23 コーヒーかすでナメコ栽培
 
            コーヒーかすでナメコ栽培
 
               参考「GR現代林業1994.10」全国林業改良普及協会
 
 ナメコやマイタケの菌床栽培に用いられる広葉樹オガコは年々価格が高騰し,安定的
な入手が困難になっています。
 山形県立林業試験場では,菌床きのこの代替培地に関する試験を行っています。今ま
でにも代替培地として廃培地に着目し,マイタケやヒラタケ等の試験栽培を行い,一定
の成果を得てきましたが,長期間放置すると害菌の温床になったり,袋栽培の廃培地を
再利用する場合,手間がかかりすぎるなどの問題点が残りました。
 そこで,現在行っている試験では,オガクズなどに代表される木質系の培地基材に拘
らず,広範なものを利用して試験を行っています。その結果,缶コーヒーを製造してい
る工場から廃棄されるコーヒーかすを培地基材に用いてナメコ栽培に成功しました。
 具体的な栽培方法は,広葉樹オガコの代わりにコーヒーかすを使用するだけで,培養
日数や発生方法などは従来どおりです。
 ナメコの発生量については,栄養剤の添加内容によって多少増減するようですが,い
ずれの場合も広葉樹オガコ程度か,それ以上の発生量を示しました。また,傘の色や肉
質等も広葉樹オガコから発生したナメコと変わりなく,コーヒーかすは優れた代替培地
であると考えられます。
 さらに,コーヒー飲料を作っている工場ではコーヒーかすの廃棄コストや場所に頭を
悩ませている状況ですので,コーヒーかすは無償で入手可能な培地基材となります。入
手ルートさえ確立できれば,かなりの経営改善が期待されます。
 今後も代替培地の開発に関する要望はますます高まってくると予想されますので,コ
ーヒーかすによるナメコ栽培で得られるノウハウを基にして試験研究に取り組むことと
しています。
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