06a レッドデータアニマル〈日本絶滅危機動物2〉
 
〈昆虫類〉
 日本産の昆虫類は,現在28720種・亜種が知られ,そのうち2種類が絶滅, 205種が絶
滅のおそれのある種・亜種とされています。
 
ヤンバルテナガコガネ コウチュウ目コガネムシ科 日本固有種 国指定天然記念物
 沖縄本島北部の照葉樹林帯だけすむ前肢の長い大型甲虫で,スダジイの樹洞で生活し,
 幼虫は樹洞の木屑を食べます。成虫体長雄53〜63o,雌40〜60o。
 
オオチャイロハナムグリ コウチュウ目コガネムシ科 日本固有種
 光沢のある黒褐色のやや大型のハナムグリで,本州以南の山地帯に限って分布し,ミ
 ズナラ・ブナなどの大木の樹洞内に見出されます。幼虫は樹洞の木屑を食べます。成
 虫体長22〜32o。
 
ミクラミヤマクワガタ コウチュウ目クワガタムシ科 日本固有種
 光沢のある黒褐色の小型のクワガタムシで,伊豆諸島の御蔵島と神津島にのみ分布し,
 シイなどの森林の林床に生息します。幼虫は林床にたまった腐植土・朽ち木などを食
 べるようです。成虫体長雄21〜30o,雌18〜23o。
 
キンオニクワガタ コウチュウ目クワガタムシ科
 わずかに光沢を帯びた赤褐色の小型のクワガタムシで,シベリア東部・中国北東部・
 朝鮮半島・済州島などで古くから知られ,日本では長崎県対馬のカシ類・クヌギなど
 各種広葉樹の朽ち木で見られます。幼虫はそれらの朽ち木を食べます。成虫体長雄20
 〜37o,雌20〜23o。
 
ミヤコマドボタル コウチュウ目ホタル科 日本固有種
 宮古諸島のみに分布するホタルで,雄は体長35〜40o,ウスカワマイマイなどの陸貝
 を食べます。
 
アカネキスジトラカミキリ コウチュウ目カミキリムシ科 日本固有種
 中国地方にのみ分布する種で,エゾエノキの大木がある自然林でみられ,体長10〜15
 o。幼虫はエゾエノキの枯れ枝を食べます。
 
フサヒゲルリカミキリ コウチュウ目カミキリムシ科 日本固有種
 北海道渡島半島と岩手県,中部山岳地域と中国地方に分布し,暗い紫色の美しいカミ
 キリムシで,山地の湿性草地に限って生息し,体長15〜17o。成虫はユウスゲやキス
 ゲ,ショウブ類の生きた葉や花茎をかじって食べ,幼虫もこれらの植物を食べると考
 えられます。
 
ケマダラカミキリ コウチュウ目カミキリムシ科
 日本では北海道にのみ分布し,黒色で翔には金色の細かなまだら模様がある草本性の
  カミキリムシで,林道際や林間の草地に見られます。体長14〜18o。幼虫はハンゴン
 ソウの生きた茎にもぐり,植物体を食べます。
 
ヒメビロウドカミキリ コウチュウ目カミキリムシ科
 本州関東以南から四国・九州まで点在的に記録され,上翔に不明瞭な色模様をもつ小
 さいビロウドカミキリで,唯一の草本類を食べる種です。体長8〜12o。幼虫はオト
 コヨモギの茎に入り,植物体を食べます。
 
オガサワラハンミョウ コウチュウ目ハンミョウ科
 小笠原諸島の父島と兄島から記録された固有種で,丘陵の細かい土でてきた裸地だけ
 に生息し,体長10〜13o。幼虫も同じところに穴を掘ってすんでいると思われます。
 
ヨドシロヘリハンミョウ コウチュウ目ハンミョウ科
 瀬戸内海と九州の海岸線の,アシ群落と隣接した砂泥地に局所的に分布し,体長9〜
 12o。幼虫は地中で生活し越冬します。
 
イカリモンハンミョウ コウチュウ目ハンミョウ科
 インドシナ半島から中国南部,台湾などを経て,日本まで分布する南方系のハンミョ
 ウで,石川県・鹿児島県・種子島の砂丘にのみ生息しています。体長12〜15o。幼虫
 は砂に穴を掘って生活し,成幼虫とも昆虫食であると思われます。
 
キイロホソゴミムシ コウチュウ目オサムシ科 日本固有種
 東京湾岸(気水域のアシ原)にのみ生息するゴミムシで,体長80〜95o。幼虫も蛹も
 まだ知られていません。
 
マークオサムシ コウチュウ目オサムシ科 日本固有亜種
 東北地方の低地帯の湿地・泥炭地などにすむオサムシ,体長25〜30o。
 
ケバネメクラチビゴミムシ コウチュウ目オサムシ科 日本固有種
 高知県宿毛市の小さい丘の廃坑で発見され,無翅,無眼の洞窟性メクラチビゴミムシ
 の一種で,体長5.5o内外。
 
ツヅラセメクラチビゴミムシ コウチュウ目オサムシ科 日本固有種
 熊本県九十九瀬洞で発見され,無翅,無眼の洞窟性メクラチビゴミムシの一種で,体
 長4.5o内外。
 
ウスケメクラチビゴミムシ コウチュウ目オサムシ科 日本固有種
 大分県津久見市の石灰洞で発見され,無翅,無眼の洞窟性メクラチビゴミムシの一種
 で,体長4o内外。
 
リュウノメクラチビゴミムシ コウチュウ目オサムシ科 日本固有種
 徳島県龍ノ窟で発見され,無翅,無眼の洞窟性メクラチビゴミムシの一種で,体長40
 〜45o内外。
 
リュウノイワヤツヤムネハネカクシ コウチュウ目ハネカクシ科 日本固有種
 徳島県龍ノ窟(石灰洞)で発見された洞窟性昆虫で,複眼が非常に小さく,後翅は退
 化して失われています。成幼虫ともコウモリの糞でできたグアノの堆積しているとこ
 ろにすみ,グアノ食性の小動物を食べて生活します。体長12.5〜16o。
 
ヨコミゾドロムシ コウチュウ目ヒメドロムシ科 日本固有種
 本州・四国・九州において記録された,水草の多い平野部の池にすむ体長2.6〜2.8o
 の小型甲虫です。
 
キイロネクイハムシ コウチュウ目ハムシ科 日本固有亜種
 本州・九州・沖縄において記録され,湿地や沼などの植物を餌として生活するネクイ
 ハムシの一種で,体長4o内外。
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