3201a 園芸植物用語解説その1(続き)
 
[し]
地植えジウエ:鉢や箱に植えずに直接庭や畑の露地,又は室内の地面に植え付けること。
シェード(shade)栽培 → 遮光シャコウ栽培
自家ジカ結果ケッカ:自家(自花)で受粉して果実を結ぶこと。
自家受精ジュセイ(同花ドウカ受精とも):同一個体にできる生殖細胞の間で受精すること。
自家受粉ジュフン(自家授粉とも):両性花では同一の花の花粉で受精し,単性花では同一
 個体の花粉で受精すること。
自家不結果フケッカ:自家(自花)で受粉しても,自家不和合性又は交配不和合性により,
 果実を結ばないこと。例:モモ。
自家不結実性ケツジツセイ:単一の品種のみでは結実しないか,又は結実してもその割合が甚
 だ少ないこと。その原因は雄蘂オシベの形と花粉形成の異常にあると考えられる。
自家不親和性フシンワセイ(自家不和合性とも):雄蘂オシベ,雌蘂メシベが共に完全で,胚や花
 粉も完全であるが,自家受粉では全く結実しない,或いは結実しても成績が不良であ
 ること。但し他花受粉では結実する。
直蒔きジカマキ:その植物を植付ける畑や地面に直かに種子を蒔くこと。従って移植はしな
 い。
敷草シキグサ(敷きわらとも):園芸植物が栽培されている地表面に生草,乾草,藁ワラ,大
 鋸屑オガクズなどを敷くこと。その効果は土壌の乾燥防止,土壌表面の保護,土壌温度
 の平均化,土壌内の有機物特にカリ分の増加などである。
四季咲きシキザキ:四季を通じて開花すること。園芸では一般に春と秋との2回に開花する
 ものを四季咲きという。例:ベゴニア・セントポーリア・バラ。
枝序シジョ(枝配りとも):枝の出方のことで,樹形の要素となる。
自殖ジショク:自家受粉又は自花受粉による生殖。また同じ親から出た個体間の交配。
自殖劣性レッセイ:自殖を行うと勢力が減退すること。他家受粉を常態とする植物では,一
 般に自殖劣勢を起こす傾向がある。
刺針シシン:針状の鋭い突起物のことで,茎針,葉針などのほかタラノキの葉軸に生ずる針
 などをいう。
雌蘂先熟シズイセンジュク:一つの花の中で雌蘂メシベが雄蘂オシベより先に成熟して,花粉が出
 る前に柱頭が受粉能力を持ち,花粉が出る頃には受粉能力が減少又は消滅すること。
四数性シスウセイ:花を構成する萼ガク,花弁,雄蘂オシベ,雌蘂メシベなどが4又はその倍数か
 らなることをいう。例:アオキ・マツヨイグサ・イカリソウ。
下草シタクサ:木陰に生えている草本又は小潅木。下木シタギと同じ目的で植付ける草本又は
 小潅木。
仕立てシタテ:次の目的を達成するために樹形を整え,枝を配置する骨組みを作ること。@
 樹冠の内部に日光が十分に入るようにする。A風通しをよくする。B枝の成長を健全
 にして葉の活動を盛んにする。C果実の発育を助け,品質や着色をよくする。D病害
 虫の被害を少なくする。
枝垂物シダレモノ:枝が枝垂シダれるもの。その枝垂れ方の程度により,本枝垂れ,半枝垂れ
 がある。例:ヤナギ・サクラ。
支柱シチュウ:植物が動揺したり,また風やその他の衝撃で倒れないように丸太や竹で支え
 るもの。
湿地植物シッチショクブツ:自然状態で沼や沢地や浅い水中に生育している植物。例:サワギキ
 ョウ。
室内植物シツナイショクブツ:温室又は普通の室内で育てた方が成績がよく生育する植物。
四倍体シバイタイ:基本数の4倍の染色体を持つ個体で,4nで表す。大形化や含有成分の増
 加の働きがある。園芸ではコルヒチンを用い多くの人為四倍体が作られている。例:
 トマト・キャベツ・トウモロコシ。
芝生シバフ(ローンlawn):整地した地面に芝草を蜜植して張り付け,低く刈り込んだと
 ころ。
蕊咲きシベザキ:花弁が退化して雄蘂状に細く変化して不規則な姿にになる咲き方。或い
 は花弁が全く消滅して,雄蘂と雌蘂だけになった咲き方。例:サツキ。
ジベレリン(gibberellin):植物生長ホルモンの一種。園芸ではジベレリンを作用させ
 て,種子や芽の休眠打破,長日植物の開花促進,ブドウの単為結実の誘起(種子なし
 ブドウ),葉の老化抑制などを行う。
子房シボウ:蕊シベの下部の膨らんだ部分。1〜数個の心皮が結合したもので,1〜数個の
 部屋からなる。この部屋を子房室といい1〜多数の胚珠を入れている。
子房壁シボウヘキ:子房室を囲む周囲の壁のことで,受精後発育して果皮になる部分。子房
 の部屋と部屋とを境する仕切りは隔壁という。
絞りシボリ:斑フの一種で,色彩が入り混じるもの。
縞斑シマフ:斑の一種で,平行葉脈の葉に,縦に長く現れる縞模様のこと。葉縁に沿って其
 処だけ現れるものを正宗斑マサムネフ,葉の中央部だけに現れるものを中縞ナカシマ,葉の周り
 両側に現れるものを覆輪フクリンと呼ぶ。他に縦縞斑,筋斑,間道斑,縦斑,糸斑などが
 ある。
地潜芽ジムグリメ(独活芽ウドメとも):冬至に根分けするために,温室やハウス内で促成す
 ることが出来るように十分に寒さに遭わせた芽。
砂耕シャコウ:用土として砂又は小石を用い,其処に培養液を満たす栽培法。
遮光栽培シャコウサイバイ(シェードshade栽培とも):短日植物を長日期間中に開花させるた
 め,又は短日期間中であっても,自然の開花期より開花を促進させるために,遮光し
 て短日操作を行う栽培。
斜上シャジョウ:茎の姿勢を表す語。直立と匍匐ホフクの中間で,斜めに立ち上がっているこ
 と。例:ハコベ・ツユクサ。
種シュ:植物の分類上の基礎となる重要単位で,属の下に置かれる。18世紀中頃リンネに
 よって確立されたのでリンネ種ともいう。種の下に亜種,変種,品種などがある。
雌雄異株シユウイシュ(雌雄別株とも):単性花を持つ植物で雄花と雌花とが別の株に着くこ
 と。雄花のみを着ける株を雄株,雌花のみを着ける株を雌株という。例:ヒイラギ・
 アオキ・ヤナギ・ヤマノイモ・イチョウ・ホウレンソウ。
雌雄異熟シユウイジュク:一つの花の中で雌蘂メシベと雄蘂オシベとの成熟期が異なること。雌蘂
 が先に成熟するものを雌蘂先熟,雄蘂が先に成熟するものを雄蘂先熟という。例:ア
 ザミ。
十元素ジュウゲンソ:植物の生育に最も必要な10種類の元素のことで,炭素,酸素,水素,
 窒素,硫黄,燐,カリウム,マグネシウム,カルシウム,鉄の10種。
集合果シュウゴウカ(多花果・複果とも):多数の花が密集して果実となり,花序全体が1個
 の果実のように見えるもの。例:クワ・イチジク・パイナップル。
雌雄混株シユウコンシュ(雑居花・雑性花とも):両性花と雄花又は雌花が同一の株に着くこ
 と。例:トチノキ・サイカチ・ベニイタヤ。
十字形ジュウジケイ花冠カカン:4枚の花弁が2枚ずつ相対して並び,十字形をなしている花冠
 で,アブラナ科一般。例:アブラナ・ダイコン・ナズナ。
雌雄同株シユウドウシュ:単性花を持つ植物で雄花と雌花が同じ株に着くこと。例:キュウリ
 ・トウモロコシ。
秋肥シュウヒ・アキゴエ:一般に礼肥といわれており,11月中旬に施す肥料。
珠芽シュガ: → 肉芽ニクガ
樹冠ジュカン(クローネkroneとも):樹木,主として針葉樹の梢頭を構成している枝葉を
 一団とした姿。
宿根草シュクコンソウ:園芸の慣用語で,多年草のうち根や根茎の発達した植物をいう。例:フ
 クジュソウ。
熟枝挿しジュクシザシ:挿木の一方法で,完全に木化した熟枝を挿す方法。
宿存シュクソン(宿存萼とも):萼ガクは普通花が終わると脱落するものであるが,カキ,ナ
 ス,ホオズキなどの萼は花後も落ちないで生存する。
主根シュコン(直根とも):種子が発芽し,胚の幼根が直接発達して大きくなった根で,主
 根から出る根を側根又は枝根という。例:ダイコン・ニンジン。ゴボウ。
[次へ進んで下さい]