学名解説(属名)[D〜G]
 
Eragrostis f.<g. Eros(愛の神)+agrostis(草)。長い間 love-grass(愛の草)
 として知られていた古い名。イネ科
Eranthis f.<g. er(春)+anthos(花)の意。キンポウゲ科
Eria f.<g. erion(軟毛)。体にも花にも密に軟毛のある種類が多いから。ラン科
Erigeron m.<g. eri(早い)+geron(老人)。灰白色の軟毛で覆われた早く花の咲
 く植物と云う意味で,元は Senecio vulgaris を指した。キク科
Eriobotrya f.<g. erion(軟毛)+botrys(葡萄)。表面が白い軟毛で覆われた果実
 が房になるから。バラ科
Eriocaulon n.<g. erion(軟毛)+caulos(茎)。基準となった種の花茎の基部に軟
 毛があったことから付けられたもの。ホシクサ科
Eriochloa f.<g. erion(軟毛)+chloe(草)。穎に白い軟毛が密生するから。イネ
 科
Eriophorum n.<g. erion(軟毛)+phoros(身に着ける)。果穂に白毛があるから。
 カヤツリグサ科
Eritrichium n.<g. erion(軟毛)+thrix(毛)。全株に白毛あるため。ムラサキ科
Erodium n.<g. erodios(アオサギ)。果実に長い嘴クチバシを持っているため。フウロ
 ソウ科
Erysimum n.<g. ギリシャ名 erysimon。eryomai(助ける,救う)から出た名で本属
 の或種に薬効があると考えられたため。アブラナ科
Erythrina f.<g. erythros(赤)。紅の花を着けるため。マメ科
Erythronium n.<g. erythros(赤)。赤紫色の花を着けるヨーロッパ種に付けられ
 た。ユリ科
Erythroxylon n.<g. erythros(赤)+xylon(材)。コカ科
Eschscholzia f.<人名 エストニアの Johann Freidrich Eschscholtz(1793〜1831)
 に因む。ケシ科
Eubotryoides f.<Leucothoe の節名をそのまま昇格したもの。Eubotrys 属に似たもの
 の意。ツツジ科
Eucalyptus f.<g. eu(良)+calyptos(被った)。良く被われたの意。乾燥地によ
 く育って緑に覆われるためと云う。フトモモ科
Euchenma n.<g. eu(良い)+cheuma(溶解するもの)。トサカノリ科
Euchresta f.<g. euchrestos(有用)。マメ科
Eucommia f.<g. eu(良)+commi(ゴム)。樹皮中にゴム質の物質(グッタペルカ)
 を含むため。トチュウ科
Eudesme f.<g. eu(良い)+desme(糸の束)。ナガマツモ科
Eulalia f.<人名 Kunth のイネ科の書物に挿し絵を画いた植物画家Eulalia に因んで
 1829年に付けられた。イネ科
Euonymus <g. ギリシャ古名 eu(良)+onoma(名)からなり,良い評判の意。ギリ
 シャ神話の名でもある。ニシキギ科
Eupatorium n.<人名 紀元前132〜63年の小アジアの Pontus 王Mithridates の姓 Eu-
 pator に捧げられた名で,彼はこの属のある植物を薬用にしたと云われる。キク科
Euphorbia f.<人名 ローマ時代のモーリタニアの王Juba が侍医Euphorbus の名を付
 けたもの。彼が初めて Euphorbia resinifera などの乳液を薬に使ったため。トウダ
 イグサ科
Euphoria f.<g. euphoreo(よく結実する)。美味な果実を賞しての名。ムクロジ科
Euphrasia f.<g. euphrasia(陽気,爽快)の意から出たもので,古くから云われて
 いる視力を澄ます薬効を称えたもの。ゴマノハグサ科
Euptelea f.<g. eu(良)+ptelea(ニレ)・美しいニレの意。果実の形が似るが,
 雄花はずっと美しいから。ヤマグルマ科
Eurya f.<g. eurys(広い,大きい)。ツバキ科
Euryale f.<g. ギリシャ神話の怪物メジューサの妹で恐ろしい顔と蛇の髪を持つ。刺
 だらけの葉と花とを譬えた。またギリシャ語の euryalos(広大な)に由来する語で,
 広く大きな葉に基づくとも云う。ヒツジグサ科
Euscaphis f.<g. eu(良)+scaphis(小舟,柵)。赤く朔(草冠+朔)果が色付き
 美しいから。ミツバウツギ科
Eutrema n.<g. eu(良)+trema(穴)。果実の表面の凹凸を指したもの。アブラナ
  科
Evernia f.<g. eyernys(よく分枝した)。体の分枝状態から。サルオガセ科
Evodia f.<g. eu(良い)+odia(香り)。果実に精油を含み芳香があるため。ミカ
 ン科
Evodiopanax f.<属名 Evodia(属名)+Panax(属名)。Evodia に似た葉形の Panax
 の意。ウコギ科
Excoecaria f.<1. 盲にするの意。毒性から付いた名。トウダイグサ科
Exochorda f.<g. exo(外)+chorde(紐)。胎座の外側に糸が出ることから。バラ
 科
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