06a [古来の園芸植物]竹笹類
 
ヤダケ 矢竹:,本州以西原産,稈は高さ2〜5m,径5〜15o,円柱形で節は隆起が少
 なく,節間が長いので矢を作るのに適す,枝は稈の上の方につく,葉は無毛,大型で
 長さ20〜30p,鮮緑色で先端が下垂,地下茎は遠くへ走らない,雅趣があり,優しい
 感じが悦ばれ,石灯篭に添えたり,玄関脇に植え,盆栽にも向く,品種に葉の先端に
 鮮明な緑条のあるアケボノスジヤダケ・節間の膨らむ珍しいラッキョウヤダケなど
 栽培:株分け,植え付けは3月上旬〜4月,初夏葉鞘を剥ぐと,稈が真っ青に見え,
 涼しさを増す
ナリヒラダケ 業平竹:本州西南部原産,稈は高さ7〜8m,径3〜4p,始めは緑色,
 古くなると帯紅紫色で美しい,節は2輪条で1節から3〜8本の枝で出る,葉は長さ
 12〜20p,幅2〜2.5pで硬く,風に強い,筍は晩春,枝張りが狭いので露地庭などに
 適す,品種にアオナリヒラ・マダラナリヒラ・ヤシャダケ・リクチュウダなど
 栽培:3月下旬に株分け,移植する,丈が低い(3m位)ものは春に枝を7〜8pに剪
 定すると夏には小枝が密生する
トウチク 唐竹:ダイミョウチク(大名竹)とも,中国原産,稈は高さ8〜10m,径3〜
 4p,節は強く隆起し,節間が長く70〜80pに達する,枝は長く伸び葉はやや疎らに
 つく,観賞用には普通2〜3mに稈を切り枝も7〜8pに切り詰める(この姿が大名行
 列の毛槍の形に似ている),筍は晩春
 栽培:株分け,移植は3月下旬にする,稈径1〜1.5pのものの各節の枝を10pほどの
 長さに刈り込むと後の姿がよくなる
スズコナリヒラ 鈴小業平:シマダイミョウチクとも,トウチクの斑入り品種で葉の縞
 は始め黄色で後に白くなる,葉を美しく保つためには半日陰で北風のあたらないとこ
 ろで育てる
 栽培:トウチクに準ずる
オカメザサ 阿亀笹:ブンゴザサ・ゴマイザサ(五枚笹)とも,日本原産の小型のタケ
 で東京浅草の酉の市の阿亀を取り付ける,稈は高さ0.2〜2mで半円柱状,径3〜7o,
 枝は短くて2節からなり,各節から5本出て,先端に1枚ずつ葉をつける,葉は紙質
 で薄く,長さ6〜10p,幅2〜2.5p,筍は春,刈り込みに耐え,密植しても下葉が枯
 れ上がらないので地被・生け垣に適す,50〜60pに刈り揃えると美しい
 栽培:株分け,植え付けは4月
オロシマチク 於呂島竹:福岡県於呂島原産といわれる小型のササ,稈は高さ20〜40p,
 径1〜2o,葉は濃緑色で小さく,長さ3〜5p,幅5〜10o,枝の先端に5〜7枚
 の葉が2列に密に並ぶ,地被・根締め・草物盆栽・正月用松竹梅の寄せ植え
 栽培:日当たりの良いところに植え,春先に根際から刈り込み,芯抜きなどをすると
 よく密生し,草丈を10p以下に押さえることができる,葉色を濃くするには春先に油
 粕などを施すとよい,鉢上げは3月,芯抜きは5月,施肥は7月までに行う,植え替
 えはは2〜3年に1回
チゴザサ 稚児笹:稈は高さ10〜30p,径1〜2o,葉は小型で密生し白色又は黄色の
 縦縞が入り美しい,日向ヒナタに植えると白筋がよく入る,耐寒・耐暑・乾燥に強い,和
 風庭園の地被・根締め・縁取り又は浅鉢での正月用松竹梅の寄せ植えなど
 栽培:刈り込み,芯抜きなどの手入れを忠実マメに行い,なるべく丈を低く作る,株分
 け・鉢上げは3月(鉢植えものは水と肥料を切らさないようにし,西日の当たらない
 ところに置く)
カムロザサ 禿笹:稈は高さ20〜40p,径1〜2o,葉鞘ヨウショウ及び葉には細毛が密生,
 葉は薄い紙質で始めは黄金色の縞が入り美しい,次第に褪せて全体が緑色になる,
 鉢植え
 栽培:鉢植えにし,3月に根際から刈り込み,油粕などの窒素肥料を施すと美しく育
 つ
クマザサ 隅笹:京都府の山地に自生する,稈は1m,葉は大型,始め緑色で冬には白い
 隈クマ取りが美しい,筍は晩春,下草としての群植・根締めなど
 栽培:3月に株分け,半日陰で湿度が高く秋の夜の冷えるところは隈がはっきりして
 美しい(夏の乾燥は避ける),2月に根際から刈り込み,芯抜きなどの手入れをする
 と20〜30pの小型になる
キンタイザサ 金帯笹:岩手県原産,稈は高さ30〜80p,葉はクマザサに似て大型で黄
 金色の縦縞が入り美しい,耐寒性があり,日陰地では秋まで美しい
 栽培:株分け,植え付けは3月上旬,稈の付いた地下茎を植える,肥沃な陰地,半陰
 地に適する,4月上旬に古い稈を刈り取る
ヒメシノ :コグマザサとも,盆栽の添え物に適し,地植えでは草丈30〜40pで冬は葉
 に白い隈取りがでる,よく繁茂して美しいので地被として優れ,日陰地・法面保護な
 ど,コグマザサはこのほかにコチク・ミヤコザサ・ウンゼンザサなどがある
 栽培:株分け,植え付けは3月,また3月に根際から刈り込んで4〜5月に芯抜きな
 ど手入れを忠実マメにすると草丈5〜10pに押さえられる,鉢植えは西日の当たらない
 ところに置き,水切れや肥料切れをさせないこと

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