03a 米代川の野鳥〈水辺の鳥〉
 
ヤマセミ
 ヤマセミは、米代川水系の清流で見られます。清流に沿って上ったり下ったり、ヤマ
 セミは清流の監視人です。巣の近くでは、キャラッ、キャラッと鋭い声を発して迫り
 ます。
 
アカショウビン
 アカショウビンはブナ帯で繁殖し、全身火のように赤い。雨季になると決まってキョ
 ロロロと鳴くので、山村の人々にテロロと云う名でよく知られています。昔、水をや
 らないで馬を苦しめた下女が、死後の報いでこの鳥になったと云います。水を飲みた
 くて谷川に行くが、水に映った自分の姿が炎に見えて怖くて近寄れず、天を仰いでテ
 ロロと鳴いて雨乞いをするのだと云います。
 
ミソサザイ
 ミソサザイは、米代川水系の清流で見られます。ジャッ、ジャッと、小さな体に似ず、
 大きな地鳴きを渓谷に響かせている。
 
アオサギ
 アオサギは湿地や干潟、川原などで見られるます。集団営巣し、ゴアーと濁った声で
 鳴きます。米代川と小坂川(大湯川)の合流付近などで繁殖しています。
 
コサギ
 コサギは黒い嘴、黄色い足の指をしており、美しく舞い降りる姿は人の心を安ませま
 す。水田や干潟、川原などで普通に見られます。
 
アオアシシギ
 アオアシシギは、シベリア北辺から9月初旬頃米代川流域を通過します。チョーチョ
 ーチョーと3音からなる美しい声でよく鳴きます。
 
ハマシギ
 ハマシギはシベリアの北極圏で繁殖し、わが国より南で越冬します。春秋の2回、大
 群で浜を通過します。
 
マガン
 マガンは北半球の寒帯で繁殖し、宮城県伊豆沼などで越冬します。春、米代川内陸部
 の河川敷などに舞い降りた後、米代川下流域を横切り、白神山系を越えて帰ります。
 カハハンとかグアングアンとかに鳴きます。
 
ヒシクイ
 ヒシクイは褐色の大型のガンです。群で飛ぶときは雁列を組み、グアングアンと低い
 しわがれた声で鳴きます。米代川内陸部では、春の渡りの折に見かけます。
 
キンクロハジロ
 キンクロハジロは淡水湖沼などに棲息する冬鳥で、晩秋の十和田湖畔でよく見られま
 す。
 
ホシハジロ
 ホシハジロは淡水湖沼などに棲息する冬鳥で、十和田湖の湖岸でよく見られます。
 
スズガモ
 スズガモは干潟などで見られる冬鳥で、十和田湖ではキンクロハジロなどとともに小
 群をなし、真冬には姿を消します。
 潜水採魚型のカワアイサやハジロカイツブリは、春まで滞留します。
 
ハジロカイツブリ
 ハジロカイツブリは十和田湖畔で、ホシハジロなどが水底水草採取型を食べ尽くして
 居なくなっても、小魚を捕って春まで居残ります。
 
ホオジロガモ
 ホオジロガモは晩秋の頃、十和田湖畔で小群をなし、真冬には姿を消します。
 
オナガガモ
 オナガガモは春秋の2回、渡りの途中で大館付近の米代川に着水します。
 
ヒドリガモ
 ヒドリガモは秋よりも春の渡りのとき、米代川の支流との合流点などで、数十羽の群
 が見られます。雄はやや悲しげな声でピューンと鳴きます。
 
ヨシガモ
 ヨシガモは米代川水域では滅多に見られませんが、北帰行の途中のヒドリガモの群の
 なかなどで見られます。頭部の形がフランス皇帝ナポレオンの帽子を目深く被ったよ
 うな感じで、鍔ツバが肩に掛かっているように見えます。
 
コガモ
 コガモは秋に500羽位の大群で飛来し、魚群のような集団急速方向転換をしながら川面
 を往来します。雄はピリッピリッと細い声で鳴きます。
 
マガモ
 マガモは、狩猟鳥獣の対象となる典型的な鳥です。近くの河川や沼で普通に見られま
 す。雄はグェーグェー、雌はゲーゲーと鳴きます。頭と首の青い家鴨アヒルは、このマガ
 モを家禽化したものと云われます。
 
オオハクチョウ
 オオハクチョウは、本州以北の湖沼や海岸で越冬します。よく餌付けの対象ともなり、
 コオーッと鳴きます。
 
コハクチョウ
 コハクチョウはオオハクチョウよりも北で繁殖し、オオハクチョウよりも南で越冬し
 ます。米代川には3月中旬頃に、数百の群をなして飛来します。コーココと鳴きます。
 
カワアイサ
 カワアイサは、米代川の水域で越冬します。専ら水に潜って魚を捕らえます。細長い
 体型と長い嘴の先端に鈎があるところは、鵜ウにそっくりです。
 
ユリカモメ
 ユリカモメは野分の立つ頃、米代川支流の長木川などにオオハクチョウが渡ってくる
 時を同じくして、米代川水域に姿を見せます。しかし、真冬にカモメやセグロカモメ
 がやってくると、ユリカモメの群の大半は、追われるかように南下します。キューイ
 と鳴きます。
 
カモメ
 カモメは冬の季節風が吹きすさぶ頃、米代川の中州などに十数羽の小群で飛来します。
 キェーウ、カ、カ、カと鳴きます。
 
ダイサギ
 米代川流域で、春と夏の終わりに見かけるのがコサギとチュウサギで、冬を通して春
 先まで見かけるのがダイサギです。朝夕は数十羽がまとまって居ますが、日中は単独
 に散開します。
 
ノスリ
 ノスリは杭や梢などに止まって、獲物が近くを通るまでじっとしている、待ち伏せ攻
 撃型のワシタカ科の鳥です。ピューイ、ピューイと鳴きます。
 
オジロワシ
 オジロワシは冬、岸の横枝などに止まって、コイなどの大型魚を狙っているのが、稀
 に見られます。また春、北帰行のカモ類を襲うこともあります。クワックワックワッ
 と鳴きます。
 
オオワシ
 オオワシは米代川水域に毎年数羽、それぞれ決まった処に飛来します。時折橙色の特
 大の嘴を開けて、クワクワと威嚇します。
 
コウノトリ
 コウノトリは稀に、米代川の中州などの、オオハクチョウの群の中にいることがあり
 ます。
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