02 [いざ燻製を]燻製作りの方法
参考:成美堂出版発行「おいしい燻製づくり」
本稿は、成美堂出版発行「おいしい燻製づ
くり」を参考にさせていただきました。
想えば、SYSOPが第二次世界大戦直後の小学
低学年の頃、秋田の和井内定行氏の育成にか
かる十和田湖の姫鱒、その姫鱒の燻製をお土
産にいただき、食べたことがあります。姫鱒
燻製の、えぐいと云うか、渋いというか、頭
から尾、骨に至るまで丸ごといただいたよう
な気がします。ユニークな味として、幼い頃
の淡いキュートな思い出として、心に残って
います。 SYSOP
〈燻製作りの方法〉
燻製作りの方法は、燻煙をかける温度・時間によって三つに分けることが出来ます。
即ち@低い温度で燻煙する冷燻法、A中程度の温度で燻煙する温燻法、高温で燻煙する
熱燻法の三つがあります。
△冷燻法
冷燻法とは、15〜23℃の温度で1〜3週間薫煙をかける方法です。この温度は肉が熱
凝固しない範囲であり、これより高いと腐敗しやすく、低いと乾燥力が落ちてしまいま
す。燻室をこの範囲の温度に保つには、外気が16〜17℃であることが望ましく、冬季が
適温です。保存性の高い本格派の燻煙法です。
初めの1週間は18℃位にし、スモーカーの通風装置を全開にして煙の流れをよくしま
す。2週間目は素材の乾燥具合を見て、煙の流れをやや抑え、温度を22℃位にします。
3週間目は通風装置を殆ど閉じて、26℃位で仕上げます。
スモークサーモン、長期保存を目的にした魚、チーズ、蒲鉾、鱈子タラコ、生ハム、ビー
フジャーキーなど、しっかりスモークしたいものに適しています。
△温燻法
温燻法とは、30〜80℃で3〜8時間燻煙をかける方法です。最も一般的な薫煙法です。
30〜50℃は細菌繁殖の適温なので、実際の燻煙は5〜6時間が適当であり、長くとも2
〜3日内で終わらせることです。温燻法で出来た燻製は乾燥度が低く、水分は50%程で
す。よって保存法はそれ程よくありませんが、燻味に優れソフトで美味です。
最初30℃位で始め、徐々に温度を上げて行きます。途中で温度が上がり過ぎますと表
面だけが乾燥してしまいますので注意しましょう。6時間での薫煙づくりの場合は、最
初の4時間は30〜50℃、残り2時間で更に温度を上げます。
殆どの魚、ハム、ベーコン、ソーセージ類、貝類、鶏卵、豆腐などの多くの種類のも
のが温燻に向いています。
△熱燻法
熱燻法とは、90〜140℃で2〜4時間薫煙をかける方法です。風味、色合いに優れ、ま
た薫煙時間が短く、手軽に出来る反面、水分が多く保存性はよくありませんので、出来
上がったら直ぐに食べてしまうのがよいでしょう。アウトドアスモーキングにはお薦め
です。
この程度の高温では魚の蛋白質は凝固し、蒸し物やあぶり焼きに似た状態になります。
また薫煙の際、表面に水分が多いと煙がよく沁み込まなくなりますので、風乾の工程プロ
セスで水気を十分取ることが肝要です。
スペアリブやラムなど骨付き肉に向いています。表面の焦げ色と骨から沁み出た旨味
が絶妙です。
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