学名解説(属名)[H〜L]
Linaria f.<g. linon(アマ)に全体が似るための古い名。ゴマノハグサ科
Lindera f.<人名 スウェーデンの植物学者Johann Linder(1676〜1723)に因む。ク
スノキ科
Linderia f.<人名 北米の菌類学者D.H.Linder に因む。カゴタケ科
Lindernia f.<人名 ドイツの医学者で植物学者Franz Balthasar Lindern(1682〜
1755)に因んで付けられた名。ゴマノハグサ科
Lindsaea f.<人名 英国の植物学者Archibald Lindsay(18世紀〜19世紀)に因む。ウ
ラボシ科
Linnaea f.<人名 Gronovius がその師 Carl von Linne(1707〜1778)に捧げたもの。
ラテン語化してある。リンネはこの花が好きで,愛用の器にはこの花が描かれていた。
スイカズラ科
Linum n.<1. アマの古名。これから糸を採ったので linon(糸,筋)の語が転用され
た。アマ科
Liparis f.<g. liparos(脂肪性の,又は輝く)。滑らかで光沢のある葉に基づく。
ラン科
Lipocarpha f.<g. lipos(肥えた)+carphos(籾殻)。或種のものの内側の鱗片が
厚くなっていることに由来する。カヤツリグサ科
Lippia f.<人名 フランスの植物学者で医者であった Augustin Lippi(1678〜1704)
に因む。クマツヅラ科
Liquidamber f.<1.+ar. ラテン語 liquidus(液体)+アラビア語の ambar(琥珀)
の混成語で,樹幹から流れ出る芳香性の液から名付く。マンサク科
Liriodendron f.<g. leirion(ユリ)+dendron(樹木)。花型がユリに似るため。
モクレン科
Liriope f.<g. ギリシャ神話の女神の名。ユリ科
Listera f.<人名 イギリスの自然科学者Martin Lister(1638〜1711)に因む。ラン
科
Litchi f.<chin. レイシの漢名茘枝(ライチー)から。ムクロジ科
Lithocarpus f.<g. lithos(石)+carpos(果実)。石の果実の意でクリに比べて堅
いため。ブナ科
Lithospermum n.<g. lithos(石)+sperma(種子)。小堅果を結ぶ性質から来た。
ムラサキ科
Litsea f.<chin. 支那名からと云うが漢名は不明。クスノキ科
Livistona f.<人名 英国エジンバラ近くの Livingstone の貴族Patrik Murray に因
む。ヤシ科
Lloydia f.<人名 イギリスの Edward Lloyd が本種を発見した記念に付けた名。ユリ
科
Lobaria f.<g. lobos(裂片)。地衣体が多くの裂片からなるから。カブトゴケ科
Lobelia f.<人名 英国の本草学者Matthias Lobel(1538〜1616)を記念した名。キキ
ョウ科
Lochnera f.<人名 ドイツの M.F.Lochner(1662〜1730)の名に因んだ名。キョウチ
クトウ科
Loiseleuria f.<人名 フランスの植物学者Jean Louis Auguste Loiselleur-Delong-
champs(1774〜1849)に因む。ツツジ科
Lolium n.<1. ラテンの古名。イネ科
Lomatogonium n.<g. loma(線)+gone(雌蘂)。柱頭の形から来た名。リンドウ科
Lomentaria f.<1. lomentum(節莢)。マメ科の節莢のように体が節で括クビれるか
ら。ワツナギソウ科
Lonicera f.<人名 ドイツの16世紀の数学者で採集家てもあった Adam Lonitzer の名
をラテン語化した Lonicerus から出た名。スイカズラ科
Lophatherum n.<g. lophos(鶏冠)+ather(芒ノギ)。鶏冠状の芒の状態を譬えた。
イネ科
Loranthus m.<g. loron(革紐)+anthos(花)。線形をなす花冠の裂片の形から。
ヤドリギ科
Loropetalum n.<g. loron(革紐)+petalon(花弁)。花弁は厚い広線形をなすた
め。マンサク科
Lotus m.<g. ギリシャ古語の植物名でいろいろの意味があったが,Linne によりクロ
ーバー状のこの植物に限定されたもの。マメ科
Loxocalyx m.<g. loxos(傾いた)+calyx(萼)。萼が上下唇からなり,その長さが
違うことから傾いた五角形をなすため。シソ科
Loxogramme f.<g. loxos(傾斜)+gramme(線)。サジランの小嚢群が斜めに平行し
て並ぶため。ウラボシ科
Ludwigia f.<人名 ドイツのライプチヒの植物学教授Christian Gottlieb Ludwig(
1709〜1773)に因む。アカバナ科
Luffa f.<ar. ヘチマのアラビア名。ウリ科
Luisia f.<人名 スペインの D.Luis de Torres の名に因んだもの。ラン科
Lupinus m.<1. lupine(ハウチワマメ)の古名で,lupus(オオカミ)から出た語。
どんな土地にも育つ逞タクマしさからの連想 マメ科
Luzula f.<1. lux(光)の縮小形 luxulae,又は gramen luzulae から来た名。この
属の一種に付けられたもので,露に輝く様から付いた。イグサ科
Lychnis f.<g. 緋色又は焔色をした種に付けられたギリシャ古名で,lychnos(炎)
に由来する名。ナデシコ科
Lycium n.<g. 中央アジアの Lycia(地名)に生えていた刺の多い潅木 lycion のギ
リシャ古名を転用したもの。本属にも刺があるため。ナス科
Lycoperdon n.<g. lykos(オオカミ)+perdon(放屁)。袋を押すと胞子を吹き出す
有様から付いた。キツネノチャブクロ科
Lycopersicon n.<g. lycos(オオカミ)+persicon(モモ)。”味の悪い桃”と云う
意味。ナス科
Lycopodium n.<g. lycos(オオカミ)+podion(足)。鱗片葉の密生した茎が狼の足
に似ているため。ヒカゲノカズラ科
Lycopus m.<g. lycos(オオカミ)+pous(足)。その葉が狼の足に似ていると想像
されたが疑問である。シソ科
Lycoris f.<1. ギリシャ神話の海の女神 Lycoris の名から採った名。花の美しさか
ら。ヒガンバナ科
Lygodium n.<g. lygodes(柔軟な)。細長く柔軟な蔓状の茎に基づく。カニクサ科
Lyonia f.<人名 初期アメリカの植物学者で,南 Alleghanies の探検家John Lyon(
18世紀〜1818)に因む。ツツジ科
Lyophyllum n.<g. lyo(離れる)+phyllos(葉)の合成名。マツタケ科
Lysichiton n.<g. lysis(分離)+chiton(衣服)。この属には分離した明瞭な花被
がある特徴を強調した。サトイモ科
Lysimachia f.<人名 Thrace(マケドニア)王 Lysimachion の名を称えたもの。又は
lysis(解ホドける)+mache(競争,争い)。伝説によると Lysimachus 王は,猛り狂
った牡牛に襲われ,あわやと云う時に,この植物を振ったら牛が鎮まったと云う。サ
クラソウ科
Lysionotus m.<g. lysis(分離)+notos(背)の意味で,果実の長い鞘の開裂の状
態から付いた。イワタバコ科
Lythrum n.<g. lytron(血)。Dioscorides によって L.Salicaria に対して付けら
れた名。この種の花が血のように紅いため。ミソハギ科
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