17a キノコにアタック〈林種別,旬別キノコ狩りガイド2〉
△ハツタケ
[別名]ロクショウハツタケ
[発生時期]9月上旬〜10月上旬
[発生場所]地上
[見つけ方]夏の終わり秋雨の降った後,アカマツ林,クロマツ林の地上から一斉に
出て,すぐ消えてしまいます。緑青ロクショウハツタケと呼ばれるように,傷を
つけると暗赤色の乳液が出て,すぐ緑青色に変色します。傘は開いてからロ
ート状に反り,淡赤褐色の地に濃い同心円の模様があります。また傘色が淡
黄土色のアカハツも同様に緑青色に変色しまが,食べられます。
△カワムラフウセンタケ
[別名]ムラサキゴンド
[特徴]傘径3〜15p,傘色黄土褐色,湿っているときは粘性があります。ヒダは淡
紫からにっけい褐色に変わります。
[発生時期]9月上旬〜10月上旬
[発生場所]地上
[見つけ方]秋雨後の秋口,マツ林やマツの混じる雑木林の地上に一斉に群生,散生
します。見つけると大量に採れ,キノコ狩の醍醐味を満喫できます。地際の
根元が塊茎状にふくらみ,幼菌の頃は傘も丸山形で風船にようにずんぐりむ
っくりしています。初めの柄,ヒダが淡紫なので目につきやすく,傷つける
と濃紫色に変色します。
△キシメジ
[別名]キンタケ,ウコンタケ
[特徴]傘の中央が細かな褐色のササクレがあり,柄の下部がふくらんでいます。
[発生時期]9月上旬〜10月下旬
[発生場所]地上
[見つけ方]まだ残暑の残る秋口の雨上がりの朝,近くの里山に入ってみましょう。
霧が立ちこめるマツ林やマツが点在する雑木林に,傘も柄もヒダも黄色の美
しいキシメジが並んで出ています。傘径5〜15の大型キノコで,雨に濡れ粘
性を帯びて光っています。晩秋のクロマツ林に出るシモコシ(後述)と大変
似ていますが,キシメジは噛むと少し苦く,柄がやや細いです。
△クロカワ
[別名]ウシビタイ,ナベタケ
[特徴]幼菌は丸山形で灰白色,傘を開くと傘径5〜20pになり,次第に黒くなりま
す。傘裏は白く管孔状,柄は黒く短く,肉は白いが傷つくと赤紫になります。
[発生時期]9月中旬〜10月中旬
[発生場所]地上
[見つけ方]秋雨の後,マツ,モミ林やマツが点在する雑木林をコウタケを狙って歩
いていますと,黒い鍋底のようなクロカワに出合います。里山の風通し,水
はけのよいところの湿り気を含んだ腐葉土の中から生えます。灰白〜黒色で
柄が短く薄平べったいので,落ち葉にまぎれて見逃しやすいです。一つ見つ
けますと,近くに群生していますので,付近一帯を棒の先で落ち葉をかき分
けてよく見て下さい。
△ヌメリアイタケ
[別名]アオネバリ
[特徴]傘は扁平で大きくなるにつれて粘りが出てきます。傘裏に白い管孔が薄くつ
き,肉は白色で少し苦みがあります。
[発生時期]10月上旬〜11月下旬
[発生場所]地上
[見つけ方]マツ林かマツの点在する里山の尾根付近か,中腹の風通しがよく乾きぎ
みの地上から,重なり合うようにして群生しています。傘の表面が濃いナス
紺色で,黒土の色にまぎれて見逃しやすいです。クロカワと似ていますが,
傘径は2〜7pと小さく,白い柄が長いです。
△マツバハリタケ
[別名]マツカワ,マツバカノコ
[特徴]傘径5〜15p,材木色,傘裏は4〜6oのやわらかい白い針が密生し,柄は
太く短いです。肉は白く厚く柔らかいです。
[発生時期]9月上旬〜11月中旬
[発生場所]地上
[見つけ方]夏の終わりから里山に近い平地のアカマツ林や海岸のクロマツ林の地表
に生えます。一見食べられそうもない感じですが,噛むと爽やかな樹脂の香
りとキノコ臭があり,お薦めしたいキノコの一つです。傘表面は淡茶褐色で
ナメシ皮状の感触で,周縁が白く不規則はハート形をしています。
△アオロウジ
[別名]アオッコ,マツマエタケ
[発生時期]10月中旬〜11月下旬
[発生場所]地上
[見つけ方]晩秋,ミゾレが降る頃,マツ林やマツの混じる雑木林の落ち葉が厚く積
もったところに,数枚の傘が重なり合って変形して生えます。傘は青緑〜空
色で淡黄の微毛に覆われ,大きくなると色あせて灰褐色になります。裏の管
孔面も淡青色から杏アンズ色に変わります。柄は傘と同色で短く,肉は厚くや
わらかく淡橙色〜橙黄色です。
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