02a 種の保存法〈希少野生動植物種の保存〉
 
〈個体の取扱いに関する規制〉
 △個体の所有者等の義務
 希少野生動植物種の個体の所有者又は占有者は,希少野生動植物種を保存することの
重要性を自覚し,その個体を適切に取り扱うように努めなければならないこととされて
います。
 △捕獲等及び譲渡し等の規制
 国内希少野生動植物種等の個体の捕獲等(捕獲,採取,殺傷又は損傷をいう)及び譲
渡し等(譲渡,譲受,引渡又は引取をいう)並びに国際希少野生動植物種の個体の譲渡
し等については,その種の保存の重要性に鑑み,学術研究又は繁殖の目的その他その種
の保存に資する目的で行うものとして許可を受けた場合を除き,原則として,禁止され
ています。
 △輸出入の規制
 国内希少野生動植物種の個体の輸出入については,その種の保存の重要性に鑑み,原
則として,これを禁止されています。
 △陳列規制
 希少野生動植物種の個体は,販売頒布の目的で陳列してはなりません。
 △その他の規制等
 このほか,国際希少野生動植物種の個体の登録,特定事業を行う者に対する規制など
があります。
 
〈生息地等の保護に関する規制〉
 △生息地等の保護に関する規制
 絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存の基本は,その生息地等における個体群の
安定した存続を保証することです。このような見地から,国内希少野生動植物種の保存
のためその個体の生息・生育環境の保全を図る必要があると認めるときは,生息地等保
護区を指定することとされています。
 
〈保護増殖事業〉
 保護増殖事業は,国内希少野生動植物種のうち,その個体数の維持・回復を図るため
には,その種を圧迫している要因を除去又は軽減するだけでなく,生物学的知見に基づ
き,その個体の繁殖の促進,その生息地等の整備等の事業を推進することが必要な種を
対象として実施することとされています。
 保護増殖事業の計画は,事業の目標として維持・回復すべき個体数等の水準及び生息
地等の条件等を,事業内容として巣箱の設置,餌条件の改善,飼育・栽培下での繁殖,
生息地等への再導入などの個体の繁殖の促進のための事業,森林,草地,水辺など生息
地等における生息・生育環境の維持・整備などの事業を定めることとされています。
 
 
《参考》
                           参考 林野時報 H05.11.01
 
〈国有林野における希少野生動植物種の保護管理事業を実施〉
 
〈生息・生育環境の整備〉
 国有林野には,多くの希少な野生動植物が生息・生育しており,絶滅のおそれのある
野生動植物の種の保存に関する法律の制定にみられるように,国有林野内に生息・生育
する希少な個体及びその生息地等の保護のみならず,積極的な生息地等の管理が求めら
れている。
 林野庁においては,これまで森林生態系保護地域,植物群落保護林,特定動物生息地
保護林等の保護林を設定し,希少な野生動植物の生息・生育地を保護してきたところで
あるが,以上のような状況を踏まえ,希少な野生動植物を保護増殖するため,平成5年
度より積極的な生息・生育環境の整備等を行う希少野生動植物種保護管理事業を創設し,
実施することとした。
 5年度は,「種の保存法」に基づく政令指定種及び今後政令指定が予定される等保護
増殖の実施に関し緊急性の高い次の8種について希少野生動植物種保護管理事業を実施
する。シマフクロウについては巡視及び生息地等環境管理,その他については巡視及び
保護管理対策調査を実施する。
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