02 松の趣〈松属の姿〉
 
              松の趣〈松属の姿〉
 
                    本稿は池田書店発行の「松図鑑」を参考に
                   させていただきました。松は日本人にとって
                   最も身近な植物です。そして,松は,日本の
                   文化を語る上で,欠かすことのできない「文
                   化」そのものなのです。
                    本書のまえがきにおいて,著者は「日本の
                   心・松の趣」を知ってもらいたいと,このよ
                   うに述べています。        SYSOP
 
 〈松類の知識 − 日本産のマツ類〉
 
 マツ科は松柏類の中でも最大の科で,9属約200種が北半球に広く分布し,このうち
マツ属は約100種内外が北半球の寒帯から熱帯にわたって分布しています。
 日本ではただマツ(松)と呼ぶときには,アカマツ又はクロマツをさしているように,
単にマツと名付けられた樹木はなく,マツの名はマツ科マツ属の種類全体の総称として
使われています。
 毬果や葉形,樹形,樹皮などがマツに似ていますが,エゾマツはトウヒ属,カラマツ
はカラマツ属ですので,はっきりマツ類から区別されるべきでしょう。
 マツ属は単維管束類と副維管束類に大別されています。
 ○単維管束類:五針葉のものが多く,三針葉のものが少数あり,葉の横断面を見ます
と中央にある維管束は1個です。短枝(針葉の基部)の鱗片は早く落ちやすく,種子は
翼のあるものとないものとがあります。
 日本産のゴヨウマツ,キタゴヨウマツ,ハイマツ,チョウセンゴヨウ,ヤクタネゴヨ
ウなど五針葉のものはこれに含まれます。外国産の三針葉のマツのうちシロマツ,ジラ
ードマツ,メキシコマツもこの類に入ります。
 ○複維管束類:二針葉のものと三針葉のものがあり,葉の横断面を見ますと維管束は
2個あり,短枝の鱗片は落ちません。種子はいずれも翼があります。
 日本産のアカマツ,クロマツ,アカクロマツ,リュウキュウマツなど二針葉のものは
みな含まれ,外国産のダイオウショウ,テーダマツ,リキダマツにど三針葉の大部分の
種類もこれに入ります。
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