ってこれを保護する保護気根(ヘゴ
)などがある。
寄生根キセイコン:寄生植物の根。宿主の組織内に侵入して栄養分を吸収して生活する植物を
いう。例:ヤドリギ。
寄生植物キセイショクブツ:寄生根という特殊な根を持ち,他植物から養分を吸収して生活する
植物をいう。例:ナンバンギセル。
キセニア(xenia):交雑に用いた花粉の形質が,交雑によって生じた種子の形質に直ち
に発現する遺伝現象。
亀甲透キッコウスカシ:剪定センテイの一方法で,1ヶ所から3本ずつ出ている枝の中心の枝を切り
除き,脇の枝を伸ばし,これを順次繰り返して亀甲形に仕立てること。
基底胎座キテイタイザ:心皮が合生して生じた1室の子房の基底に1個の胚珠があるもの。例
:ソバ・クルミ。
絹毛キヌゲ:絹のような光沢のある真っ直ぐな細い毛のこと。例:ガガイモの種子の毛・
ガマの穂の毛。
キメラ(chimera):一個体のうちに遺伝子型の違う組織が入り混じっている現象。
逆刺ギャクシ:逆さ向きの刺トゲ。例:アカネ。
客土キャクド:植物の栽培に際しその土壌が不良であるとき,この土壌を取り除き,他の好
適する土壌を運び入れて交換すること。
キャップcap栽培:割竹で枠を作り,それにビニールフィルムを被せて円筒状のキャップ
(帽子)を作り,これを果房に被せて栽培することで,生育期や収穫期を促進する。
球果植物キュウカショクブツ:裸子植物のうち球果を生ずる植物の総称で,針葉樹(ソテツ科と
イチョウ科を除いたマツ科,スギ科,ヒノキ科,マキ科,イヌガヤ科,イチイ科)の
こと。
球茎キュウケイ:地下茎の一種。養分を貯えて球形に肥大したもので,頂部に1個又は少数の
芽を持ち,表面は葉の変態物である鱗片で被われるもの。例:クワイ・グラジオラス。
球根キュウコン:多年草の地下にある植物体の一部が肥大して養分を貯えたもので,その肥大
した部分により鱗茎,球茎,塊茎,根茎,塊根などがある。園芸上ではこれらを総称
して「球根」と呼び,それらの植物を「球根植物」と呼ぶ。例:ダリア(塊根)・グ
ラジオラス(球茎)・ヒアシンス(鱗茎)
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