学名解説(属名)[D〜G]
Diervilla f.<人名 フランスの旅行者N.Diereville に捧げられた名。彼がこの植物
をカナダから植物学者の Tournefors の元に1699年に持って来たから。スイカズラ科
Digenea f.<g. dis(二つ)+genea(属)からなる語。フジマツモ科
Digitalis f.<1. digitus は手袋の指を意味するラテン語。その管状の花冠が最初,
古代英語名で folks(or fairies)glove(人又は妖精の手袋)と云われたことによ
る。ゴマノハグサ科
Digitaria f.<1. digitus(指)。花穂の分かれた形を指に譬えたもの。イネ科
Dimeria f.<g. dimeres(二数)。花穂が二又するため。イネ科
Dioscorea f.<人名 1世紀のギリシャの自然科学者A.D.Dioscorides に捧げられた
名。ヤマノイモ科
Diospyros f.<g. Dios(神,Jupiter)+pyros(穀物)。”神の食べ物”の意で美味
な果実を称えたもの。カキ科
Diphylleia f.<g. dis(二つの)+phyllon(葉)。株に一本の茎を生じ,通常二枚
の葉を付けるため。/メギ科
Diphyscium f.<g. di(二)+physcium(胃袋)。胞子嚢の形が似ているから。蘚類
Diplachne f.<g. diplous(二重の)+achne(籾殻)。重鋸歯のある外花穎に基づ
く。イネ科
Diplacrum n.<g. di(二)+placus(板)。雌花には二枚の鱗片があるためならむ。
カヤツリグサ科
Diplaziopsis f.<属名 Diplazium(属名)+opsis(似る)。Diplazium に近いシダ
の意。ウラボシ科
Diplazium n.<g. diplasios(二重)から出た名。ウラボシ科
Diplomorpha f.<g. diplo(二重の)+morphos(形)。ジンチョウゲ科
Dipsacus m.<g. ラシャカキグサのギリシャ名で,この属の植物の葉の根元が杯状に
癒合ユゴウして水を溜めていることがあるため。dipsa(渇く)に由来すると云われる。
マツムシソウ科
Disanthus m.<g. dis(二)+anthos(花)。二個ずつ接着する花に基づく。マンサ
ク科
Disporum n.<g. dis(二重の)+spora(種子)。子房の各室に二個の胚珠を持って
いることによる。ユリ科
Distromium n.<g. di(二)+stroma(床,層)。植物体の横断面が二層の細胞層で
出来ているため。アミジグサ科
Distylium n.<g. dis(二)+stylos(花柱)。雌蘂が二本の花柱を持っているから。
マンサク科
Ditrichum n.<g. di(二)+trihtos(糸)。蘚類
Dolichos m.<g. dolichos(長い)。Theophrastus が使った名。莢サヤの長さによると
も,また長い蔓になるためとも云われる。マメ科
Dontostemon m.<g. odons(歯)+stemon(雄蘂)。アブラナ科
Dopatrium n.<土語 インドでの呼び名。ゴマノハグサ科
Draba f.<g. draba(辛い)。Dioscorides が Cardaria Draba に付けた名で,葉や
茎に辛味があるため。後に転用。アブラナ科
Dracocephalum n.<g. dracon(龍)+cephale(頭)。基準になった種の花冠の形に
よる。シソ科
Drosera f.<g. drosaros(露を帯びた,露の多い)。葉に多数の腺毛が密生して液を
分泌し,露を帯びたように見えるため。モウセンゴケ科
Dryas f.<g. Dryas はギリシャ神話の森の女神(樹の精)の名。転じてカシの木を指
す。葉が小さなカシの葉に似ていることから来たもの。バラ科
Drymaria f.<g. drymos(森)に因む。ナデシコ科
Drymotaenium n.<g. drymos(森)+tainia(帯,紐)。樹上に着生して長い紐状の
葉を垂下するため。ウラボシ科
Dryopteris f.<g. ギリシャ語の dry(カシ)+pteris(シダ)。カシノキに着生す
るシダの意から。ウラボシ科
Duchesnea f.<人名 フランスの植物学者Antane Nicolas Duchesne(1747〜1827)を
記念。バラ科
Dumasia f.<人名 フランスの J.B.Dumas の名に因んだもの。マメ科
Dumortiera f.<人名 ベルギーの植物学者Barthelemy Charles Dumortier(1797〜
1887)の名に因む。苔類
Dunbaria f.<土名 インド名 dunbar。マメ科
Dysophylla f.<g. dysodes(悪臭)+phyllon(葉)・シソ科
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