14 国際熱帯木材機関(ITTO)とは
 
            第13回理事会開催 04.11.11-24
                                       
1 ITTOの概要
                                       
 国際熱帯木材機関(INTERNATIONAL TROPICAL TIMBER ORGANIZATION)は,熱帯林の保
全と開発のために,@研究・開発の促進,A市場情報の改善,B生産国における加工の
増進,C造林・森林経営の分野について,生産国と消費国の国際的な協力を進めること
を目的として1986年11月に設立された国際機関で,事務局本部は横浜市にあります。加
盟国は,主に熱帯地域の国々を始めとする生産国23カ国と,日本を始めとする消費国27
カ国で構成されています。
                                       
2 活動状況
                                       
 ITTOのこれまでの活動状況は次のとおのです。
                                       
(1)熱帯林の管理・経営,森林の保育,未利用樹の利用などに関する研究・開発プロ
ジェクトなど100件以上実施。
                                       
(2)熱帯林の劣化,減少を防ぐため「西暦2000年までに,持続的(伐採量が森林の成
長量を上回らない)経営が行われている森林から生産された木材のみを貿易の対象とす
る。」と,目標を達成するための計画行動を策定。
                                       
(3)各国がとるべき行動指針として,「熱帯天然林の持続的経営に関するガイドライ
ン」,「熱帯人工林の持続的経営に関するガイドライン」の策定と,西暦2000年目標達
成するための指標となる「持続的経営の定義及び基準」を策定。
                                       
3 今回の理事会での採択
                                       
 今回開催された理事会では,
                                       
(1)熱帯木材の円滑,公正な貿易の促進を加盟国は確保すること。
(2)西暦2000年目標を達成するために必要な資金量を各国ごとに見積もるとともに,
その資金量の妥当性について専門家による検討を行うこと。
(3)熱帯林生産林における多様な生物の生息を保つためのガイドライン。
(4)西暦2000年目標の達成に向けた各国の取り組み状況について報告すること。
                                       
等が採択されたほか,今回新たに19の研究,開発などのプロジェクトが採択されました。
                                       
 なお,ITTOは,1985年4月に結ばれた「国際熱帯木材協定(INTERNATIONAL TROー
PICAL TIMBER AGREEMENT:ITTA)」に基づき設置されたものですが,現行のITT
Aは1994年3月で期限切れとなるため,次期ITTAの準備のための検討も併せて行わ
れました。
                                       
4 熱帯林貿易3原則と施策
                                       
 わが国では,西暦2000年目標を達成するために,ITTOの場で,「熱帯木材貿易3
原則」を実施することを明らかにしており,これに基づき農林水産省では次のような施
策を実施しています。
                                       
《熱帯木材3原則》       【具体的施策】
                                       
T 熱帯木材のモニタリング   @わが国の熱帯木材輸入のモニタリング
                A西暦2000年に向けての熱帯木材需要量の予測
                B輸入業界団体による輸入取引の自主的ガイドライ
                 ンの策定を指示
                                       
U 熱帯林産物の付加価値の向上 @未利用熱帯林産物資源の市場開発のための情報整
                 備
                                       
V 熱帯木材消費の合理化    @1996年を目途に合板業界団体が合板原料の3割を
                 熱帯材から他の材へ転換する(現在は約9割が熱
                 帯材)目標に対する支援
                A原料の針葉樹転換のための設備導入及び技術開発
                 に対する助成
                Bコンクリート型枠用合板の反復利用回数の増加等
                 への支援
                                       
                 参考:ミニレター(農林水産省大臣官房企画室)
[次へ進む] [バック]