15 山菜摘みに行こう
 
             山菜摘みに行こう
 
Ⅰ 予備知識
 
1 山菜摘みに出かける前に
 
(1)服装
  ①脱げにくい帽子,上着は長袖,長ズボン,ゴム長靴又は地下足袋,両手に軍手が
   標準装備です。
  ②マムシ予防のため足首,及び毒虫・皮膚カブレ予防のため腕はそれぞれ露出させ
   ないで下さい。
  ③蜂(スズメバチなど)は黒色をみて反応(攻撃)する習性があるので,服装は黒
   っぽくない方がよいでしょう。
(2)携行品
  ①付近の野山でも,雨具,おにぎり,救急薬品(傷薬,救急絆創膏,包帯)は必需
   品です。
  ②採取用具としてナイフ,小鎌,小シャベルなどを携行して下さい。
  ③汗拭きタオル,荷造り紐,新聞紙,即席調理用としての塩・味噌・醤油なども携
   行して下さい。
  ④山菜は歩きながら採りますので,入れ物としてあまりかさばらない手さげ袋,手
   かごなどを常時携行します。
  ⑤採取が終わると背負いかごやリュックサックに詰めて持ち帰ります。詰めるとき
   は新聞紙などで包んだ方がよいでしょう。なお,ポリ袋はムレるので不適です。
  ⑥日本では,谷川の水のほとんどは飲めますが,たまには鉱質の多い飲料不適な小
   川もありますので,飲料水は必ず持参しましょう。
  ⑦山歩きは疲れますので,疲労回復用としてチョコレート,氷砂糖,レモンなどは
   必ず持参して下さい。
(3)心得
  ①国公立自然公園などの自然保護地域では採取が禁止されています。
  ②全ての森林原野には所有者がおりますので,その所有者又は管理者の指示(又は
   許可)を遵守して下さい。
  ③国有林などでは,所有者(国有林の場合は営林署)と地元の住民団体とで山菜な
   どの保護管理契約を結び,一般の方々に対し入林料を徴し,又は入山を禁止して
   いる山もあります。
 
2 山に入ったら
 
(1)自分のいる場所(遭難防止)
  ①常に,太陽の位置と時刻で自分のいる場所を「カラダ」で覚えておきましょう。
  ②竹薮などに入るときは,方向を見失うので必ず磁石を携行して下さい。
  ③他の入山者との位置確認のため,ラジオ等を適音にして聴いて歩くのもよいでし
   ょう。
(2)採り方
  ①若芽・若茎は手で軽く折り取ります。下方からしごいてくると自然に折れ,そこ
   から上部が柔らかくて美味しいです。それより下部は硬くてまずいです。
  ②根茎や根は,小シャベルで丁寧に掘り取ります。
  ③根絶を防ぎ資源を保護するため,全てを採らないで,その内一部(少なくとも1
   本)は残しておきましょう。
(3)マナー
  ①山菜採りは趣味でするものですので,自分で利用する分だけ採取しましょう。
  ②旬のものだけを採りしましょう。
  ③有毒のものもありますので,名前を知っているもののみ採りしましょう。
  ④穴を掘ったときは埋め戻して下さい。
  ⑤他の植物を折ったり,切ったりなど傷つけないよう注意して下さい。
  ⑥採った山菜はすべて持ち帰りましょう(欲張らないで,背負える分だけ採取する
   こと)。
 
Ⅱ 採取後の処理
 
1 処理の鉄則
 
  すぐ加工処理することを原則とする。
  山菜(木の実などを除く)の醍醐味は,その新鮮さを味わうことにあります。また,
 山菜は春の出芽開始直後の,生長が最も旺盛な若芽・若茎・若葉を摘み採ります。採
 取後も盛んに生長しているので,いっときも早く加工調理,又は生食することです。
 
2 下ごしらえ・分類
 
  ゼンマイは綿毛,フキなどは葉を取り除きます。しおれたものは霧吹きするか,一
 旦水に入れると,シャキッと生き返ります。
  直射日光を避けたところで,種類別に,そして大きさ別により分けます。
  また,①生食するもの,②おすそ分けするもの,③茹でてすぐ食べるもの,④茹で
 て塩蔵するもの,⑤生のまま塩蔵するものなどに分類します。
  分類した山菜は,稲藁イナワラなどで直径3~5㎝程度に束ねておくと,その後の処理
 作業がしやすいです。
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