0303a 米代川の野鳥〈林野の鳥〉
アオバト
アオバトは留鳥で、夏には十和田湖や八幡平などのブナ林に棲息し、クワ、ヤマザク
ラ、ウワミズザクラなどの木の実を好んで食べます。オ、アォー、アオーなど不思議
な声で鳴きます。
イヌワシ
イヌワシは留鳥で、米代川水系の支流の源流部にも営巣します。ノウサギやヤマドリ、
またアオダイショウなどの蛇も捕食します。
ヒガラ
ヒガラの留鳥で、マツ類やトウヒなど背の高い木の枝先で生活しているので、間近に
姿を見る機会は少ない。チィーとかツーピィ、ツーピィとかにさえずります。
イワツバメ
イワツバメは夏鳥で、尾が短めです。泥と枯れ草を交互に集めて来て、崖や岩壁に巣
作りします。ジュリリーと鳴きます。
ビンズイ
ビンズイは夏鳥で、八幡平(毛氈峠〜焼山に多い)などの亜高山帯で繁殖します。ツ
イツイツイリリリ、フィフィスカスカスカなどと澄んだ声でさえずります。
また、さえずりの中に「ビンビンズイズイ」と云う一節が入ることから、この名が付
きました。
メボソムシクイ
メボソムシクイは夏鳥で、夏、ブナ帯を登りつめて亜高山帯に出ると、そんなとき、
オオシラビソ(アオモリトドマツとも)の枝陰から、チリチブチリチブ、チリチブと
か、チョチョリチョチョリとかにしきりにさえずります。「銭取り、銭取り」とも聞
き倣ナされるとも云います。
ホシガラス
ホシガラスは、八幡平などの山頂一帯に広がるオオシラビソ林で繁殖します。ガーッ、
ガーッとの鳴き声はカラスに似ています。
ヤマガラ
ヤマガラは、夏は雑木林や鎮守の森にいて毛虫などを食べていますが、秋にはドング
リやエゴノキの堅い実を足に挟んで、嘴で音を発てて叩タタき割ります。ツーツーピー
ン、ツーツーピーンとさえずります。昔、縁日などでおみくじを引いたりしました。
ルリビタキ
ルリビタキは夏、八幡平などの亜高山帯で繁殖します。オオシラビソの渓谷斜面から
吹き上がる風に乗って、フィチョロチョロチョロリーと、やや哀愁を帯びてさえずり
ます。
ジョウビタキ
ジョウビタキは冬鳥で、初冬の段丘崖の枯れた草むらから、ヒッ、ヒッと云う高い鳴
き声が聞こえます。「ヒタキ」とはキビタキの項を参照、「ジョウ(尉)」とは頭が
灰のように白い老人のことです。
コガラ
コガラの仲間はほかに、シジュウカラ、ヤマガラ、ヒガラがいますが、コガラは最も
高い処(地域)に棲んでいます。ツーツー、ジャージャーなどとのんびりした柔らか
い声で鳴きます。
アオゲラ
アオゲラは緑色の中型のキツツキで、本州以南に棲息する日本の固有種です。ピョー
ピョーと云うよく響く声で鳴きます。
シジュウカラ
シジュウカラは主にブナ林に棲息していますが、住宅地の庭先にも現れます。冬にな
ると、軒先に吊るしたヒマワリの実の餌台に毎日訪れます。ツツピー、ツツピーと鳴
きます。
エナガ
エナガは留鳥で、低山帯の林に棲息します。早春の山裾の低木からジュルリ、ジュル
リと少し濁った声の地鳴きが聞こえます。チリリリ(ツリリリ)と警戒音を発して、
チーチーチーと鳴き交わします。
イスカ
イスカは、低山地以下の針葉樹林に棲息する冬鳥です。チョッ、チョッとかギョッギ
ョッとかに鳴きます。
ウソ
ウソは夏は高い山に、冬は低山に棲む太った鳥です。夏、八幡平などの亜高山帯で繁
殖します。フィフゥとかフィーフィーとか口笛のような声で鳴きます。
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