15a 山菜摘みに行こう
3 処理
(1)茹で方
@水洗いしてゴミを取ります。
A鍋にたっぷりの水と少量の塩を入れて,沸騰させます。
B初めに硬い方から茹で,だんだん柔らかい方へと茹でていきます。全体が同じに
茹で上がるようにしましょう。茹で過ぎないようにして下さい。
C茹で上がったら直ちに流水に入れて冷やします。
Dアクや苦みの強いものはアク抜き(後述)しましょう。ホロ苦いのもまたオツな
ものですが,アクの弱い山菜は1〜2日間流水に晒しておくとアクが抜けます。
Eフキは勿論,茎が多少硬くなったものは,茹でてから皮を剥くと柔らかく食べら
れます。
(2)アク抜き処理
山菜は,野菜にはない特有のアクや苦みがあります。このアクや苦みはアルカリ
性の水によく溶けます。
なお,長時間塩蔵しておくとアクは自然に抜けます。
@茹でるときに,木灰,又は重曹を少量加えます。
A1把みのワラビで木灰1握り,又は小匙1杯の重曹が目安です。両方を混ぜて使
うと更によく抜けます。
B木灰や重曹を入れ過ぎると,とろとろになってしまいますから注意して下さい。
(3)塩漬
長期間保存しておきたいときは塩蔵しましょう。
塩蔵には,軽く茹でて塩蔵する方法と,生のまま塩蔵する方法とがありますが,
初めての方は,茹でてから塩蔵するのがよいでしょう。
塩は,多すぎるくらい使って下さい。
@軽く茹で,冷まして水を切ります。
A樽又は桶(木製が望ましい)の底一面に漬物用の塩をおきます。
B束ねた山菜を1列に並べます。
Cその上にたっぷり塩を振りかけます。
Dまたその上に山菜を1列に並べて,塩を振りかけます。
E一番上には,厚めに塩をまぶします。
F押蓋をして重石を置き,冷暗所に保管します。
V 保存
1 保存のし方
保存のし方には塩蔵のほか,次のような方法もあります。
(1)乾燥
アク抜き剤を入れて茹でたものを天日で乾燥するものです。
ござ,むしろ,又はトタン板の上に重ならないように並べ,1日〜数日間干しま
す。万遍なく乾燥させるため,ときどき裏がえしして下さい。
ゼンマイの場合は,時々手で丸めるように揉みながら干します。
乾燥した山菜は,種類と日付を書き入れたポリ袋,又は紙袋に入れて湿気のない
ところに保管します。
(2)ビン詰め
@茹で上がったものをビンに詰め,茹で汁も一緒に入れます。
Aこのビンを熱湯で15分間殺菌します。
B雑菌や空気が入らないように密栓し,冷暗所に保管します。
(3)オカラ漬
豆腐のオカラを一緒に入れて漬け込む方法です。
通常の塩漬ではうまみが抜けてしまいます。この方法ですと,オカラの風味が加
わり,まろやかな味になります。
米糠を一緒に入れて漬け込む方法もあります。
@4s程の山菜に,オカラ1s,塩1.5sを混ぜ合わせて漬け込みます。
A押蓋をして重石を置き,冷暗所に保管します。
2 保存した山菜のもどし方
(1)塩の抜き方
塩漬けしたものは,ある程度塩気を残して食べます。塩気を抜ききってしまうと,
うまみ,香りなどはなくなり全然美味しくありません。
@通常は流水に浸して塩を抜きます。バケツに入れた水で塩抜きをするときは,数
回水を取り替えます。
Aぬるま湯でも塩が抜けます。塩漬したものをぬるま湯に入れて火にかけ,素手を
入れられない程度にぬるま湯が熱くなったら,火から下ろして蓋をし,そのまま
冷まします。途中で2回ほどかき混ぜて下さい。
B生のまま塩漬けしたものは,水洗いをしてから茹で上げると塩が抜けます。
(2)乾燥品のもどし方
葉質のものは,水に半日程度浸しておくともどります。もどったらさっと茹でて
下さい。茹でると日向臭さがなくなります。
(3)ゼンマイのもどし方
@干したゼンマイとたっぷりの水を入れた鍋を火にかけ,手でほぐしながら熱くし
ます。素手が入れられない程度に熱くなったら湯をこぼして下さい。
Aこれを2回繰り返し,3回目のときは湯を沸騰させ,火から下ろして落とし蓋を
して下さい。そのまま一昼夜おくと,ふっくらと,柔らかくもどります。
参考:野外ハンドブック・1 山菜
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