04 塩漬け
 
                  参考:成美堂出版発行「おいしい薫製づくり」
 
 燻製作りに大きな役割を占めるのが塩漬けです。素材をそのまま燻製しても、燻味ば
かりで味は付きません。燻製に取り掛かる前に「塩漬け」が必要です。
 塩漬けの方法には、素材の表面に直接塩を振ったり擦り込んだりする「振り塩法」、
素材を10〜15%の塩水に漬け込む「ソミュール法」、ピックル液と云う塩漬け液に素材
を浸して冷蔵庫で熟成させる「ピックル法」の三種類があります(前掲)。
 
△振り塩法
 振り塩法とは、素材の表面に直接塩を振ったり、擦り込んだりする塩漬け法です。雑
菌の繁殖しやすい水分を、塩によって取り除き、保存性を高めます。よって冷燻製のよ
うに長期間保存するのにも適しています。使用する塩は、天然の真塩が旨味や発色の面
で優れています。
 振り塩の方法は、素材の大きさに対して10〜15%の塩を満遍なく振り掛けます。又は
両手でよく擦り込みます。漬ける時間は場合にもよりますが、1〜2時間から1晩程で
す。燻製を長期保存したい場合は、7〜10日間程漬け込むのがよいでしょう。漬け込む
時間を短縮したい場合は、振り塩した素材の上下をパセリや玉ねぎなど香味野菜で挟ん
で容器に入れ、更に素材の重さと同等の重石を載せ、1〜2時間置きますと効果的です。
 
△ソミュール法
 ソミュール法は素材を塩水に漬け込むため、塩分が均一に沁み込むのが特徴で、別名
「たて塩法」とも云い、10〜15%の塩水(ソミュール液)に素材を漬け込む塩漬け法で
す。塩分が均一に浸透しやすく風味も良い。よって保存目的と云うより、調味を大切に
する生ハムやベーコンなど、熱燻法や温燻法に利用されることが多い。
 ソミュール液の作り方は次のとおりです(分量は素材500gに対して)、
 水1リットル(1000cc)に真塩100g程を入れ、掻き混ぜたら生卵を浮かせて見ます。卵が
 容器の丁度真ん中に浮かぶよう、更に塩を入れながら濃度を調整します。卵が真ん中
 に浮かべば約15%の濃度なので、これを強火で沸騰させ、ブーケガルニ1束と黒胡椒
 5、6粒を入れて弱火で5、6分煮立てます。冷ましてからブーケガルニを取り出し、
 これをビニル袋に入れ、空気を抜いて密封して保管して置きます。
 ブーケガルニとは、セロリ、ゲッケイジュ、パセリ、タイムなどの乾燥葉茎を束にし
 たもの。
 
△ピックル法
 ピックル法は、ソミュール法の一種で「改良たて塩法」とも云います。蓄肉や魚肉の
燻製を作る場合に多く使われます。
 ピックル液と云う塩漬け液に素材を浸して、数日〜2週間程冷蔵庫内で熟成させるの
が特徴です。何をどの位調合してピックル液を作るかによって、素材の風味が微妙に変
化します。好みや工夫次第で、自分だけのオリジナルピックル液を作ることが出来る、
楽しい塩漬け法です。
[標準的なピックル液の作り方]
 材料:水3,500cc 真塩400g 黒砂糖150g 醤油200cc
@材料全部を火に架けて沸騰させます。
Aアクを丁寧に取りながら、弱火で15〜20分煮立てます。
B素材に合わせ、香味野菜やスパイス、酒類などを混ぜて、オリジナルピックル液を作
 ります。
Cビニル袋に入れ、空気を抜いて密封し、ジプロックに入れて冷蔵して置きます。なお、
 冬季なら室温で1ケ月、夏季なら冷蔵庫で1ケ月保存出来ます。

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