02 ごまを食べて若返る
 
              ごまを食べて若返る
 
         参考:飯塚律子ヘルスフーズ研究所「若さを保つごまクッキング」
           ・カタギ食品株式会社「もっともっとのごま料理」
 
                    不老長寿の秘薬と云われる[ごま]の不思
                   議な力を探ります。
                    ごまを食べると十歳若返ると云われます。
                    また肥満の大敵の一つは脂肪です。ごまに
                   含まれるビタミンEやリノール酸には,脂肪の代謝を
                   促す働き,つまりダイエット効果もあります。
                    そして,ごまにはビタミン類が豊富に含まれて
                   いるため,膚が綺麗になり,美人になるそう
                   です。
                    一日に20〜30gのごまを常食しますと,不足
                   しやすい微量栄養素が補え,食事全体の栄養
                   バランスが大変良くなるとのことです。
                    乾電池式のごますり器を購入しましたとこ
                   ろ,ごま料理のパンフレットを無料で送って
                   いただきました。                   SYSOP
 
〈はじめに〉
 @白いごまをどっさり混ぜてクレープを焼き,サラダやお惣菜を巻いて食べるのが美味し
い。A卵と牛乳アレルギーの子女にとって,栄養満点のごまは貴重な代用食品です。B骨太
の丈夫な赤ちゃんが生まれますようにと,毎日ごま料理だけは欠かさず食べています。
Cハンバーグ種にごまをたっぷり混ぜて焼くと,ごまのサクサクした歯触りが最高,また上から
掛けるケチャップにもすりごまを混ぜます。D鰯イワシのフライは,パン粉の代わりにごまを使う
と,臭みが消えて香ばしくて幾らでも食べられます。E味噌・ごま・炒めたピーマンと葱
ネギの微塵ミジン切りを混ぜ合わせますと,御飯や酒の肴,また味噌汁の具にもなります。
F便秘のときにごまを大匙一杯食べるとすっきりします。
 等々の消費者の声があります。
 
〈ごまは紀元前三千年前に既に栽培されていた〉
 ごまは,ゴマ科の一年生草本で,亜熱帯に産する植物です。原産地はアフリカのサバ
ンナ地帯です。
 ごまがこの地球上に存在した歴史は古く,紀元前三千年以前からナイル川流域で栽培
されていたとも云われています。
 そして古代エジプトに伝わり,食用にしたほか,香料や化粧品としても使われ,更に
驚くことにミイラを作るとき仕上げに防腐剤として利用されていたとも云われています。
 やがて古代ギリシャやローマへと伝わり,古代文明においてごまの栽培は益々盛んに
なりました。
 「アラビヤンナイト物語」の中の「アリババと四十人の盗賊」で盗賊が大きな岩の扉を「開けご
ま」の呪文をとなえると重い扉が開きます。このことは,ごまが持つ魔法の力を知って
いたからでしょう。アラビアの国々でもごまは大変重要な食品で,パンやチャパティにごまを
まぶして焼いたり,ペーストにして使ったり,揚げ油としても使われていたと云われていま
す。
 一方では,アフリカ東部から中近東諸国,インドへと渡り,インドからシルクロードを経
て,中国,日本へと伝えられました。しかし一説によると中国にはメソポタミアやアラ
ビアから既に入っていたと云われ,黄河文明の紀元前三千年頃には栽培されていたとも
云われています。
 日本においてごまが本格的に食用として重要視されるようになったのは,奈良時代以
降,平安時代になってからです。更に仏教の伝来により肉食禁忌の戒律によって,ごま
や大豆など植物性食品中心の精進料理が発達していきます。ごま油はなたね油より古い
歴史を持っています。
 
〈ごまの種類〉
 ごまは大別して,野生種と栽培種があり,原産地と云われるサバンナ地方には野生ご
まの種類が最も多くあり,中には翼を持って飛ぶ野生種があると云うことです。
 日常食べているごまは栽培種で,色で分けますと白色,黒色,茶色,黄色,金色,緑
色などがあり,茶色の種にも濃い茶色,薄い茶色のものがあります。
 主に利用される種は白ごま,黒ごまですが,金ごまを好む方々も多くおられます。
 ごま油には茶ごまが使われます。
 現在(平成9年より以前)わが国において利用されるごまの殆どは輸入品で,輸入先
は中国,ベトナム,タイ,ミャンマー,インドなどです。
 健康指向から年々ごまの消費は伸び,輸入量は増えています。
 わが国でのごまの栽培は僅かですが,茨城県一帯で採れる金ごまや真っ黒なビロードご
まと云われる黒ごまは,世界一美味しいごまと云われています。
 
〈古代人が伝えたごまの効能とは?〉
 前述のように古代エジプトでは,ごま油をミイラの防腐剤として使っていたと云うこと
は,ごまには抗酸化作用の働きがあることを当時既に知っていたからでしょう。
 世界的な美女クレオパトラは化粧品としてごまを使っていたとも云われています。
 中国や日本では「仙人の食物」とか,「不老長寿の妙薬・秘薬」と云って,ごまは万病
を防ぎ,生命力を高める食品として貴ばれていました。またごまは漢方薬にも組み入れ
られ「白髪を防ぎ,母乳の欠乏を補い,強壮補精,解毒などの作用があり,更に寝汗を
止め,便秘を防ぐ」などの薬効が認められています。また,「ごまの花は疣イボ取りの妙
薬」とも云われ,花を揉んでその汁を付けると疣が取れると伝えられています。
 わが国の戦国時代の携帯食「胡豆根丸ゴズコンガン 」は,胡麻,大豆,昆布などを粉末
にして練って固めたものです。この胡豆根丸の栄養価は優れており,わが国においても
古くからごまを愛用していました。
 さて,現代では化学的にごまの素晴らしい栄養成分が,世界的に注目されるようにな
り,国連のWHO(世界保健機関),同じくFAO(食糧農業機関)においても,人類
の健康増進のためごまをもっと食生活に採り入れるよう勧告しています。
 では,ごまにはどのような成分が含まれているのか,そしてどのような生理作用があ
るのか探ってみましょう。
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