3201 園芸植物用語解説その1(続き)
 
               園芸植物用語解説
 
                    参考:北隆館発行「原色園芸植物大圖鑑」
 
[さ]
催芽サイガ:@芽の新生又は休眠芽が発芽すること。A恒温器や電熱育苗器を利用して発
 芽を促進し,かつ一斉に発芽させること。
サイクリックライティング(cyclic lighting):真夜照明の一種で,1回の照明時間を
 数分間にして,断続的に4時間ばかり照明して同じ効果を挙げる方法。
采咲きサイザキ:花片が細かく深く切れ込んで采配状になる咲き方。例:サツキ・フクジュ
 ソウ。
最少容水量サイショウヨウスイリョウ:土壌から水分を十分に除かれたとき,毛管作用によって保持
 されている水の分量。
最少養分率ヨウブンリツ(最少率とも):ドイツの化学者リービッヒが唱えた有名な学説で,
 即ち作物が完全に生育するためには多くの養分のうち,一つでも不足すると,他の養
 分が余分にあっても,生育は不足している養分の量に支配される,という説。
再生サイセイ:一度失われた植物の器官又は組織が傷創ホルモンによって再び形成されるこ
 と。
最大容水量サイダイヨウスイリョウ:土壌の隙間が水で飽和されたときに含まれている水分の量。
細胞質遺伝サイボウシツイデン:細胞質が形質発現に関係し,その細胞質の性質が安定して子孫
 に伝わること。
細脈サイミャク:網状脈葉において,側脈と側脈との間を細かく結ぶ網状の細い葉脈をいう。
細毛サイモウ:軟らかく細かく短い毛。例:ソラマメの莢の表面に密生する毛。
逆枝サカサエダ:枝の伸長方向と逆に幹の方に向いて伸びる枝。
下枝サガリエダ:主枝より発生して垂れ下がっている側枝。
先取法サキドリホウ:取木の一方法で,小枝を多く出す植物に応用する。小枝の先を曲げて土
 中に挿して発根させ,後に切り離して殖やす方法。
座切繁殖ザキリハンショク(ノッチングnotchingとも):ヒヤシンスで行われる繁殖法で,球根
 の底部に放射状に深く溝状に切り込み,底部を上にして砂中に埋めて置くと,その切
 口に子球が出来る。これを採って殖やす。
咲分けサキワケ:1株の中にいろいろの色の花が混じって咲くこと。
差枝サシエダ:特に長く伸びて張り出した枝。
挿木サシキ:木や草の枝や葉や根などの一部分を分離して,これに根や芽を出させて,新し
 く独立した植物を作ること。その方法には,葉挿し,枝挿し,根挿しがあり,草本の
 場合は特に挿芽サシメと呼んでいる。
挿土サシツチ:挿木(挿芽)をするのに用いる土。
挿床サシトコ:挿木(挿芽)をするために特に設置した場所。
挿穂サシホ:挿木(挿芽)に利用する枝や葉や根の一部分。
叉状脈サジョウミャク(二股状脈とも):二股に分かれた葉脈のこと。例:イチョウ。
ザックス液(sachs):ドイツの植物学者ザックス(Sachs)によって考案された,高等
 植物の水栽培や砂栽培に用いる培養液の一種。
雑交ザッコウ:遺伝的に異なる2個体間の交配。
雑種ザッシュ:一般には異系統,異種,異属間の交配によって生じ,両親の形質を併せ持っ
 ているもの。
雑種強勢キョウセイ:交雑を行った際,雑種第一代(F1)が,両親に比較して旺盛な発育を
 する現象。
左右相称花サユウソウショウカ:ただ1個の相称面を持つ花をいう。左右に均整のとれた花。例:
 スミレ・ツユクサ・クマガイソウ。
三形花サンケイカ:同一種の植物に三通りの花がある場合をいう。例:ミソハギの花には雄蘂
 オシベと花柱との長さを異にするものが3種類ある。
三行脈サンコウミャク:中央脈とその基部近くから出る一対の側脈の3本が特に太く目立つ葉脈
 をいう。例:クスノキ・サワヒヨドリ。
三数性サンスウセイ:花を構成する萼片ガクヘン,花弁,雄蘂オシベ,雌蘂メシベなどが3又はその倍
 数からなることをいい,単子葉植物に多い。例:ユリ・アヤメ・ムラサキツユクサ。
酸性植物サンセイショクブツ:低層,高層湿原,コケ植物よりなるツンドラ泥炭地は多く酸性で
 あるが,このような酸性土壌にもよく生育する植物。例:コムギ・ソバ。
三倍体サンバイタイ:基本数の3倍の染色体を持つ個体で,3nで表す。二倍体と四倍体の交
 雑で生じる。例:天然三倍体(バナナ),人工三倍体として花卉園芸植物(ヒヤシン
 ス・カンナ・チューリップ・サクラソウ)・栽培植物(種子なしスイカ・クワ・ナシ
 ・リンゴ・サトウダイコン)。
三番枝サンバンエダ:二番枝の腋芽から更に発芽した枝。
三本仕立てサンボンジタテ:菊の仕立て方の一方法で,基部から3本の茎を伸ばして,それぞ
 れの上端に1輪ずつの花を着ける方法。
三本支柱シチュウ:樹木の植付けや移植後に,1本の木に三角形に3本の丸太又は太い竹を
 立てて,動揺や風で倒れることを防ぐもの。
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