16d キノコにアタック〈林種別,旬別キノコ狩りガイド1〉
 
 △ゴムタケ・オオゴムタケ
 [特徴]ゴムタケ:臼の側面は茶褐色,上面や内部は黒褐色でゴム状のゼラチン質で
     す。
 [発生時期]8月中旬〜11月下旬
 [発生場所]倒木,枯木
 [見つけ方]幼菌は小さな球形ですが,成菌になると径1〜4p,コマや臼の形にな
     ります。沢地の倒木や枯木,またナメコやシイタケ栽培用のホダ木など,広
     葉樹の比較的伐って間もない林木によく発生します。オオゴムタケは径4〜
     7pの逆円錐形です。
                                                                              
 △ゴムタケモドキ
 [別名]ニカワチャワンタケ
 [特徴]初めは小さな点々とした白粒ですが,半透明の肌色から淡褐色,径1〜5p
     の花びらのようなお皿状になります。
 [発生時期]8月中旬〜11月下旬
 [発生場所]倒木,枯木
 [見つけ方]ゴムタケと同様,夏でも冷気を感じる谷,川などの湿気の多いところの
     倒木,枯木に生えます。
                                                                              
 △アイカワタケ
 [特徴]全体が鮮やかな黄色で径10〜30p,半円形〜扇状に広がり周囲が波打ち放射
     状のシワができます。
 [発生時期]6月〜10月
 [発生場所]枯木,切株,枯幹
 [見つけ方]サルノコシカケのようにナラ,クリ,カシなどの広葉樹の枯木,枯枝,
     切株,生木の腐朽部に梅雨から秋にかけて発生します。樹皮の裂け目に根元
     から重なるように発生しますので,間皮アイカワタケと呼びます。生長期間が長
     く,古くなると鮮やかな黄色が色あせて硬くなりすので,肉に弾力性のある
     若いうちに採って下さい。樹下ばかりでなく樹上も見て下さい。同じ種類の
     マスタケは主にマツ,ツガ,トウヒなどの針葉樹に発生します。
                                                                              
 △カノシタ・シロカノシタ
 [別名]ツチカノコ
 [特徴]傘径5〜10p,柄長2〜8p,傘の表面はビロード状〜平滑,針は2〜5o
     です。
 [発生時期]8月中旬〜11月中旬
 [発生場所]地上
 [見つけ方]広葉樹やマツなどの混じった混生林の落ち葉の厚く積もった水はけのよ
     いところに生えます。ブナハリタケにように,波打った扁平の白い傘に裏に
     針状の突起が出ています。鹿の舌にようなのでカノシタと呼びます。カノシ
     タは全体が卵黄〜黄色ですが,シロカノキタは全体が白色,しばしば群生し
     見つかると大量に採れます。
 [紛らわしい毒キノコ]傘の下に針が生じるものには,有毒なものはありません。
                                                                              
 △スギタケ
 [別名]ヤマドリタケ,スギナメコ
 [特徴]丸山形の傘が開き,径3〜10pの傘に,繊維状の赤褐色のササクレがつきま
     す。ヒダは黄白色で,大きくなると褐色になります。
 [発生時期]8月中旬〜11月下旬
 [発生場所]倒木,切株,枯幹,埋もれ木
 [見つけ方]いろいろな広葉樹やマツ,モミなどの針葉樹の切株,倒木,枯木に十数
     本株立して発生し,しばしば大量に採れます。イボナメコと呼ばれてナメコ
     に似て美味しいが,粘りはありません。
 [紛らわしい毒キノコ]黄褐色でササクレのあるキノコは毒性が少ないですが,食べ
     過ぎたり,お酒と一緒に食べると下痢や中毒を起こします。地上に生えるツ
     チスギタケは,中毒を起こすこともありますので要注意です。。
                                                                              
 △ヌメリスギタケ・ヌメリスギタケモドキ
 [別名]イボナメコ,ヤナギナメコ
 [特徴]ヌメリスギタケ:傘径5〜12p,黄褐色の傘に褐色のササクレがつくが落ち
     易く,傘・柄ともに粘性があり,ツバがつきます。
     ヌメリスギタケモドキ:傘径4〜16p,傘に強い粘性がありツバは不完全で
     す。
 [発生時期]8月上旬〜10月下旬
 [発生場所]倒木,枯幹
 [見つけ方]ヤナギ,ハンノキ,トチ,ブナなどの広葉樹の立枯幹,倒木,枯枝に束
     生します。夏の終わりから9月中旬ころの雨上がりに出かけますと,ヌメリ
     の多い美味しいものが採れます。
                                                                              
〈秋・・・・・・9月上旬〜10月下旬〉
 △ホンシメジ
 [別名]ダイコク,ギンシメジ,ウェッコ
 [特徴]丸山形の傘が開くと中央部がやや窪み,周縁が内側に巻きます。ヒダは白〜
     クリーム色で幅が広く,柄は根元が太く,単生又は束生します。
 [発生時期]9月上旬〜11月中旬
 [発生場所]地上
 [見つけ方]朝夕めっきり涼しくなる頃,峰付近の風通しのよいアカマツの混じった
     混生林の根に菌根をつくり発生します。毎年同じところに出ますので,その
     付近は荒らさないようにしましょう。根元が太く株立し,傘色は淡灰色〜暗
     灰色で若いほど白く(シロフ),だんだん黒っぽく(クロフ)なります。
 [紛らわしい毒キノコ]ネズミシメジ,クサウラベニタケ
                                                                              
 △ウラベニホテイシメジ
 [特徴]高さ10〜20p,中央部が突出した山形の傘表面に白い霜降り状の模様がつき
     ます。ヒダは白色から次第に肉色になります。
 [発生時期]9月下旬〜11月上旬
 [発生場所]地上
 [見つけ方]ホンシメジと同じく低山の峰付近のマツの混じった落ち葉が厚く積もっ
     たところに並んで群生します。径7〜15pの大きな傘が,落ち葉を押しのけ
     るように出ますので,落ち葉をのけて探すのがコツです。毎年同じところに
     出ますので,せっせと山歩きしてみて下さい。
 [紛らわしい毒キノコ]クサウラベニタケ,イッポンシメジ,ネズミシメジ
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