△ナンコカヤキ 鉱山の鉱夫たちは、毒下しの効があり、力がつき体が暖まるといって食べた。盆の十 三日、尾去沢(鹿角市尾去沢)の円通寺の境内では大直利オオナオリ大太鼓の人たちがこのカ ヤキ(貝焼き、鍋物のこと SYSOP)を墓参の人たちに振舞う。馬肉にコンニャク入りで あるが、中には豆腐・ネギなどを入れる人もある。また鉱山では馬サシ、馬肉の味噌煮、 馬肉のウチ(内蔵)煮なども食べた。 △カヤキ(貝焼き) 貝焼きとは、大きい帆立の貝殻で焼く(煮る)料理のこととされる。 主食材は、 @旬のもの A珍しいものとか、いただきもの B特別なものとか、縁りのあるもの などで、副食材はありあわせのものである。 大きな鍋をヒビド(囲炉裏)に架けて煮る。 家族全員とか、仲間同士とかで貝焼きをいただくことで、一同の絆が深まるのである。 茄子貝焼き(別掲参照)、ドジョウ貝焼き、ツブ(タニシ)貝焼き、キジ(雉)貝焼 きなどなど、また豆腐貝焼き、寒干し大根貝焼き(別掲参照)など何でもござれ、であ る。 △ニシ貝焼き(身欠きニシン貝焼き)・ヒロコ貝焼き 昔は、身欠きニシンは低価格で美味しい食材であったので、数多くの料理に用いられ た。 特に春(早春から初夏にかけて)はヒロコの旬なので、ヒロコとニシの貝焼きは普通 に作られた。味噌仕立てであったと記憶している。 △タカナ貝焼き 冬期間の漬物として、どこの家庭でも沢山のタカナが塩蔵された。 その塩蔵タカナと、旬のタラの白子の貝焼きは、とても乙なものであった。 |
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