学名解説(属名)[D〜G]
 
 F
 
Fagara f.<ar. アラビア名を Linne がこの属の名に転用した。ミカン科
Fagophrum n.<1.+g. ラテン名 Fagus(ブナ)+ギリシャ名 pyros(小麦,穀物)。
 三稜を持つ果実がブナの実に似ていることから。タデ科
Fagus f.<1. ギリシャ語の phagein(食べる)に由来するラテン古名で,その堅果が
 食用になるのを譬えたもの。ブナ科
Falcata f.<1. falcatus(鎌状の)・やや湾曲した莢サヤの形に基づく。マメ科
Farfugium n.<1. キク科のフキタンポポ(Tussilago Farfara)の古名から。その元
 は farius(列)+fugus(駆除)か。キク科
Fatoua f.<土名 東南アジアの土名からか。またカラムシの方言ハブから出た語かと
 も云うが確証はない。クワ科
Fatsia j.<jap. ヤツデ(八手)の「八」に由来。一説にはハッシュ(八手)の読み
 から来たと云う。ウコギ科
Fauria f.<人名 フランス人でわが国の植物を採集した宣教師Urban Faurie に因む。
 リンドウ科
Festuca f.<1. 或種のイネ科植物に対する古代ラテン名。麦藁の意味もある。イネ科
Ficus f.<1. イチジクに対するラテン語の古名。語源はギリシャ語の呼び名 sycon 
 からとされている。クワ科
Filipendula f.<1. filum(糸)+pendulus(吊り下がった)。基本種の根が小球を
 糸で繋いだように見えるから。バラ科
Fimbristylis f.<1. fimbria(房毛)+stylus(花柱)。基準となった種の花柱が毛
 で縁取られていたことから出た名。カヤツリグサ科
Finetia f.<人名 フランスのランの研究家A.Finet の名に因んだもの。ラン科
Firmiana f.<人名 オーストリアのK.J.von Firmian(1718〜1782)の名に因む。アオ
 ギリ科
Fissidens <1. fissilis(割れる)+dens(歯)。歯のような葉の根元が裂けている
 ため。蘚類
Flammulina f.<属名 Flammula(属名)の縮小形。flamma はラテン語で焔。傘や襞
 ヒダが赤いから付いた名。マツタケ科
Foeniculum n.<1. ラテン名 faenum(乾草)から出た語で綴りが誤った。恐らく糸状
 又は藁状に細く分裂した葉形に基づくもの。セリ科
Fomes m.<1. fomentum(火口ホクチ)。菌体に火を点ける火口に使うから。サルノコシ
 カケ科
Fomitopsis f.<属名 Fomes(属名)+opsis(似たもの)。サルノコシカケ科
Fontinalis f.<1. fontis(泉)。泉や清流中に生えるため。蘚類
Forsythia f.<人名 イギリスの園芸家William A.Forsyth(1737〜1804)を記念。モ
 クセイ科
Fortunella f.<人名 イギリスの学者で東洋に旅行したRobert Fortune に因む。ミカ
 ン科
Fragaria f.<1. 野生のイチゴのラテン名 fraga から来た。語源は fargare(薫る
 )。果実が芳香を持つため。バラ科
Frangula f.<1. 古いラテン名で,frango(破る,壊れる)に由来。枝が脆モロいこと
 による。クロウメモドキ科
Fraxinus f.<1. セイヨウトネリコのラテン古名。ラテン語の phraxis(分離する)
 に由来する名と云われるが不明。モクセイ科
Freesia f.<人名 19世紀のドイツの医者H.Th.Freese に因む。アヤメ科
Fritillaria f.<1. fritillus(賽子サイコロを入れる筒)。筒状をした花形を譬えたも
 の。ユリ科
Frullania f.<人名 Frullan の名に因む。苔類
Fuirena f.<人名 デンマークの植物学者Georg Fuiren の名に因んだもの。カヤツリ
 グサ科
Funaria f.<1. funis(綱)。朔(草冠+朔)の柄が乾くと綱状に捩れるから。蘚類
Fuchsia f.<人名 ドイツの本草学者Leonhard Fuchs(1501〜1565)の名に因む。アカ
 バナ科
Fucus m.<g. ギリシャ語で海藻を指す言葉(phycos)から由来。ヒバマタ科
[次へ進んで下さい]