03a 希少野生動植物種の保護
△ハハジマメグロ(東京営林局)
対象区域:母島植物群落保護林,桑の木植物群落保護林,向島植物群落保護林及び
これら保護林周辺区域
@母島,向島等に生息する小笠原固有種
Aスズメと同じ全長14p程度の大きさで,目の周りには逆三角形の黒い部分がある。
B個体数は,3〜4千羽程度
Cタコノキ,モクマオウ等の樹木に営巣する。
D二次植生によって回復した森林など比較的明るい森林内では,生息密度が高い。
E餌はシマグワ,ガジュマル,オレンジ等の植物質の果実,果肉及びアリ,クモ等の
動物質
F2〜7月の間に複数回繁殖するといわれている。
△ライチョウ(長野営林局)
対象区域:白馬岳高山植物群落保護林,焼岳特定地理等保護林,上高地特定地理等
の保護林とこれらの保護林周辺区域
@森林限界ハイマツ帯とその下方に広がる高山植物群落地帯の限られた地域に生息す
る地上性の留鳥
A個体数は,300羽程度
B繁殖期はハイマツ帯と高山草原に生息し,主に地上生活を営むが,厳冬期には森林
限界のダケカンバ・オオシラビソの混交林内で採食し,ねぐらは急斜面の雪庇を利
用
C営巣場所は,30p前後の高さで連続的に広がるハイマツ群落が好まれる
D雑食性で季節によって異なるが,繁殖期には高山植物の芽,葉,実及び昆虫類を主
に採食する。
E天敵は空中性の猛禽類と地上性のオコジョ,テン,キツネなどであるが,近年登山
者の増加にともないカラスやキツネが増え,抱卵中の親ライチョウが襲われる場合
もある。
△ツシマヤマネコ(熊本営林局)
対象区域:御岳特定動物生息地保護林及びその周辺区域
@インド西部から沿海州,中国東北部,済州島,朝鮮半島まで広く分布しているベン
ガルヤマネコの亜種と考えられ,わが国では対島のみに生息している。
A個体数は,100匹程度
B標高の低い山麓のコナラ林,ススキ草地,耕作地,谷地形等を良く利用する。
C雄の成体体重は3〜5s,頭胴長50〜60p,尾長25〜35pくらい,雌は雄より少し
小さい。
D餌はネズミ,モグラのほか,ヘビ,カエル,昆虫類等
E繁殖期は春で,5月下旬ごろに出産が多く,1〜3頭を出産する。
△イリオモテヤマモコ(熊本営林局)
対象区域:西表森林生態系保護地域及びその周辺区域
@ネコ科ネコ亜科ネコ属に属する1属1種のヤマネコで,分布域は西表島に限られる。
A個体数は,100匹程度
B雄の成体体重は4〜5s,頭胴長が55〜60p,尾長23〜25pくらい,雌は雄より一
回り小さい。
C住宅地とその近くの耕作地を除き,海岸から山奥までいたるところに生息の痕跡が
みられるが,内陸山岳地ではなく,沿岸地帯,河川の中下流域の低地林に生息密度
が高い。
D餌は鳥類,ネズミ,トカゲ,カエルなどのほか,イネ科の植物も食べられている。
[次へ進む] [バック]