17 キノコにアタック〈林種別,旬別キノコ狩りガイド2〉
キノコにアタック〈林種別,旬別キノコ狩りガイド2〉
《コース別・四季の美味しいキノコたち》
《マツ林コース》
△マツタケ
[別名]ドヨウマツタケ
[特徴]球形の幼菌が開くと傘径10〜30pの大型になり,柄も10〜30pになります。
傘は褐色のササクレに覆われ,次第にヒビ割れます。ヒダは白色,柄は傘色
と同じで上部に綿毛状のツバがあります。香りが強いので見分けは容易です。
[発生時期]9月上旬〜11月上旬
[発生場所]地上
[見つけ方]土用マツタケと呼ばれるように,6〜7月の梅雨時にも発生します。5
月が比較的暖かく,梅雨の雨が多くてやや寒い気候のときに発生します。秋
ものは,夏の暑さが過ぎ9月の秋雨があって寒くなると発生します。アカマ
ツ,クロマツ,ツガ,ハイマツ,アカエゾマツ林の日当たり,風通しがよく,
土がやせて下草が少ないところによく出ます。マツタケ山は大抵「留め山」
になりますが,その近くの山の峰を彷徨くウロツクのも手です。マツタケの出や
すいところは,横に張りだしたマツの枝の先端から雨や雫が落ちる辺りです。
マツの根の先端の細根の円周に丸い菌輪をつくって生えます。幼菌のうちは
球形で土や落ち葉をモコッと持ち上げ隠れています。視線を低くして持ち上
がったところをよく視ることがコツです。3日もすれば傘が開きます。
△マツタケモドキ
[別名]マツタケノオバサン,オバマツタケ
[特徴]マツタケよりもやや濃い褐色の繊維状の鱗片で覆われ,柄の元が細くなって
います。マツタケより小さく香りも劣ります。
[発生時期]9月中旬〜11月上旬
[発生場所]地上
[見つけ方]マツタケより少し遅れてアカマツ林やアカマツの点在する雑木林に生え
ます。マツタケとそっくりですが,傘径4〜10p,柄長3〜10pと小型で,
柄の基部が上部より細いのが特徴です。また,マツタケの香りがないので,
はっきり区別できます。肉は白〜褐色でしまっており,よい出汁ダシが出ま
す。
△アンズタケ
[発生時期]9月上旬〜10月下旬
[発生場所]地上
[見つけ方]夏の残暑も和らぐ頃,マツ,スギなどの針葉樹林や混生林に,秋一番初
めに一斉に出ます。里山の平地部や頂上付近の針葉樹の葉の積もった湿気の
含んだところに出やすいです。鮮やかなオレンジ色をしたロート状のキノコ
でよく目立ち列をなして出ます。アンズの色と香りがするのでよく分かりま
す。
幼菌は丸山形で白黄の粒のようですが,傘がロート状に開き真ん中が窪み
ます。傘面は滑らかで透明感があり,裏面は脈状のシワヒダが柄部に下りて
います。柄は太く,柄長は3〜8pです。
[紛らわしい毒キノコ]ウスタケ
△アミタケ
[別名]アミコ,ハチス
[特徴]傘径5〜11p,柄長3〜6pの小型です。淡黄褐色の傘には粘り気があり薄
く剥がれやすく,管孔は多角形で放射状に並んでいます。柄は傘と同色,肉
は傷をつけても変色しません。
[発生時期]9月上旬〜10月下旬
[発生場所]地上
[見つけ方]アカマツ林やクロマツ林,またマツが点在する雑木林の風通しのよいジ
メジメしていないところの地上から出ます。ヌメリイグチ,ハナイグチなど
傘裏がアミになっているイグチ類はほぼ同じ時期に発生し,発生期間も短い
のでチャンスを逃さないようにして下さい。群生することが多く,見つかれ
ば大量に採れます。粘り気がありますので,根元やゴミを取り除いてから入
れ物に入れます。
[紛らわしい毒キノコ]ドクヤマドリ,アシベニイグチなどのイグチ科の毒キノコは,
大型で管孔が細かく,傷つけますと青変します。
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