06a 森林の土を掌に〈土壌分類〉
 
〈森林土壌の分類体系〉
             森林土壌の分類体系
 
土壌群     土壌亜群          土壌型       亜型   細分例
 
ポドゾルP   乾性ポドゾルPD       PD1,PD2,PD3
        湿性鉄型ポドゾルPW(i)   PW(i)1,PW(i)2
                      PW(i)3
        湿性腐植型ポドゾルPW(h)  PW(h)1,PW(h)2
                      PW(h)3
褐色森林土B  褐色森林土B        BA,BB,BC,  BD(d)
                      BD,BE,BF
        暗色系褐色森林土dB     dBD,dBE    dBD(d)
        赤色系褐色森林土rB     rBA,rBB,rBC rBD(d)
                      rBD
        黄色系褐色森林土yB     yBA,yBB,yBC yBD(d)
                      yBD,yBE
        表層グライ化褐色森林土gB   gBB,gBC,gBD gBD(d)
                      gBE
赤・黄色土RY 赤色土R          RA,RB,RC,  RD(d)
                      RD
        黄色土Y          YA,YB,YC,  YD(d)
                      YD,YE
        表層グライ系赤・黄色土gRY  gRY1,gRY2,  
                      gRYb1,gRYb2,
黒色土Bl    黒色土Bl          BlB,BlC,BlD,BlD(d)  BlD-m
                      BlE,BlF         BlE-m
        淡黒色土lBl        lBlB,lBlC,lB lBlD(d) lBlD-m
                      lD,lBlE,lBlF      lBlE-m
暗赤色土DR  塩基系暗赤色土eDR     eDRA,eDRB, eDRD(d)
                      eDRC,eDRD,   eDRD(d)-ca
                      eDRE        eDRD(d)-mg
        非塩基系暗赤色土dDR    dDRA,dDRB, dDRD(d)
                      dDRC,dDRD,
                      dDRE
        火山系暗赤色土vDR     vDRA,vDRB, vDRD(d)
                      vDRC,vDRD,
                      vDRE
グライG    グライG          G
        疑似グライpsG       psG
        グライポドゾルPG     PG
泥炭土Pt    泥炭土Pt          Pt
        黒泥土Mc          Mc
        泥炭ポドゾルPp       Pp
 
未熟土     受蝕土Er                       Er-α
                                    Er-β
        未熟土Im                       Im-g
                                    Im-s
                                    Im-c1
                                                                            
 △ポドゾル群P
 高山帯や亜高山帯の寒冷湿潤な地域にポドゾルが出現し,さらに同一地域では海抜高
が高くなるほどその分布が広くなります。
 ・乾性ポドゾル亜群PD:亜高山帯及び高山帯の山頂,尾根筋,凸斜面上部,台地の
肩などの地形的に乾燥の影響を受けやすいところに出現しますが,温帯気候下でも乾燥
しやすいところに線状又は点状に出現します。ヒノキ,ヒバ,コウヤマキ林においては,
この亜群の出現を促進しやすいです。
 ・湿性鉄型ポドゾル亜群PW(i):主として北海道,本州脊梁山脈,中部山岳の温帯上
部から亜高山帯にかけて,アカエゾマツ,アオモリトドマツ,ヒメコマツ,ネズコ,ヒ
ノキ,ブナなどの天然生林下に分布します。地形的には鈍頂な尾根,準平原面,火山泥
流地などの重粘でち密な土壌母材のところに出現します。
 ・湿性腐植型ポドゾル亜群PW(h):主として温帯上部から亜高山帯にかけて,エゾマ
ツ,トドマツ,アオモリトドマツ,シラベ,トウヒ,ヒノキ,ネズコ,ダケカンバ,ブ
ナなどの天然生林下に広く分布し,地形的には緩斜面に出現します。
 
 △褐色森林土群B
 わが国の温帯から暖帯の山地帯に広く分布し,ポドゾルより温暖な気候下に生成され,
最も広く分布する土壌です。
 ・褐色森林土亜群B:温帯から暖帯の山地帯に広く分布しますが,性状は多様で,比
較的未熟なものから成熟したものまで,極めて重粘質のものから砂質,礫質なものまで
含まれています。
 ・暗色系褐色森林土亜群dB:北海道の山地,本州の脊梁山脈,中部山岳などに広く
見いだされています。褐色森林土亜群の分布域の上部で,ポドゾル群の分布域との間に,
ほぼ垂直成帯的に分布します。
 ・赤色系褐色森林土亜群rB:主に東海,近畿,中国,四国,九州の各地方の低海抜
高の山地地域にかなり広く分布しますが,その他の地方の同様の地域にも出現します。
周辺に赤色風化の証拠があること,あるいは地層,地形などの面から赤色風化の可能性
が推定されることなどがこの土壌群の類別の指標となります。
 ・黄色系褐色森林土亜群yB:上述の赤色系褐色森林土亜群と混在して出現すること
が多く,主な分布地域は同じです。
 ・表層グライ化褐色森林土亜群gB:北海道のオホーツク海及び日本海側のほか,東
北地方の日本海側や北陸地方など,主に裏日本の地域に分布します。これらの地域の台
地や緩斜地形に出現しやすく,比較的埴質で,土層はち密でマッシブです。
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