51 トミヨの生息地
 
                         参考:鹿角市発行「鹿角市史」
 
 トミヨはトゲウオ科の淡水魚で、体長は大きいもので5p程、背鰭セビレ部分に棘トゲを
持つこと、水草などを利用して営巣し、その中に産卵し、産卵後は孵化フカして稚魚にな
るまで雄がそれを保護すると云う、非常に変わった興味深い習性を持つ。
 トミヨの分布は、本州中部以東青森までと、北海道であるとされているが、その生息
地は湧水・伏流水の出口となっている水の澄んだ場所に限られるなど、生育環境の条件が
厳しいことから、生育地は近年著しく減少し、その生育地は非常に貴重と云える。その
現状についての籠谷留太郎氏の調査は次のとおりである。
 
 当市の生息範囲は、米代川水系に沿って発達する沖積地帯の湧水域である。以前は鹿
角市一円に生息していたと云うが、現在では、下川原シタカワラ入口付近と、錦木赤沢田(下
古川)の二ケ所に確認されている。従って当市においては稀少価値の高い動物の一つで
ある(中略)。
 従ってトゲウオの保護には、生息水域環境の保全が前提となる。
トミヨの生息地 [地図上の位置→]
  [関連リンク(KI10067・68下古川・下川原のトゲウオ生息地(鹿角市指定天然記念物))]
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