04b 野菜「葉菜類−花・蕾」
◎ナバナ 菜花
和名:花菜ハナナ,油菜アブラナ,菜種ナタネ アブラナ科 原産地:地中海沿岸,北ヨーロッ
パ,中央アジア
プロフィール:ナバナは,アブラナの蕾ツボミと花茎を食用とするもので,独特のほろ
苦さと香りが特徴です。茹でて食べたり,漬物の素材にしたりします。菜花は元はアブ
ラナのみを指しましたが,現在はコマツナや縮緬ハクサイなど,同じアブラナ科の他の
葉菜の蕾も含めることが多い。葉柄や葉脈が紫色の紅菜花(紅菜苔−中国野菜の項参照
)もこの仲間になります。開花前の蕾に葉茎を付けて切り,束ねて出荷します。年中出
回り,千葉,神奈川,愛知などが主な産地です。
アブラナの仲間は地中海沿岸原産のアブラナ(和種ナタネ)と,アブラナとキャベツ
類の交雑したものからヨーロッパにおいて成立したナタネ(洋種ナタネ)に大別されま
すが,どちらも菜種油を採る重要作物として,古くから世界各地において栽培されてい
ます。食用としての栽培も古い。
和種ナタネはカブやハクサイと同じ種で,京都のハタケナや東北地方のクキタチナも
この中間に入ります。葉が淡緑色で,薄く柔らかいのが特徴で,わが国においても古く
から採油用,食用に栽培されていました。
洋種ナタネは葉が色濃く厚いのが特徴で,明治時代初めに導入されますと,それまで
の和種ナタネに取って代わり,昭和になりますと採油用として栽培されるのは殆ど洋種
ナタネとなりました。現在は輸入が増え,栽培物は切り花や野菜用など極僅かです。
△食べ方と効能
ナバナは「菜の花だから旬は春」と思い勝ちですが,最盛期は2,3月で,まだ寒風
が吹き付ける厳冬の中において収穫されます。葉茎が柔らかく瑞々しいもの,蕾が揃っ
ていて色が綺麗なもの,葉の色の濃いものが新鮮です。1〜2日の保存のときは,ビニ
ール袋か新聞紙に包んで,茎を立てて冷蔵保管します。また茹でて塩漬けにして置きま
すと,長く楽しめます。
料理をするときは,塩湯で茹で,水に晒します。茹でるときは,葉触りが残るよう,
茹で過ぎないよう注意して下さい。また水に晒し過ぎても風味が失われます。季節の香
りを戴く野菜ですので,複雑な味にするより,春の素材と組み合わせてシンプルに仕上
げて下さい。辛子和えや昆布締め,ご飯や寿司飯と合わせた春飯,鯛とナバナの吸物な
どがお薦めです。
ホウレンソウやコマツナと同様,ビタミンA・B1・B2・C,カルシウム,鉄分,カリウ
ムを多く含みます。特にカルシウムは,野菜の中においても多い方に属し,ビタミンA・
Cはトップクラスです。これらの栄養素が総合的に働いて身体の抵抗力を高め,風邪な
どの感染症から守るほか,鉄分や葉緑素,葉酸が貧血を予防します。
◎エディブルフラワー
和名:食用花
プロフィール:エディブルフラワーは,観賞用植物の中から,生でも食べられるよう
な,小型で毒性のない花を選んだものです。わが国においても古くからサクラの花の塩
漬け,キクなどが食用花として利用されて来ましたが,エディブルフラワーと呼称する
場合は,アメリカ東部のシェーカー教徒のレシピを起源とする花々を指すことが多い。
主に用いられる花は,ナスタチウム,パンジー,ビオラ,スミレ(スイートヴァイオレット),
キンギョソウ,プリムラ,キンセンカ,ミニバラ,スイートピー,洋ランなど,20科70
種程です。わが国の主産地は沖縄や愛知です。
利用法は,そのままサラダに入れたり,花弁をちぎってドレッシングに混ぜたり,ゼ
リーの中に閉じ込めたりします。食器や料理の色彩に合った花を選ぶのがポイントです。
エディブルフラワーに用いられる花は,観賞用の種と同じ品種ですが,生花店におい
て売られているものには,身体に良くない農薬が使われいる場合がありますので避けて
下さい。青果店やスーパーに並んでいる,食用専用に栽培されているものを選んで下さ
い。野や庭の花は,毒性のあるものも生育していますので,十分注意して下さい。庭で
栽培するときは,園芸店において食用花専用の種子を求めて下さい。
△エディブルフラワーの主な品種
@パンジー:スミレ類の中においても最も華やかな品種で,様々な花色があります。
大きなものは萼を外し,花弁を一枚ずつちぎったり刻んだりして用います。
Aスイートピー:甘い香りと優しい色合いを持ち,春らしい雰囲気が持ち味です。お
菓子の飾りにすることが多い。
Bキンギョソウ(スナップドラゴンとも):1茎に沢山の花が付くので,一輪ずつに分けて
用います。
Cデンファレ:洋ランのデンドロビウム・ファレノプシスで,花弁が厚く,萎れにく
いのが特徴です。
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