101 血液サラサラで健康な毎日に
 
              参考:成美堂出版発行「脳梗塞・心筋梗塞を防ぐ食事」
 
                     「脳梗塞、心筋梗塞は、ともに血管が詰
                    まってしまって起こる病気です。この予防
                    には、血液がサラサラに流れる健康な状態
                    にしておくことが大切です。・・・・・・」
                     本稿は成美堂出版発行「脳梗塞・心筋梗塞
                    を防ぐ食事(平成13年10月発行)」を参考
                    にさせていただきました。詳しくは同書を
                    ご覧下さい。          SYSOP
 
〈食而健康 − 血栓を防ぐ魚と野菜〉
△血栓を防ぐ魚のEPA・DHA
 血栓の出来やすい血液を改善するためには、生活習慣を改めることが大切です。中で
も重要なのは食生活で、私共が普段何気なく食べている食品の中には、血液が固まるの
を防ぎ、血流をよくするものが沢山あります。この本の監修者並木和子先生は、実験に
よってこの「血液サラサラ効果」を明らかにし、点数(抗血栓点)で表すことに成功し
ました。
 抗血栓点の高い食品の筆頭は、何と云っても魚で、魚に含まれるEPA(イコサペンタエ
ン酸)とDHA(ドコサヘキサエン酸)は、動脈硬化を招く血中の悪玉コレステロールや中
性脂肪を減らしてくれる、不飽和脂肪酸です。更に、血栓の基になる血小板を凝集させ
過ぎないようにする働きや、血圧を下げる効果もあり、血液サラサラに非常に有効な成
分です。その効果は、実験や疫学調査によっても裏付けられています。魚の血液サラサ
ラ効果はEPAとDHAの量にほぼ比例するので、魚の抗血栓点はこれらの含有量から算出し
ます。
 
△野菜にも魚と同様、血液サラサラ効果が
 魚にはEPAやDHAと云う血液サラサラ効果の指針バロメーターがありましたが、野菜ではそう
云う訳にもいきません。しかし、野菜や果物をジュースにして血液の見本サンプルに混ぜた
り、実際に食事に採り入れてみた結果、野菜にも魚程ではありませんが、血小板の凝集
を防ぐなどの血液サラサラ効果があることが分かりました。実験で確認出来た野菜につ
いては、魚の効果との関係から、抗血栓点も算出されています。
 野菜の血液サラサラ効果には、様々な成分が関与していると考えられています。未だ
はっきりとは分かっていませんが、ニンニクやネギ類に含まれる硫黄を含んだ成分や、
香味成分のピラジンなど、いろいな成分が血液サラサラ効果に関わっていると見られて
います。未だ抗血栓点が明らかになっていない野菜についても、香りの強いものは効果
が高いことが予想されます。
 ただし、野菜は魚の場合と違って、一つの物差で効果を測ることは出来ません。未知
の効果が期待されるものもありますから、いろいろな種類の野菜を均衡バランスよく、たっ
ぷりと食べるようにしましょう。
 
△EPAもDHAも「適量」が肝心
 魚のEPAやDHAが幾ら血液サラサラに良いからと云っても、食べ過ぎてはいけません。
コレステロールや中性脂肪を減らすとは云え、脂肪は脂肪、食べ過ぎればエネルギー過
剰オーバーや脂肪の摂り過ぎになります。血小板凝集を抑える働きも、傷口からの出血を止
めると云う、血小板の正常な役割を妨げる程では危険です。血液サラサラを通り越して
出血しやすい血液になり、脳梗塞は防げても脳出血を招く・・・・・・なんてことなもなりか
ねません。何事も「過ぎたるは及ばざるが如し」です。適量を摂取しましょう。
 
〈バランスが大切 − 血液サラサラ・理想の食生活〉
△魚と野菜をバランスよく食べる
 抗血栓点の高い食品を摂れば良いと云っても、どの位、どんなバランスで摂るのかが
重要です。
 実験の結果、
@1日1000点以上を目安に、
A魚と野菜の割合はほぼ1対1(500点ずつ)でと云うのが理想の摂り方だと云うことが
分かっています。幾ら点数が高くても高カロリーの食事では逆効果ですし、殆ど魚点ば
かりと云うのも望ましくありません。高点数の食品をバランス良く組み合わせ、適量を
食べるのが最も効果的と云えるでしょう。この点数配分で実際の献立表メニューを考える場
合は、「魚点は摂りやすく野菜は摂りにくい」と云う傾向があるので、調理方法などを
工夫して、野菜料理を増やすことも大切です。
 このような理想の抗血栓食を、1週間食べ続ける実験をしたところ、殆ど全員が健康
な血液の流れになりました。そればかりか、血液がドロドロだった人も、抗血栓食を食
べるとその日のうちに効果が現れ、サラサラと流れる、血栓の出来にくい血液になるこ
とが分かっているのです。
 
△魚は3食に1回以上、野菜は毎食
 血液サラサラ効果は、魚と野菜では持続時間が違います。魚は6〜7時間後に最高頂
ピークを過ぎると効果が下がるものの、食後24時間以上も長続きします。これに対し、野
菜の効果は食後一気に上昇し、5時間程でピークに達すると、急勾配で下がります。そ
して約7時間後には効果がなくなってしまいます。
 このことから、魚は1日に1回食べれば血液サラサラ効果を充分に得ることが出来、
逆に野菜は、1日3回食べることで、効果を持続させる必要のあることが分かります。
副菜やサラダなどの小さなお数オカズや、主メインの魚料理の付け合わせなどでも良いので、
食卓には必ず野菜を並べるように心掛けたいものです。偶タマには、野菜を使った料理を
主にしてみるのも良いでしょう。

△血栓を防ぎたいなら「肉食は絶対ダメ?」
 そんなことはありません。血栓を防ぐためには、肉より魚を食べた方が良いのは確か
ですが、何も「絶対に肉を口にしてはダメ」と云う訳ではありません。肉を食べた次の
食事では抗血栓点の高い食品を摂るなど、自分なりにバランスを執るようにすれば、問
題ありません。勿論抗血栓点の高い食品を食べれば、摂り過ぎた脂肪やコレステロール
が全部帳消しになる訳ではありませんから、食べ過ぎは良くありません。肉類に中では、
EPAやDHAを含む鶏肉をお薦めします。
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