02 陸水散歩〈陸水と海水〉
陸水散歩〈陸水と海水〉
緑の森で何が営まれ,どんな生物が活動し,
そして森がどのように成長しているかを証明
するものは「流れる水/陸水」です。
陸水とは何か,そこでの生態系はどのよう
に営まれているのでしょうか。
本稿は共立出版発行の「川と湖の生態」を
参考にさせていただきました。 SYSOP
〈陸水と海水の違い〉
△量と成分
地球表面のくぼみを満たす海,湖,川などの水の世界を水圏といいますが,この中で
海の総面積は地球全表面の約71%を占めます。これを水の量としてみますと,地球表面
に存在する水の総量は水や水蒸気をも含めて16973×10^20gです。これに対して真水す
なわち陸の水の量は僅か0.25×10^20gで,海水の1/55868 に見積もられます。
陸水の中にはカスピ海などのような塩水の湖もありますが,大部分は淡水です。淡水
と海水の違いは水の中に溶けています塩分の種類とその量です。海水は普通1㎏中に35
g程度の塩類を含みますが,川の水は50~220mg程度です。淡水の比重は4℃において最
大で1ですが,海水は0℃で1.02812です。塩の種類としては,海水は陸水よりナトリ
ウムと塩化物の割合が,また陸水は海水よりカルシウムと炭酸塩の割合が圧倒的に大き
いです。つまり海水は食塩を,陸水は炭酸カルシウムを多量に含むことを特徴としてい
ます。
わが国の河水は欧米諸国に比べ塩類の総量やカルシウム,マグネシウムが少なく,つ
まり軟水であることが特徴です。反対に火山灰土壌の影響を受けて珪酸が多く,また海
風により塩素やナトリウムが多いです。
△水の動態と水圏の区別
水圏の水は,その全量が常に一定の方向に動く流水系(川,クリーク(川の小さいも
の,渓流など)と,だいたいにおいて動かない,動くとしても一部の水に過ぎない静水
系(湖,池,沼)の二つに分かれます。
湖,池,沼は,広さ,深さ,植物の状態などで区別します。湖は広くて深く,池は小
さくて浅く,浮葉植物が中央の水面まで広がっています。沼は全体が浅く,植物はマコ
モやコウホネのように空気中に突出している挺水テイスイ植物です。
△世界と日本の主な湖と川
名称 所在地 面積㎏^2 最大深度m
大きな湖 カスピ海 アジア・ヨーロッパ 371000 995
スーペリオル 北米 82360 406
ビクトリア 東アフリカ 69480 82
琵琶湖 滋賀 695 103
八郎潟 秋田 219 5
霞ケ浦 茨城 178 7
深い湖 バイカル シベリア 31500 1742
タンガニーカ コンゴー 32890 1453
チチカカ 南アフリカ 8140 370
田沢湖 秋田 26 423
支笏湖 北海道 77 363
十和田湖 青森・秋田 60 327
川の名 長さ㎞ 河口所在地
主な川 ナイル 6690 地中海
アマゾン 6300 大西洋
揚子江 5530 東支那海
ラブラタ 4800 大西洋
コンゴ 4370 大西洋
信濃川 367
天塩川 311
利根川 298
石狩川 262
天竜川 250
参考 「川と湖の生態」共立出版
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