11 野菜「タイ野菜」
 
              野菜「タイ野菜」
 
                     参考:草土出版発行「花図鑑[野菜]」
 
〈タイ野菜〉
 
 プロフィール:タイ料理にとって野菜類は重要な素材です。特にハーブやスパイス類
は,タイ料理の風味を醸し出します。ディルやレモングラスなどは世界各地において生
産されてはいるものの,タイ料理に用いるのなら,矢張り現地産のものには敵いません。
 タイ料理の魅力は,何と云ってもその魅惑的な香りにあります。たっぷり用いられる
野菜の歯応えや栄養だけではなく,主役とも云える香りを逃さないよう,調理は極短時
間で済まされるものが多い。また,料理の盛り付けの美しさにも定評があり,野菜は飾
り付けにもふんだんに用いられています。
 
◎ガランガル(カー)
 酸味と香りのある,わが国のショウガに似た風味です。根を薄く切ってカレー,豆腐,
ソースの香り付けや,サラダに用いられます。ショウガ科。
 
◎大葉香菜(パクチーフラン)
 鋸歯のある葉は5〜25p程の大きさで,コリアンダーに似た強烈な香りを持ち,葉を
刻んで薬味に用います。小さな緑色の花を付けます。セリ科。
 
◎コリアンダー(パクチータイ)
 コリアンダーの葉柄はあらゆるタイ料理の仕上げを飾り,香りを楽しみます。カロチ
ンやビタミンに富み,茎や根をも利用します。精油でもお馴染みで,中国野菜の香菜(
シャンツァイ)と同じものです。セリ科。
 
◎カファーライムリーフ(バイマックル)
 ほろ苦い酸味が肉や魚の臭みを消し,芳香を添える野菜の一つです。重なり合う2枚
の葉が特徴で,果皮を薬味に使うこともあります。ミカン科。
 
◎シロゴチョウの花(ドッケー)
 3〜5pの蝶花の色は白や紅色,ビタミンCを多く含み,加熱しますと苦味は消えま
す。スープの具やサラダに,若莢サヤも食用になります。
 
◎チャイニーズキー(カチャイ)
 地下茎に付く肥大した側枝を利用します。強い香りを持ち,肉や魚の臭みを消します。
辛味はなく,生食や漬物にもできます。花は桃色です。ショウガ科。
 
◎バナナの花房(ホアプリイ)
 雄花の花房が野菜として利用されます。筍の皮にような花弁の中に,割箸程の大きさ
の花が並びます。酸味のあるサラダやスープにします。バショウ科。
 
◎生コショウ(ピックタイオン)
 ドレッシングやマリネの香り付けに利用され,新鮮なうちに加熱すると風味が増しま
す。香り,風味共に,乾燥品にはない独特な味わいがします。コショウ科。
 
◎パンダナスリーフ(バイトゥイ)
 濃い緑色の葉は繊維質が強く,ショウブに似ます。ココナッツのような香りがあり,
煎じてお茶にしたり,飾り付けに利用されています。タコノキ科。
 
◎パッカナー
 パッカナーは掌大の卵形の葉と,堅い皮を除いた茎を食べる,キャベツの仲間です。
加熱すると甘く歯応えがあり,煮物や炒め物に向きます。アブラナ科。
 
◎レモングラス(タカイ)
 レモングラスは高さ60p程度,全草にレモンに似た爽やかな香りを持ち,魚や肉の臭
み消しに利用されます。カレーやトムヤムスープには欠かせません。イネ科。

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