10b 海外薬用植物U
 
セイヨウノコギリソウ(キク科/多年草)
 北米・ヨーロッパに野生 夏に白又は淡紅色の小さい頭状花 全草(西洋蓍草)は健
 胃・発汗・催経薬
 ノコギリソウも全草が健胃・強壮薬
 
セイヨウハッカ(シソ科/多年生草本)
 ヨーロッパ原産 全草(セイヨウハッカ油・ペパーミント油)は歯磨き・菓子などの賦香料
 メグサハッカ(ボレイ油)は矯味矯臭料・健胃・駆風薬
 
セイヨウリンゴ(バラ科/落葉高木)
 ヨーロッパ・西アジア原産 春に白色の五弁花 果実(偽果)からリンゴ鉄エキス・リンゴ鉄
 チンキ・リンゴ鉄シロップなど・強壮剤
 ワリンゴの果実は小形で初め深緑色から半青半紅に熟す。
 
セイロンニッケイ(クスノキ科/常緑高木)
 インド南西岸・セイロン島に野生 枝皮(セイロン桂皮)は最良の香料で香水・調味料・
 リキュール,種子は宗教用の蝋燭
 
セイロンマツリ(イソマツ科/宿根草)
 インド原産 穂状花序に白色の花 根茎は通経・毒蛇の噛み傷
 
セネガ(ヒメハギ科/多年草)
 カナダ西部・北米ロッキー山脈以東の山林中に自生 初夏に穂状花序に白色の小花 
 根(セネガ根)は去痰薬・セネガシロップの原料
 ヒロハセネガも同じ
 
セメンシナ(キク科/多年草)
 ロシア南部のキルギス地方タシケント付近にのみ栽培され,種苗持出厳禁 蕾(シナ・シナ
 花)は回虫駆除薬(サントニン)
 ミブヨモギ・クラムヨモギ・などもサントニンヨモギである。
 
ゼラニウム(テンジクアオイとも フウロソウ科/半低木)
 南アフリカ原産の一属 葉・花(ゼラニウム油)は香水・化粧品・石鹸香料
 ニオイテンジクアオイも同じ,モンテンジクアオイなどは観賞用
 
センキュウ(セリ科/多年生草本)
 中国原産 秋に複散形花序に白色の花(日本の栽培種は結実しない) 乾燥根茎(セン
 キュウ・ワセンキュウ)は浄血・鎮静
 ミヤマセンキュウはセンキュウに該当しない
 
センタウリウムソウ(リンドウ科/二年草)
 ヨーロッパ産 淡紅色の花 茎は苦味健胃剤(センブリと同様)
 
センナ(マメ科/常緑低木)
 アラビア・紅海の東からインドに亘って分布 穂状花序に暗黄色の五弁花 小葉(センナ
 )は下剤など
 アレキサンドリアセンナも同じ,ハネセンナもやや同じ,エビスグサは薬効なし,
 
ソゴウコウノキ(マンサク科/落葉高木)
 トルコ(小アジア)原産 春に黄緑色の無弁単性花 樹皮(バルサム(流動蘇合香とも)
 )は香料・寄生性皮膚疾患
 フウ(楓)の樹脂は蘇合香の代用
 
ソバ(蕎麦 タデ科/一年草)
 中央アジア原産 夏秋に白色又は淡紅色の小花 そう果の胚乳は食用,全草は抗血管
 浸透剤(ルチン)
 ダッタンソバ・シャクチリソバもルチン原料
 
[タ]
ダイウイキョウ(モクレン科/常緑高木)
 北ベトナム・中国国境地域に自生 早春と秋に赤色・深紅色・白色の花 乾燥果実(
 大茴香ダイウイキョウ・八角茴香)は香味料・健胃・興奮・駆風薬
 ウイキョウと同様
 
ダイオウ(大黄 タデ科/多年生草本)
 中国の高地に野生 夏に緑白色〜帯赤色の花 乾燥根茎(大黄ダイオウ)は常習便秘・消
 化不良
 トウダイオウ(唐大黄)の原植物は不明
 わが国栽培のカラダイオウ・マルバダイオウの乾燥根茎(和大黄ワダイオウ)や,中国の土大黄ドダイ
 オウ・芋大黄イモダイオウも同じであるが薬効は劣る。チョウセンダイオウの根茎(朝鮮大黄・白頭大黄
 )や大黄(インド産大黄)もある。
 
ダイコン(大根 アブラナ科/二年草)
 地中海地方原産 春に総状花序に白色〜淡紅紫色の十字花 全草食用,種子(ライフクシ)
 は健胃・去痰薬
 
タイサンボク(洋玉蘭とも モクレン科/常緑高木)
 北アメリカ原産 初夏に白色の香りのある大花 葉は血圧低下・頭痛
 
ダイズ(大豆・味噌豆・枝豆とも マメ科/一年草)
 中国原産 夏に白色〜紫赤色の蝶形花 種子は食用,種子(ダイズ油)は食用油・軟膏
 基剤・クレゾール石鹸液原料・その他塗料原料など
 
タイセイ(アブラナ科/二年生草本)
 ヨーロッパ原産と云われる 総状花序に淡黄色の多数の小花 種子は藍色染料・黄疸
 
ダイダイ(橙 ミカン科/小高木)
 インドヒマヤラ地方原産 総状花序に芳香のある花 乾燥果皮(橙皮トウヒ)は芳香性苦
 味健胃剤・トウヒシロップ・トウヒチンキ・苦味チンキなど 乾燥未熟果実(枳味キジツ・未熟橙味・青切)
 は芳香性苦味健胃剤,花蕾(橙花)は香料・橙花油・橙花水原料
 夏橙(夏蜜柑・夏代)は未熟橙実の代用(偽和物)で,この乾燥果皮は芳香薬・オレンジ
 油,果皮粉末(柑皮末カンピマツ)は散剤用の賦形薬
 カブス(臭橙)・ザダイダイ(座橙・回青橙)は日本産品種
 
ダイフウシ(イイギリ科/高木)
 ベトナム・カンボジア原産 成熟種子油(大風子ダイフウシ油)は癩治療薬
 
タイワンコマツナギ(シマコマツナギ・キアイ・ナンバンアイ・インドアイとも マメ科/小低木)
 南インド原産 夏に黄色の小蝶形花 葉は藍染料(藍青・泥藍の原料)
 インドコマツナギも同じ,コマツナギは染料とはならない
 古来の植物染色「草木染」
 
タイワンヒノキ(ヒノキ科/常緑高木)
 台湾固有種 心材(ヒノキチオール)は養毛・毛生薬
 ニオイヒバ(ニオイヒバ油)は月経促進剤・利尿剤,アスナロ材油は顕微鏡用油の代用,アスナロの球
 果・葉は解熱・肋膜炎,同油(アスナロン)は殺菌性(ポマード・歯磨きに配合)
 ヒノキチオールはネズコ・オニヒバ・ヒャクシンなどからも得られる
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